BMW R1150GSで行くツーリング

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BMW R1150GSで行くGWの佐渡キャンプツーリング
【5月7日(土)】
5時半頃に目が覚める。毎日、同じ時間に目覚めているような気がするのは、太陽の明かりに体が反応しているからか。キャンプは、こういう何でもない自然なことがうれしい。
テントの外に出ると、昨日に引き続き、これ以上ないというくらいの快晴が広がっている。芝生の緑とのコントラストが美しい。帰るのが勿体無いくらい。が、予報では、天気は崩れてくるとのこと。
今日は、午前中のフェリーで島を出るので、うだうだせずに、撤収を開始。サイトの上は、ツバメが飛び回っている。
日差しがきつく、段々、暑くなってきた。なので、フライシートを外し終わったテントの中に戻って、アンダーパンツを脱ぐことに。ここで脱いでおかないと、後々、チャンスがないもんな。テントには小虫がたくさん付いていたけど、カラカラに乾いて気持ちがいい。これならば、帰ってからの乾燥は不要だ。
荷物をオートバイに積んだ後は、名残惜しいのもあって、近所の村を軽く散歩。このキャンプ場は、松ヶ崎の村落の端に位置しているのだ。県道沿いには古い感じの家屋が並んでいて、いい雰囲気。イカの加工場が多いらしく、そういう看板を見掛ける。所々には、ヤシみたいな木や竹といった南方系の植物があって、対馬暖流に洗われる佐渡島は意外と暖かいことが分かる。キャンプ場の近くには、ツタらしきものにびっしりと取り巻かれている、変わった樹もあった。まだ芽吹いたばかりの樹自身の緑より、ツタの方が鮮やか。鳥がたくさんいるのか、鳴き声も盛んに聞こえる。生命感溢れる気配。形も火焔土器みたいで、天に立ち昇って行くよう。
さてと、仕方ない、出発しますか。例の若者も撤収中で、同じ便らしい。だけど、荷物が多くて大変そう。
鴻ノ瀬鼻キャンプ場の朝
青空が広がって気持ちのいい朝

鴻ノ瀬鼻キャンプ場裏の山
山笑う

鴻ノ瀬鼻キャンプ場近くの火焔土器のような樹
火焔土器のような樹
鴻ノ瀬鼻キャンプ場近くの菜の花
春ですなぁ
おけやき
おけやき

岩屋洞窟までの竹やぶ
風が不気味な音を鳴り響かす

出発してすぐ、道沿いの家の前に、「おけやき」という標識があった。一昨日通った時も何となく気が付いていたんだけど、「日本の霊性」にもあった日蓮関連の事蹟だろうなと思い、オートバイを停めてみる。こちらも、一昨日から感じていたんだけど、この辺りには、そもそも、欅が多いようだ。
標識の横には、日蓮宗の寺によくある独特の書体の「南無妙法蓮華経」の柱が立っているけど、肝心の欅の木はどこなんだろう。で、家の裏手に回ってみると、おー、巨木があった。太い枝が無尽に太い枝を伸ばしていて、こちらも、生命感溢れている。いやー、この樹は凄いな。枝を落とした跡や支えられた枝が痛々しい感じもあるけど、迫力がある。後ろの真っ直ぐに伸びた竹林もまたいい。案内によると、着岸した日蓮が夜を明かした樹とあった。これは、寄ってよかった。
今度こそ、出発。一週道路をゆっくりと流す。赤泊にはAコープがあった。城が浜温泉で日帰り入浴ができるならば、キャンプの買出しは赤泊で完結するな。おっと、今度は、北雪の蔵を発見。ますます、赤泊で大丈夫だ。
道路が海際まで来ると、むっとした汐の匂いを感じる。海が豊かな証拠だ。20分程走り、小木の街に到着。が、今日は、この先の宿根木が目的地なので、素通り。で、まづは、岩屋洞窟の標識を発見。道を曲がり、入口の前にオートバイを停める。遠くの田んぼに大きな白い鳥がいるけど、トキかな。なんてね。
洞窟までは階段を登るようだ。佐渡観光協会のページには、海蝕洞窟とあったので、上に登るのはちょっと意外。階段の周囲は竹やぶになっていって、風が吹くと、カンカンと竹同士がぶつかる音が響く。なんだか、不気味な雰囲気の中、階段を少し登ると、洞窟に到着。が、うーむ、雰囲気が薄暗くて、怖い...。洞窟の入口には、洞窟の中に建っている神社の一部が見える。その前はちょっとした広さがあって、そこを赤い前掛けをした小さな地蔵がぐるりと囲んでいる。ホームページには、洞窟の中に摩崖仏があって、「ローソクの明かりによって浮きあがる姿は神秘的」とあったけど、こんな霊気漂うところ、一人で入れるわけないじゃないか。早々に撤収。
県道に戻り、気を取り直していると、すぐに、宿根木に到着。海岸沿いの駐車場にオートバイを停める。時間は9時頃。宿根木は、狭い地形に家屋が密集する町並みで有名なところで、早速、細い路地に入り込んでいく。
すると、観光地ながらも、普通の生活が営まれていて、家の中から話し声が聞こえてくる。土地が狭く庭がないので、路地と家の中の生活空間が壁ひとつだけなのだ。ちょっと、不思議な感じ。中には、人が住んでいるので開けないで下さいというような貼紙もあった。今日は、まだ、時間が早いせいか、自分の他に観光客はいない。エトランゼ気分を味わう。観光地だけあって、所々に、洒落た感じの店もあったりするけど、まだ開いていない。こんな所にという感じで、突然、そんな店が現れる。
というような入り組んだ路地で迷うことを楽しんでいると、神社に出た。そして、その先にはお寺が。称光寺という時宗のお寺とのことで、ここも、なんだか、霊気漂う気配。今回は、こんなところばかりだなぁ。
地形的には、ここは、宿根木の町並みに対して、大きな岩なのか小山なのか、そういうものに隔てられた裏側に当るらしい。そのせいか、じめっとした空気が漂っている。あちこちに、野ざらしの仏像や仏塔、お墓も立っていて、崖の高いところを刳り貫いて、その中に入っているのもある。
来る時に寄った馬高縄文館に縄文の村の模型があって、そこでは、墓地は家に囲まれた広場の中にあった。ところが、いつの頃からか、死は禁忌の対象となり、ここのように、墓が村の外に作られるようになる。住居と墓の位置からすると、縄文の時代は、この世界と異界がひとつながりになっていたのかもしれない。そういう世界観では、死はそれ程特別なことではなく、日常の一部となる。今でも、お盆に先祖がこの世に戻ってくるように、縄文の頃は、先祖が毎夜広場の中の墓を通って戻ってきて、生きている人々と交感したのかもしれない。医療の未熟だった縄文の人々の寿命は短かったに違いないけど、そういう宗教思想を持っていた縄文人の方が、現代人よりも幸せな一生を送ったとは言えないだろうか。
以前、日経の嵐山光三郎のエッセイで、人間は死ぬと生ゴミになるというのを読んだことがある。言い方は刺々しいけど、現代人の多くは、要はそういう死生観を持っていることになるだろう。自分だってそうだ。もう、死ぬと魂が天に昇り来生で生まれ変わるなどとナイーブなことを、残念ながら、信じることはできない。医療の高度化が進むのはそれはそれで素晴らしいことだけど、死ぬことは生ゴミになることとしか思えないそんな現代人は、縄文人と比べて幸せと言い切ることができるだろうか。
さて、駐車場に戻ると、海の上は、すっかり、曇り空になっている。観光バスも来て、人がぞろぞろと降りている。仕方ない、そろそろ、小木へ向かおう。
小木の町は、ここも、道の両側に昔ながらの雰囲気がある家屋が並ぶ魅力的な町並み。初めて佐渡に来たときは、近くの素浜キャンプ場に泊まったので、買出しにここら辺に来た筈。魚屋があって、そこの刺身がおいしかった記憶があるけど、その魚屋は分からず。刺身は必ずしも新しいのがおいしいわけではないことを教えてもらったのは、その店の人からだった。そうそう、あの時は、わざわざ、途中、長岡に寄って八海山を手に入れてから佐渡島に上陸したんだった。若かったなぁ。
宿根木の路地
宿根木の路地

宿根木の三角形の家
「三角形の家」と呼ばれている変わった形の民家

宿根木の店
この店には、「九日、十日は田植えの為お休み致します」と貼り紙があった

宿根木のBMW R1150GS
大分、曇ってきた

佐渡牛乳
佐渡牛乳。初めて飲んだ

佐渡汽船フェリーに付いて来るカモメ
何故か撮ってしまうカモメ

フェリーターミナルの所定の場所にオートバイを停めると、まだ、少し時間があったので、ターミナルにある建物の中でお土産を購入。迷って、結局、もずくになりました。「へんじんもっこ」のソーセージもあったけど、痛みそうなのでパス。ちなみに、へんじんもっことは、佐渡島にある有名な肉の加工品屋。自宅の近くのワイン専門店に行くと時々置いてあって、これが、ワインに合って旨いんだ。あと、自動販売機に佐渡牛乳があったので、その場で頂く。これで、今回の佐渡も終了。おっと、ゴミ箱があったので、キャンプのゴミを捨てさせてもらおう。
乗船前に、誘導の係員の話を聞くと、今年のゴールデン・ウィークの人出は、例年の半分から七割くらいではとのこと。ただ、東北に行けなくなった修学旅行が佐渡に移ってきて、そちらは増えているらしい。あと、やっぱり、今年は寒いと言ってたな。そうそう、あの若者は、ギリギリに到着。間に合ってよかったね。
またまた、緊張しながら、オートバイをフェリーの中に入れる。車両甲板を上がると、外のデッキへ。佐渡の景色を目に焼き付けよう。
エンジンの振動が大きくなり、フェリーが護岸を離れる。スクリューがかき回す水がきれいだ。バイバイ、佐渡島。ありがとう、また来るよ。
出航すると、来るときと同様、カモメ達が観光客のエサを目当てに付いて来る。船にピタっと同じスピードで飛べるのは、すごい性能。でも、エビセンなんて食べたって、こんなに競争が厳しくて激しく飛び回らないといけないならば、使うエネルギーの方が大きい気がするぞ。それにしても、なんか、カモメの写真って撮っちゃうんだよね。家に帰ってから見ると、何で、こんなもの撮ったんだろうと思うけど、これは、北海道の牛と同じか。
船室に戻って、デジカメの中にある写真を眺める。今回は、あちこちで怖い目に遭ったなぁ。というか、自分から行ったんだけどさ。でも、怖いといったって、それは、別に霊のせいなんかではなくて、薄暗い空間や、澱んだ空気、風のざわめきのような五感に訴える自然的に特殊な状況のせいなんだろう。それでも、そういうことを感じさせる佐渡島というのは、まだ、豊かに霊性が残っている土地なんだなと思うのであった。
さて、昼ご飯をどうしようか。直江津で食べると時間がかかるしと思い、また、フェリーの食堂へ。で、今回は、カツ丼をオーダー。卵とじではなく、ソースがかかった方で、来るときも、実は、モツ煮丼と迷ったのだ。しかも、カツはここで揚げるというのだから良心的。しばらくして、完成。食べると、うん、まぁ、おいしいじゃん。カツはあんまりさくっとしてないし、モツ煮丼と同様、ちょっと味が甘くてしつこいので、最後は厭きてしまったけど、これならば、満足、満足。
そして、直江津には、1時頃に到着。上陸すると、むむむ、暑い。蒸し蒸ししている。
さて、今日は、一番近い関越道経由で帰ろう。遠回りだけど、糸魚川経由で縄文遺跡にでもと思っていたけど、今日は、なんだか、あまり走る気がしない。例の若者は原付なので、ずっと下道で、9時には東京に着きたいと言っていた。
国道253号線を東へ向かう。途中、高速道路の無料先行開通のような道があったので、そちらを経由。また、こんな所に造って...。ところで、途中にあった温度表示板は、なんと、29度。道理で暑い筈。トンネルの中が涼しくて気持ちいい。
道路は、段々、山間に入って行く。長いトンネルを抜けて少し走ると眺めのよさそうな駐車場があったので、オートバイを入れた。暑くて、ジャケットのインナーを取りたかったのだ。と、そこには、三脚を立てたカメラマンが一杯。有名な撮影ポイントなんだろうか。眼下は、棚田が広がる古き良き日本の山村風景。自分も、一眼を取り出して、何枚かパシャパシャ。帰ってから調べてみると、周辺には棚田で有名な撮影スポットがたくさんあって、ここは、儀明というそんな中のひとつだった。ラッキーだね。
先に進み、十日町の市街に入る。実は、ここの十日町市博物館が今日の目的で、国宝の火焔土器があるのだ。さすがに、真っ直ぐ、関越道に向かうのは勿体ない。が、博物館の位置がよく分からない。案内があるだろうと思っていたけど、少なくて、よく分からない。ツーリング・マップルも、粗過ぎてよく分からない。相変わらず、気温が高い。風も強くなってきた。イライラしながら、街の中をうろうろ。でも、結局、分からず、たまたま通った道の駅に入り、周辺の地図で位置を確認。ったくなぁ。
佐渡汽船フェリーの中のカツ丼
フェリーの中のカツ丼

儀明の棚田
儀明の棚田

儀明の棚田
桜は満開を少し過ぎているけど、いいタイミング

十日町市博物館の火焔土器
手前の賞状みたいのが国宝指定書。でも、お高くとまっている感じだな

十日町市博物館の火焔土器
指定1号。はちきれそうな火焔と反作用する整ったフォルム

六日町近辺からの雄大な山岳風景
雄大な山岳風景

ようやく辿り着いた十日町市博物館の中に入ると、冷んやりとして気持ちがいい。ここは、縄文土器だけでなく、一帯の民俗全般の展示をしているようで、目的の火焔土器は、一番奥にあった。時代を遡る方向の展示なんだけど、まぁ、国宝はやっぱり最後だわな。で、国宝とご対面。知らなかったけど、一連の土器が国宝に指定されているんだね。でも、整然とし過ぎたこの展示は、なんだか、仰々しいなぁ。ケースの中に大事に納めらて、縄文土器らしくない。
それでも、一連の土器の中でも真ん中に置いてある、いわゆる指定1号というのが、やっぱり、一番、形がいい。全体像は整い過ぎている感じがしないでもないけど、ディテールを見ると、土器側面の渦巻きの形も滑らかだし、渦の一本一本の高さに工夫がしてあって、それが、また、渦巻きをダイナミックにしている。
ここは、他の縄文時代の展示も分かり易くて、なかなか、いい感じ。でも、なんだか、くたびれてきて、イマイチ、集中できない。帰り際、梅原猛の講演録があったので購入。そういえば、日本の霊性に、氏はここの名誉館長だと書いてあった。
そして、引き続き、国道に戻り、六日町へ。途中、魚沼スカイラインへの分岐があったけど、今日は、ヘッドライトの件もあるのでパス。正面の今だ冠雪した山々はきれいで、スカイラインから写真を撮ったら良さそうなのが残念。なので、道端にオートバイを停めて、何枚か撮って済ます。
4時前に、六日町インターから関越道に入る。車はそれ程多くないようだ。関越トンネルに近づくに連れて、気温が下がってくるのが分かる。そして、トンネルを抜けると、うー、さむー。一気に気温が下がって、温度表示板は16度とあった。16度自体はそれ程寒いわけではないけど、トンネルの向こうと気温差が激しすぎる。10度以上だよ。
往きと同じく、赤城高原サービスエリアに入り、気になっていた渋滞情報をチェック。で、パネルを見ると、なんと、渋滞なし。ゴールデン・ウィークの渋滞は昨日までだったのかな。まぁ、何でも、空いていればいいや。
高速道路は順調に進む。が、埼玉に入って、バラバラと雨が降ってきた。すぐ止んだけど、カッパを着るかどうか迷う。その後も、大したことはないながらも、時々、降られたので、三芳パーキングへ。携帯で雨雲をチェックするとレーダーに写っている雲は無い。であれば大丈夫だろうと、念のため、一眼が入っているリアバッグだけ雨装備にして出発。
結局、駐車場に着いたのは7時半頃。雨にも降られず、予想外に早く着いたのだった。あー、明日も休みというのはいいなぁ。
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