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2007冬北海道旅行記
【3月2日(金)】

嫁さんと冬の北海道に行こうと話をしていたのだが、週末は、何かと嫁さんの予定が入っていて、なかなか都合が合わない。このままでは、春になってしまいそうなので、ならば、一人で行くと宣言。すると、あっさり、いいよとのことで、有給も付けて、3泊4日で北海道を回ることになった。
嫁さんがいれば札幌・富良野辺りだなと思っていたのだが、一人ならば、好き勝手に行動できる。というわけで、道東をレンタカーで移動することにした。

当日は、7:10羽田発の飛行機で女満別に向かう。
途中の品川駅には、まだ、6時前なのに、結構な人がいる。釣りの人も多い。これから三浦半島に行くのだろう。
女満別行きの飛行機は、今回、初めて利用。待合所から飛行機まではバスでの移動で、バスを降りて思った。
飛行機が小さい...
まぁ、女満別便だとこのくらいの大きさなんだろうなと思いながら、飛行機に乗る。機内は空いているのかと思っていたが、結局、ほぼ満席。年寄りと若者が多いようだ。隣は、どうも飛行機が初めてらしい学生と思しき男二人。なんだか、狭苦しいよぅ。


飛行機は、大きな遅れもなく女満別に到着。機内では、持ってきた熊谷達也の「相克の森」を読み耽って、あっという間だった。

さて、レンタカーを借りて、出発。時間は9時過ぎ。今夜は知床のウトロに宿を予約しているので、まずは、網走に向かう。それにしても、前日は自宅で、翌日の朝9時には女満別にいるのだから、便利な世の中だ。
雲が多いが、空は晴れている。暖冬なので、予想通り、路面は乾いていた。これならば、雪道に慣れていない人間でも問題ない。オートバイでも走れそうなくらいだ。
しばらく走っていると、地元の人の運転がおとなしいことに気がついた。夏には、一般道を100Km以上で飛ばしている人達とは思えない。さすがに、冬は、安全運転のようだ。

国道39号線に入り、しばらく走ると、左側に網走湖が見えてきた。といっても、全面結氷しているので、雪原と変わらない。
途中、ワカサギ釣りのテントが見える。自分も、一度、やってみたいなぁ。
網走湖が終わる辺りで、大きなカメラを手にした人が湖の方向を見ている。Uターンして戻って来ると、もう、その人はいなかったが、車を降りて湖面を見ると、この辺りが網走川への流れ出し口になっている。川は凍っていないので、氷面と水面の境目があって、鳥がたくさん見える。さっきの人はこの鳥を撮っていたのかなと思っていると、氷の上に、何かゴミのようなものが乗っている。ゴミにしては大きいし、かといって岩でもなさそうだしと思って、デジカメの望遠を最大にして液晶を覗くと、どうも、アザラシのようだ。ピクリとも動かず、液晶も見にくいので、ちょっと自信はないけど、とりあえず、写真を撮って、自宅のモニタで見てみよう。

で、その写真がこれ。 多分、アザラシだと思うんだけどなぁ。

網走湖のアザラシ
一眼のカメラが欲しくなります

網走を抜けて、オホーツク海沿いの国道を知床に向かう。網走市内の気温表示板は-3度とあった。予想通り、網走にしては暖かい。
海を見ると、流氷は、海岸沿いにはあるが、沖の方は青い海面が見える。やはり、暖冬で、流氷が少ないのか。
時々、雪がパラつく。道路の上では、落ちてきた雪が風に流され、うねっている。

小清水の道の駅で停車。ここのフレトイ展望台からは、オホーツク海を一望できる。冬の道東は4年ぶりなのだが、前回も、ここに立ち寄った。

滑る歩道を柵に掴まりながら登る。ここの展望台は、建物の中に展望室があるのだが、扉が開いたので中に入ってみる。階段を上がった2階が展望室なのだが、誰もいない。ここにも扉があって、バルコニーのような外に出ることができる。こちらも、扉が開いたので、外に出ると、凄い風。寒いー。風が冷たいー。景色を見るために目を見開くと涙が出てくる。写真を撮るために手袋を取ると、手が冷たい。凍えそう。なので、何枚か写真を撮って早々に退散。
で、中に入ろうと思って、扉を開けようとすると開かない。えっ?何回か、ガチャガチャやっても開かない。こんなところに閉め出されたら凍死するぞ。ちょっと、びびりつつ、バルコニーを半周して反対側の扉に行く。ドキドキしながら開けると、無事、開いてくれた。ふー。もう一度、出た扉に行ってみると問題なく開く。どうも、さっきは、風に押されて開きづらくなっていたようだ。ったく。

フレトイ展望台からの流氷 フレトイ展望台からの流氷
フレトイ展望台からの流氷 右下に見える建物は、浜小清水前浜キャンプ場の施設

ウトロに近づくに連れて、流氷が減っていく。こちらの方が多いと思っていたのに。おまけに、よく見ると、流氷が波で上下している。明日は流氷ウォークをやるつもりなんだけど、できるのかなぁ。

昼頃、ウトロ市街に到着。飛行機が混んでいたので、結構、人がいるのかと思っていたが、そうでもない。というか、閑散としている。
なにか食べようと思って、2004年夏のツーリングで利用した「ウトロ漁港婦人部食堂」に行ってみたが、閉まっている。まぁ、宇登呂漁港が閉鎖されているのだから当たり前か。
市街に戻って、適当な店の駐車場に車を停める。自分よりちょっと先に停まった車からスーツ姿の二人が降りてきて、先に店に入った。ウトロの手前から、ずっと自分の後ろを走っていた車だったけど、仕事なんだろうな。でも、ウトロでスーツというのは、すごい違和感がある。
カウンターに座って、メニューを眺める。港は閉鎖されているので、生ものはやめて、鮭の親子丼をたのんだ。
店の中は、自分の他には、カウンターの隣に先程のサラリーマンと座敷に若者達が一組。サラリーマンの二人は、それぞれ、カツ丼とラーメンをオーダーしていたけど、なんだか、定食屋の王道を行くたのみ方だ。
で、親子丼の方は、ちょっと味が濃かった。量はたっぷりだったけど、味は普通という感じ。ま、いっか。

鮭の親子丼
鮭の親子丼

お腹も一杯になったところで、次は、知床自然センターに向かう。事前に調べておいたのだが、スノーシューを借りてトレッキングをするためだ。

センターの中は、思ったより人がいた。やはり、世界遺産になって観光バスで来ている人が多いのだろうか。ウトロの街中とはちょっと雰囲気が違う。
スノーシューは初めてなので、履き方を教えてもらって、地図を借りて、フレペの滝へ向かうコースへ出発。

コースの入口でスノーシューを履いて歩き出す。
いきなり、「ヒグマが活動を開始しています!」の看板がある。うーん、暖冬のせいなんだろうけど、これから、北海道はどうなってしまうんだろうと、ちょっと、心配になってしまう。
スノーシューの方は、最初はぎこちなかったが、慣れてくると、結構なペースで歩ける。
林道を抜けると、辺りが開けてきた。風は冷たいが、広大さが気持ちいい。
季節は違うが、今年の正月に日経に掲載されていた風景画の景色がある。天気もよく、冬のうら寂しい雰囲気はない。あー、気分がいいよ。
辺りにはシカが多い。所々、雪がない場所があって、そこの草を食べているようだ。たくさんいるので、なんだか、シカ牧場みたい。車の途中、ウトロ市街から知床自然センターの間にも、道路沿いに、たくさんのシカがいた。夏よりも、冬の方が全然多いな。

フレペの滝コース フレペの滝コース
フレペの滝コース 林道を抜けて、辺りが開けてきた。写真では分かりづらいが、丘の上の左の方に灯台がある

フレペの滝の展望台に到着。周りには、他に二組程、人がいる。そのうちの一組は、年配の夫婦で、スノーシューも履かずに来ている。まぁ、これまでの道のりを考えると、来れないこともないと思うけど、知床自然センターにはスノーシューが必要と明示してあったことを考えると、なんか、大人気ないなぁ。

滝は、水がちょろちょろ落ちているが、大部分は凍っている。この造形が素晴らしい。水が落ちていく一瞬を写真で捉えたようで、どういう過程で凍っていくのか不思議な気がする。また、氷は青みがかった白色で、とても、美しい。見惚れてしまう。
滝が落ちている湾内は流氷に覆われているが、少し沖に行くと青い海面が見える。夏とは全く違う景色。夏もいいけど、どちらかというと、冬の方がいい気がするなぁ。

フレペの滝 フレペの滝
フレペの滝 青みがかった白色の氷。写真ではイマイチだが、実物は、それはそれは、美しい

フレトイ展望台と同じく、展望台の上は風が冷たい。というか痛い。写真を撮るために手袋を取ると、手が凍えそう。というわけで、いつまでも見ていたいが、そそくさと退却。

帰りの方向には、晴れていれば、遠くに知床連山が見える筈なんだけど、こちらは曇っていて、山裾が見えるだけ。残念。

途中、スノーシューを履いた何組かに出会った。それなりに人は入ってきているが、知床自然センターにいた人の数を考えると少ない。いくら世界遺産になったといっても、多くの人は、簡単に車で来れるセンターまでで、フレペの滝まで来る人は少ないようだ。

センターに戻ると、2時頃。まだ早いので、もう一つ、コースを回ろう。事前に調べたところでは、開拓者コースと呼ばれるコースがいいらしい。平均的には、一周2時間くらいのようだが、スノーシューを3時半までに返さないといけないので、ちょっと、中途半端。まぁ、間に合わないようであれば、途中で折り返して来ればいいか。

こちらのコースは林間で、入口は、国道を挟んでセンターの反対側にある。しばらく歩くと、踏み跡やスキーの跡はあるが、自分の周りには人の気配が全くない。フレペの滝コースと比べるとマイナーで、また、距離があるせいか、あまり人が入っていないようだ。

時々、立ち止まる。今日は風がない。なんの音もしない。時々、微かに、かさっと何かが雪面に落ちる音がするだけ。
だんだん、自分の耳鳴りと心臓の鼓動が聞こえてくる。街にいると、はっきりとした音は聞こえない時でも、どこかを走る車の音なのか何なのか低い振動のような音が感じられる。ここには、それもない本当の静寂がある。しばらく、佇む...

時々止まっては静寂を味わいながら、でも、時間がないので、淡々と歩き続ける。
途中、知床横断道路を横切ったが、除雪がされている。奥で、工事でもしているのだろうか。

コースの一番奥辺りまで来た。結局、時間内に、コースを一周できそうだ。

コースを少し外れたところに開けた場所がある。木の間を抜けて近づいてみると、大きな雪原が広がっていた。あー、これは、気持ちいいー。来てよかったなぁ。
センターで借りた地図には植樹地とあるが、かつて、開拓者によって作られた牧場だろうか。地図には、苗を傷つけないために立ち入らないようにと書いてあるので、雪原の端で景色を眺める。天気がよければ、知床連山もよく見えるのだろうけど、今日は、ガスで裾野しか見えない。ちょっと、残念だけど、雪原を見ているだけでも気分爽快。
実は、転職で、4月から会社が変わることになる。社会人になって、ちょうど15年。転職は何回かしているけど、新たな門出ということもあり、これまでの日常の垢が溶けていくような気がする。
ほんと、来てよかった。

開拓者コース 開拓者コース
開拓者コース 開拓者コース奥にある植樹地。かつての牧場なのだろうか

結局、1時間ちょっとでコースを回ってしまった。
3時過ぎに、知床自然センターで、スノーシューと地図を返すが、客は、もう、ほとんどいない。
ウトロ市街に戻る途中、夕陽で有名なプユニ岬からは、ウトロの街と海と流氷がきれいに見えた。

宿に入るにはまだ時間があるので、先に、しれとこ自然村の温泉に入っていこう。と、その前に、明日の流氷ウォークの予約をしないと。今年は流氷が少ないようなので、確実にできるかどうか分からず、直前に現地で聞いてみた方がいいと思い、事前に幾つかの業者を調べておいた。その中から、適当に、SHINRAという団体に電話をしてみる。すると、できるかどうかは明日にならないと分からない、朝の6:30の回は空いているとのことだったので、予約をしておく。

しれとこ自然村の温泉は、相変わらず、気持ちがよかった。地元と思われる人が何人か入っていたが、露天風呂は貸し切り。冬のオホーツク海と夕陽を眺めながら、のんびりとお湯に浸かる。夏と比べると、太陽の落ちていく方向が、海に向かって左側の林に寄っている気がするな。
あー、極楽、極楽〜

プユニ岬からの流氷
プユニ岬からの流氷

風呂を出たのが5時前。もう一度、プユニ岬に戻って、夕陽を見るつもりだ。
国道としれとこ自然村の間には、かなり急な坂がある。凍っているようにも見えるので、上り同様、下りも少し不安だったけど、無事、国道に出られた。
が、太陽を見ると、雲がかなり出ていて、ほとんど見えなくなっている。がーん。ちゃんと、風呂で、太陽を見て、時間を調整してきたのに。
プユニ岬の手前で車を停めて、ほとんど消えかけた太陽を見ていると、おっ、また、見えてきたぞ。雲が切れているらしい。慌てて、車を発進し、プユニ岬に到着。大きなカメラを持った人が何人かいる。

冬のせいか、大気の状態のせいか、太陽の光は弱々しいけど、流氷の先に落ちていく夕陽というのは雰囲気があっていい。
岬は国道脇にあるが、車はほとんど通らない。船も皆無。静かだなぁ。
と、ウトロの街の方からバタバタとヘリコプターが飛んできた。岬の周辺を飛んでいるので、観光用なのだろうか。プユニ岬は高台なので、ヘリコプターの高度が自分とあまり変わらない。なんか、変な感じだが、それにしても、バタバタとうるさいなと思っていると、あっさりとウトロに戻っていった。

太陽が見えなくなると、三々五々、カメラを持った人達が帰っていく。自分は、なんだか、去り難くて、再び静かになった岬で、しばらく空と海を眺め続けた。

プユニ岬からの夕陽
プユニ岬からの夕陽

今夜の宿のボンズホームには、5時半頃に到着。2階の部屋に入ると、他に誰もいない。ここは、相部屋形式のとほ宿なのだが、今日は貸し切りのようだ。
しばらくすると声がかかって、夕食。1階は喫茶店になっていて、宿泊者は、その奥のテーブルで食事をする。が、やっぱり、今日は自分一人。宿の奥さんが台所にいるので、世間話をしながら夕食を食べる。
知床も、今年の冬は暖かいらしく、寒い日がくると、かえってホッとするとのこと。開拓者コースを歩いている時に横切った知床横断道路が除雪されていたのは、工事ではなく、ゴールデンウィークに向けた除雪作業で、今年は、いつもよりペースが半月くらい早いと聞いた。また、流氷は、昔は、何メートルも盛り上がる程の時もあったが、最近は、今年に限らず、減っているという。

質・量ともに満足の夕食を食べ終わった後は、近所のセイコマートまで日本酒の買出し。北海道産の適当なのがなかったので、玉乃光でいいとする。
この時期は、8時から知床ファンタジアというイベントがあるので、それまで、宿泊者用の共有スペースで、夕食中に手に入れた「むい」という北海道の情報誌を見ながら、ちびちび呑む。

7:40頃になって、会場の漁港へ。港に近づくに従って、結構な人出になってきた。昼間はあんなに閑散としていたのに、どこから出てきたんだという感じ。
途中、無料の甘酒のサービスをもらったりしながら会場に到着。
見学者は、港の堤防から陸側を見ることになる。で、ショーが始まるまでの間、ぼんやり正面を見ていたら、羅臼岳が見えていることに気がついた。夜空に少し明るく影が映っている。なんとも、幻想的。自分が見られているような気がする。
そういえば、夕陽の後、プユニ岬から宿までの間に見えた羅臼岳も幻のようだった。雪を被って白く輝く羅臼岳の背後に満月が昇っている、妖しい感じさえする雰囲気だった。

さて、肝心のショーは、こう言っては失礼だが、期待以上でした。思ったより、迫力や驚きがあって楽しめた。始まる前は、20分程なので短いなと思っていたが、見ていると、段々、寒くなってくるので時間もちょうどいい。うん、これは見るべし。

宿に戻ると、後は、共有スペースで、相克の森を読みながら、ちびちびを続行。読むのに疲れるとテレビを見たりする。なんだか、親戚の家にいるみたいで、ちょっと不思議な感覚。

で、日本酒が空いたところで就寝となりました。

プユニ岬からの夕陽
知床ファンタジアの後。多分、これでも暖かい方なのだと思う
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