BMW R1150GSで行くツーリング

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BMW R1150GSで行くGWの佐渡キャンプツーリング
【5月5日(木)】
朝は、5時過ぎに目が覚める。もっと遅いのかなと思っていたんだけど、ちょっと、意外。陽が昇るのが、すっかり早くなったということか。といっても、何だか、酒は残っている感じだし、テントの外は曇っているしで、うだうだ。
気温もちょうどいい感じで、目が覚めてくると、事前に読む時間がなかった梅原猛の「日本の霊性 越後・佐渡を歩く」を、テントの中で読み直す。タイトルの通り、越後と佐渡の風土に関係した人物を中心に書かれているんだけど、佐渡については、日蓮に関する記述が多い。北一輝が、佐渡生まれということも書いてある。でも、作家の司馬遼太郎より、学者の梅原猛の方が、書いていることが大雑把なのがちょっと笑える。で、読み疲れると、シュラフの中で目を瞑って、ガサゴソ。波の音と野鳥のさえずりが聞こえる。あーぁ、心地いいねぇ。
さて、今日はどうしようか。特に目的も無いんだけど、天気はよくなるみたいなので、やっぱり、夕陽を見たいかな。ということで、撤収を開始。今日は、島の西側のキャンプ場に行く予定。
そういえば、このキャンプ場には、カラスがいないな。でも、その代わり、トンビが獲物を狙って高度を下げて飛んでいる。目が合うくらい。近くの長期滞在らしきおじさんは、朝から、炭火で豪勢に肉を焼いている。夕べも焼いていたような気がするけど、紙パックの焼酎も見える。このまま、朝から酒を飲んで沈没なのかな。そういうのもいいね、贅沢だなぁ。なんて、辺りを観察しながら撤収を終えて、自分は、結局、10時前に出発。空は、まだ、薄曇りというところ。
朝の姫崎キャンプ場
朝の姫崎キャンプ場は雲っていた
松ヶ崎トンネル
向こう側が素堀りになっている

鴻ノ瀬鼻キャンプ場の灯台
鴻ノ瀬鼻キャンプ場の灯台

水ぬるむ春の農村
水ぬるむ春の農村

海岸線沿いの県道をゆっくりと流す。今日は風もなく、海も静かで、反対の山の方向は早春のパステルカラー。穏やかで、飛ばす気は全くなくなる。平和ですなぁ。途中、素掘りのトンネルがあったので、抜けたところでオートバイを停めると、反対側の入口はコンクリートできれいに整形されていて、なんだか、面白い。あーあ、こんなことでも、楽しくなっちゃうなぁ。
少し走ると、県道は右に曲がる形になり、真っ直ぐ行くと、鴻ノ瀬鼻キャンプ場があるらしい。昨日は、ここも、キャンプ場の候補地だったんだよな。で、キャンパーと思われるオートバイも、何台か停まっているので、偵察に。
オートバイを停めると、GSに興味があるらしい若者が声を掛けてきた。彼の方は、原付のオフロードに乗っていて、ゴールデン・ウィーク期間中、ほとんど、ここに滞在しているとのこと。林道に入り、渓流釣りを楽しんでいるらしい。普通、佐渡島で釣りというと海のイメージがあるけど、実際、渓流釣りをやる人は少なくて、まるで天国と言う。東京からとのことなので、往復は大変だけど、佐渡島まで来てしまえば、原付というのはいい選択だ。ところで、彼は学生なのか何なのか、とにかく、平日は休みを取ってこなかったので、平日の明日は忘れずに電話を掛けないといけないと言っている。でもさ、そんなのさ、バレバレじゃん。ハハハ
このキャンプ場は、灯台の足元の広場がサイトになっていて、海に面していることもあり、広々とした印象。設備もきれいで、いかにも、長期滞在に向いていそう。そんな感じのテントが幾つか張ってあるけど、住人達は出掛けているようだ。
この一帯は、松ヶ崎ヒストリーパークというらしく、その名称通り、王朝時代に定められた港の史跡で、古代・中世の時代には、佐渡島の玄関口になっていた。そして、多くの流人がここに上陸し、それから、配所に向かったとのこと。「日蓮 世阿弥 着岸地」と書かれた石碑もある。
さて、陽気もよくて、のんびりしたくなるようなところだけど、出発としよう。
少し進むと、多田という村落に出たので、そこで内陸に向かって道を変え、小佐渡山地を越えて行く。この道路の旧道を、佐渡に流された世阿弥が歩いたのだ。世阿弥の「金島書」は、世阿弥が佐渡配流中に著した書で、そこには、配所までの行程として、多田に上陸し、笠とり峠を越え、麓の長谷寺に参ったことが書かれている。で、自分も、ほぼ同じ道を辿るというわけ。それにしても、金島書の上陸地点と、先程のキャンプ場の碑の文面とがちょっと違うけど、まぁ、大体ということか。
沿道には、春の古き良き日本の農村という景色が続く。谷の向こうに見えるお寺が、村の中に静かに佇んでいる。いやー、絵になるねぇ。ついつい、寄ってみたくなり、お寺に近づくも、入口がよく分からない。まっ、いいか。天気も上々、風も爽やか。これ以上ないというくらい、気持ちがいい。田植えの人々も自然の中に溶け込み、なんだか、天国みたいに穏やかな光景だ。佐渡島って、いいところだねぇ。
が、しばらく、登っていくと、道が狭くなり、道にジャリも浮いてきた。慎重に進む。これでは、走っていて楽しくない。
峠を越えて、今度は、山を下っていくと、辺りが開けてきた。すると、貯水池なのかダムなのか、こんな山奥には似合わない巨大な人工物が。新潟は、やっぱり、土木王国なんだよな。
そして、広くなってきた道をさらに下ると長谷寺に到着。峠からこちらは曇っていて、イマイチ。
長谷寺は想定外に敷地が大きい。正面の階段を登ると、上には、いろいろな史跡が、あちこちにある。このごちゃごちゃ感は、真言宗らしい。それにしても、辺りは霊気漂う雰囲気で、一人だと、ちょっと怖いくらいの感じ。まぁ、時々、観光客が登ってくるからいいけど。
史跡には、いちいち、由緒の説明があって、ここには佐渡の歴史がたくさん詰まっているという感じ。中でも、自分としては、階段の上にあった三本杉と呼ばれる名前の通りの三本の杉の巨木が印象に残った。本当に、驚くような大きな樹で、写真にはとても収まらない。
そして、階段を降りながら、肝心の世阿弥が拝んだという観音を探すと、拝観には予約が必要らしい。むむむ...
長谷寺は牡丹でも有名とのこと。が、花は階段の脇に少し咲いているだけ。境内には、牡丹の季節は5月上〜中旬とあるけど、まだ、ちょっと、早いのか。うーん、なんだか、いろいろ、消化不良だな。それにしても、とにかく、見所が多くて、テーマパークみたいな寺でした。
オートバイに戻ると、気になっていたことを確認に、少し歩いて道路を戻ってみる。と、あー、いたいた、来る時、道路脇に横たわっている猫を気に掛けている一匹の猫がいたのだ。でも、倒れていた猫の位置が変わっているのは、もう一匹が動かしたらしく、道路から離れている。車に轢かれたのか、かわいそうに、倒れている猫は死んでしまっているようだ。が、相変わらず、もう一匹は舐めたり突ついたりしている。二匹は親子にしては体の大きさが似ているし、色合いが全然違う。でも、猫の夫婦というのも聞いたことがないし。なんだか、死んだ猫を、もう一匹がお寺まで連れてきたみたいで、昔話のよう。
さて、山を降りて国仲平野に出ると、ガソリンスタンドがあったので、まだ早いけど給油をしておく。経験上、島はスタンドが少ないし、祝祭日は休むのが普通だったりするので、早めに入れておいた方がいいのだ。
時間は12時半頃で、昼ご飯の時間。そういえば、最新のツーリング・マップルに、佐渡のお店が集まっている国道350号線沿いに回転寿司のことが書いてあったので探してみる。今回のツーリングを機に新調をしようと、本屋でパラパラと眺めている時に見て憶えていたのだ。結局、自分が持っているリング式のが古いけどやっぱり使い易くて、買わなかったんだけど。
で、弁慶という名前の回転寿司を、諦めかけた頃に発見。そうそう、そんな名前だった。
長谷寺の階段

長谷寺の三本杉

長谷の大地蔵

長谷寺 長谷寺の五智堂
長谷寺 長谷寺の身代わり地蔵
金北山
金北山。結局、これより近くでこの山の写真は撮れなかった

大佐渡スカイラインの頂上近くの展望台付近
頂上近くの展望台付近。イマイチ

大佐渡スカイライン沿いのカタクリ
大佐渡スカイライン沿いのカタクリ

乙和池
乙和池を再訪したものの、今年は、季節の進みがが遅いらしい

大佐渡スカイラインから見下ろした国仲平野
大佐渡スカイラインから、国仲平野を見下ろす。
でも、オートバイを停める度に、小虫が群がってくるのには閉口

店に入ると混んでいるけど、折角なので待つことに。観光客ではなく、地元の人が多いみたい。が、程なく、席に案内された。一人だから早いのかな。
久しぶりの回転寿司に勝手が分からず、えーと、お茶はどう飲むんだっけな。と、最初はおどおど。が、慣れてきて、回っている皿を見る余裕ができると、地物が多い。ならばということで、もちろん、地物を中心に皿を取る。で、結局、アジ、佐渡牛タタキ、マダラ、カレイ、カワハギ、タコ、佐渡マグロを頂きました。中でも、特に、マダラと佐渡マグロがおいしかった。タラの寿司なんて初めて食べたな。ねっとりとした微かな甘さが美味でした。ネタもシャリも大き目なので、皿数は少なかったけど、大満足。佐渡に来たら、ここは、是非、訪れるべし。
外に出ると、隣がスーパーなので、ついでに、買出し。今夜は、島の西側の入崎キャンプ場の予定だけど、これまでの経験だと、近辺に大きな店は無かった筈なので、個人商店レベルでは間に合わないものを買っておく。その後、ちょっと頭が痛かったので、薬局で頭痛薬を買って、次は、コンビニでゴミ捨て。で、代わりに野菜ジュースを購入。ツーリング中は野菜不足になるからね。それにしても、この辺りは何でもあって便利だな。
さて、キャンプ場まではどうやって行こうか。ここからだと、西側の海岸に出るには、海岸経由と大佐渡スカイライン経由の山越えがある。まぁ、明日は海岸線の道が多い予定なので、今日は、山越えで行きますか。昨日と比べると、大佐渡山地がよく見えるので、眺めもいいかもしれないし。
国道350号線を両津方面へ向かい、案内に沿って、大佐渡スカイラインへ向かう。途中、正面に、冠雪をした金北山が見えた。あの近くまで行くんだったかな。
少しすると路面が変わり、坂が急になってきた。路面に細かい溝があって、ガタガタと走りにくい。前回来た時も同じことを思ったけど、近くに自衛隊の施設があるようなので、それと関係しているのかな。途中、何ヵ所か、撮影ポイントもあったけど、坂が急で停めにくく、結局、頂上近くの展望台まで来てしまった。が、ここまで上がって来ると、霧か雲か、それとも大気が霞んでいるのか、眺めはイマイチ。前回と比べると、季節の進みも遅いらしく、辺りには残雪もたくさんあって、まだ冬の気配が残っている。一応、何枚か写真を撮って、先に進む。
道路はもう少し高度を上げて、そして、下って行く。空は、方角によって、晴れたり、曇ったり。それに連られて、季節も春になったり、冬に戻ったり。道路の所々から、西側の海が見える。またもや、雲が多いのか霞んでいるのか、空が白い。太陽に照らされた海面も、乳のように白く輝いている。それでも、太陽が落ちて行く辺りは雲は少なさそう。これならば、夕陽は見られるんじゃないかな。
沿道には、所々、カタクリが咲いている。ふきのとうはもう大きくなってしまっているけど、残雪もあって、いかにも、早春らしい。そんな中を進むと、あったあった、ここに寄ろうと思ってたんだよね。前回も寄った乙和池だ。でも、あれ、そうだったかな、スカイラインから池まではダートになっている。今日は、キャンプ道具満載なので、念のためにオートバイを停めて歩く。最近、全然、ダートを走らなくなったなぁ。臆病になったなぁ。
が、歩いてみると、路面は締まっていて全く問題なし。でも、もういいや、ハイキングだ。なんて思っていると、ちょっと開けた駐車場に到着。車が何台か停まっている。前回は一人だったので、ちょっと意外。えーと、乙和池はどこだったかな、池から帰ってきたらしい家族連れに聞くと、そこだよとのこと。えっ、こんなに駐車場から近かったか。で、池の畔に出ると、あれれ、印象が全く違う。今日、わざわざ、乙和池に寄った理由は、前に来た時に、ここがとても気に入ったから。
池自体はとても小さいんだけど、林に囲まれたひっそりとした空間に、静かに池が佇んでいる。新緑が芽吹き、そよぐ風が微かに頬を撫でる。小鳥が囀り、カエルも春の到来を讃えて嬉しそうに鳴いている。アイヌ語に、「神の庭」を意味するカムイミンタラという言葉があるけど、森の中を彷徨って、間違って、そんなカムイミンタラに出てしまったよう。それでも、異人である自分は立ち入れない別の世界。幸せそうな生き物達に嫉妬を感じる。おーい、オレもまぜてくれよ...
人間って、本当に自然からはみ出してしまった存在なんだなと思ったものだけど、でも、今年は、まだ、緑も浅いし、カエルの鳴き声もなし。生命の気配があまりしない。残念でした。
相川の市街まで降りてきた。途中にあった金山関係の史跡はあまり興味が無いのでパス。相川には温泉があった記憶があるので、確認。うんうん、やっぱりあった。コンビニもあるし、テントを張ったら、戻ってこよう。
海岸に沿って、北上をする。佐渡はどこも海がきれいだけど、やっぱり、外側の海の方がきれいだな。が、海側から風が強く吹きつけている。キャンプ場も風が強いのだろうか。
それにしても、なかなか、キャンプ場に着かない。距離を見誤ったらしい。ちょっと、イライラしながら走り続ける。で、結局、4時頃にキャンプ場へ到着。相川から20Km以上あった。また、ここを戻るのか...
キャンプ場の駐車場にはオートバイが停まっている。ライダーがテントを張っているのかと思ったけど、それらしきテントはなし。単なる観光らしい。サイトは広々しているけど、サイトの一番奥の端に2,3のテントがあるだけ。サイトにはゴミも多くて、なんだか、うらぶれている感じ。おまけに、洗い場の水が出ないじゃないか。風も強い。うーん、テントを張るかどうか迷うところだけど、もう、移動はしたくないので、観念して、設営開始。トイレは、駐車場の公衆トイレが使えた。
テントを張り終わると、延々、来た道を戻って、温泉とコンビニを済ませる。夕陽に間に合うよう、ばたばただけど、温泉は、なかなか、よかったな。再び、20Km以上を走り、6時前に、入崎キャンプ場に到着。夕陽には間に合った。
早速、ビールを開けつつも、一眼を取り出して写真を撮る。ここは、今の季節、サイトからは、直接、夕陽は見えない。海際に注連縄が張られた大きな岩が二つあるので、そちらに歩いていく。岩の向こう側に出ると、ちょうど、太陽がその先で、沈んでいる最中。もう、6時を過ぎているのに、まだ、予想以上に高いところにある。一度、テントに戻って、ビールを持ってくる。で、海に降りる階段の途中に座って、夕陽鑑賞。
所々、水平線近くに雲があって、太陽は隠れがちだけど、空のコンディションはまぁまぁ。日本海を渡ってきた風が、びゅうびゅうと吹きつけている。波は際限なく海を揺らし、その表面は、きらめく残照を反射している。そして、空を焼きながら、ごうごうと落ちてく太陽。人間のことなど気にも掛けない自然のダイナミズムを感じる。エコなんていうのは、便利な文明生活の上にあぐらをかいた人間の思い上がり。自分の都合のいいように、自然を妄想しているだけ。自然は、人間のことなんか何にも気にしてないんだよね。人間は自然から追放されてしまった。地震のこともあって、そんなことをぼんやり思う。

金島書にこういう一文がある。

...山雲海月の心、あら面白や佐渡の海、満目青山、なををのづから、その名を問へば佐渡といふ、金(こがね)の島ぞ妙なる。

世阿弥の配流はいわれの無いものだったらしく、加えて、晩年は、度々の不幸に見舞われていた。それでも、この文章からは、そんな状況にも関わらず、佐渡の世阿弥は前向きに生きていたように思える。「こがね」というのは、波に滾る海に落ちていく夕陽も重なっていたのではないか。度重なる不幸にも関わらず、生きることを前向きに受け入れた世阿弥の心には、佐渡の自然も与っていたのかもしれない。疎外されながらも、魅き付けられてやまない自然のダイナミズムが、老いても衰えることのなかった生命力への養分になっていたのではないだろうか。なーんて、何の根拠もないけど、そんなところに、同時に、人間の強さも思うのだった。
水平線の上には雲があって最後までとはいかなかった。でも、これだけ見えれば、満足です。やっぱり、佐渡の夕陽はいいね。

入崎キャンプ場
サイトは広くて気持ちがいい

入崎キャンプ場近くからの夕陽
空が広い

入崎キャンプ場近くからの夕陽
こがねに輝く

入崎キャンプ場近くからの夕陽
今日という日が終わっていきます

入崎キャンプ場近くからの夕陽
夜の帳が降りてきます

入崎キャンプ場
風が強くて寒い

入崎キャンプ場からの下弦の月
下弦の月が冷たく輝く。
「新しい月に抱かれた古い月」

サイトに戻って、引き続き、ビール。が、風が強くて寒い。外にはいられない感じ。暗くもなってきたので、トイレに行って、テントの中に入ろうと思っていると、いつの間にか、近くに人が。びっくりしていると、近所のおじさんらしく、「寒いだろ、小屋に入るか」みたいなことを言っている。なんのこっちゃと話を聞くと、キャンプ場の片隅に小屋があるので開けてやるということらしい。テントの中に入るのでと遠慮をすると、酔っ払っているのか、言っていることが半分くらいしか理解できないけど、他にもいろいろ話しかけてくる。以前は東京に住んでいて、深川で40年大工をやっていて、生まれ故郷のこの辺りに帰ってきたとのこと。大工をやっていた時に会った有名人のこととか、父親が戦死して子供の頃は苦労したとか、この辺りは億万長者が多いとか、いろいろ。億万長者の件はホンマかいなと思いさらに聞いてみると、近くの丘の上を拓いた米作でらしい。米って、そんなに儲かるのかな。よく分からん。
それにしても、おじさん、話が止まらない割には、寒い、寒いと言っている。二人とも、息が白い。聞くと、今年はやっぱり季節が遅れているらしい。いい加減、きりがないので、トイレに行くといって失礼する。ビールのせいで本当に行きたかったんだけど、戻ってくると、軽トラックが駐車場を出て行った。暇になると、キャンプ場を偵察しているのかな。
段々、暗くなってきた。深みを増した群青色の空には、下弦の月が、冷え冷えと輝いている。切っ先が鋭い。空気がきれいなせいか、刺さりそうな程に鋭く反り返っている。本当に鮮やかな月で、寒い中、写真をパシャパシャ。が、もう、限界っす。テントの中に退却。うー、さみー
それでも、テントの中は暖かく、ラジオを聞きながら、まったり。いやー、快適だねぇ。今日は、天領盃の純米吟醸を買ってきたので、そのまま、ちびちび。さて、そろそろ、昼にスーパーで買った蕎麦を茹でようと思ったんだけど、よりによって、水が出ない今日に限って、生蕎麦を買ってきてしまった。生だと打粉が残っているので、多めのお湯で茹でないとドロドロになるんだよな。が、コンビニで買ってきた水は500ml×2。で、予想通り、水が足りない。仕方なく、蕎麦がきみたいになったものを食べる。うー、まずい。おまけに、何だか、焦げ臭い。うー、久しぶりに、まずいものを食べてしまった。そういえば、前回の佐渡島ツーリングの二ツ亀キャンプ場でも、同じようなことをした。あの時は、確か、水場が遠くて、手を抜いたんだよな。
そろそろ、いい気分。相変わらず、風は強いけど、テントの中は快適。何気なく、テントから空を見上げると、おお、いつの間にか、満天の星空。寒いので、テントから首だけ出して天空を眺める。そういえば、北海道の900草原キャンプ場でも、同じようにテントから首だけ出して星空を眺めたな。あの時は自分の人生で一番の星空で、地平線ぎりぎりまで星が空を覆っている光景を、いつまでもいつまでも眺めていたっけ。
さすがに、今回はそこまでではないけど、宇宙の厚みのようなものは感じる。写真を撮りたいけど、もう、酔っぱらいました、寒いです、面倒です。でも、天の川が見えないのは、何でなのかな。近くの灯台の明かりのせいなのか。この灯台の明かりは、回転しないで、ずっと同じ方向を照らしている。なので、天の川のような気もしないではない。
真っ直ぐな天の川というのも変だけど、霞んだ空気の中にぼんやりと浮かび上がる光束の向こうに、星を探して、目を凝らすのだった。
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