BMW R1150GSで行くツーリング

ホーム > ツーリング > GWの東北

BMW R1150GSで行くGWの東北キャンプツーリング
【5月6日(火)】
最終日の朝の空は、曇り気味。気温も低い。今朝は、昨年、大雨で登れなかった鞍掛山に登ろうと思っていた。このキャンプ場が登山口になっていて、頂上まで、1時間程らしい。が、天気が微妙。雨が降るならば、登りたくない。なので、先に網張温泉の露天風呂に行ってみよう。で、その後は、小岩井農場にある宮沢賢治の詩碑を見たい。
網張温泉は、キャンプ場より標高が高いところにある。なので、登坂を進むことになるのだが、標高が上がるに連れて、寒くなってきた。風も強い。早く温泉に入りたいので、自然と、グリップを回す右手に力が入る。
10分程で、温泉まで来ると、オートバイが一台いた。キャンプ場で見かけた気がするので、多分、相ノ沢キャンプ場に泊まっていたライダーだ。こんな時間に、こんな所にいるなんて、自分と同じく、温泉が目当てなのかな。が、露天風呂とは違う方向にいるので、自分は、昨年のツーリングで場所だけはおさえておいた方へ進む。
近くにはキャンプ場があって、大型のファミリー用のテントが幾つか立っている。が、この寒さだと、ちょっと、キャンプはきつそうな感じ。外には誰もいない。
露天風呂への入口近くにオートバイを停める。うー、寒い。早く暖まりたい。が、案内板を見ると、風呂は8時からとあって、今は、7時過ぎ。がーん、てっきり、薬研のかっぱの湯のように、いつでも入れる温泉だと思っていた。が、管理されていて、利用時間も決まっているし、しかも、有料...。うー、入れないと思うと、余計、寒くなってきた。が、まだ、1時間近くあるので、待つわけにもいかない。仕方がない、戻ろう。と、先程のライダーが到着。場所が分からなかったらしい。温泉は8時からと教えると、えーという感じ。そうだよな。
オートバイを進め、標高が下がってくると、暖かくなってきた。キャンプ場の前を素通りして、小岩井農場へ向かう。ちょっと寒いけど、空気が爽やかで、緑の中を走るのが気持ちいい。自分が、自然と笑顔になっていくのが分かる。
網張温泉線
朝の緑の中を駆け抜ける(加工しています)
小岩井農場
こちら側は初めて

小岩井農場の宮沢賢治の詩碑
宮沢賢治の詩碑

宮沢賢治の詩碑は、小岩井農場の観光施設の中心になるエリアとは、道路を挟んで反対側にある。
近くに、オートバイを停めると、近くのガソリンスタンドでは、開店の準備をしていた。奥に向かって、歩いていく。こちら側に来るのは、初めてだな。
建物が幾つか見えるが、どれも、落ち着いていて、歴史を感じさせる。正面は、展示資料館になっているが、これも、雰囲気があり、宮沢賢治が玄関から出てきても、おかしくない感じ。詩碑はさらに奥のようなので歩いていくと、職員が牛を引いて歩いていた。改めて、ここは、現役の酪農施設であることを思い出す。
有形文化財に指定されているサイロの前を通り、詩碑を発見。詩碑には、長編詩「小岩井農場」から、以下の一節が刻まれていた。

すみやかなすみやかな万法流転のなかに
小岩井のきれいな野はらや牧場の標本が
いかにも確かに継起するといふことが
どんなに新鮮な奇蹟だらう

自分も好きな一節だが、ここは、宮沢賢治の存在論が、明瞭に、現れているところでもある。
それは、直線的な時間概念には基づかない存在論。全ては、一瞬ごとに、無くなり、そして、また、甦る。例え、瞬時でも、何ものも、永続してはない。世界は、そういう一瞬一瞬の継起というのが、宮沢賢治の存在論
空には青空が見えるのに、時々、小雨がさーっと降ってくる。空気は澄んで、透明だ。爽やかで、いるだけで、心地がいい。
なぜ、こんなに、気持ちがいいのだろう。どうして、世界はこのようにあるのだろうか。そもそも、こういう世界があるのが、とても、不思議な気がしてくる。ありえない。多分、これは、奇跡なんだろうな。そんなことを思っていると、一瞬毎に滅び、そして、甦る宮沢賢治の存在論が、とても、リアルに感じられた。

オートバイへ戻る途中、大きな牛舎に子牛見学所という標識を発見。中を覗いてみると、子牛が柵に囲まれている。こちらに興味があるらしく、盛んに鼻を突き出そうとしているけど、柵が邪魔をしている。かわいいねぇー。
キャンプ場に戻り、撤収をしていると、雷がゴロゴロ鳴り出した。遠いみたいだけど、これでは、鞍掛山に登るのは中止だな。でも、周りには、登山に行く人がいる。大丈夫なのか。
9時前には、撤収完了。さて、東京に戻ろう。さっきまでは青空もあったけど、今は曇って、雨が降り出しそう。が、携帯で天気予報を見ると、昨年みたいに、降ったとしても、この辺りだけらしい。ならば、カッパはいいや。
キャンプ場から東北道に入るには、昨日来た道で西に向かい滝沢インターを使うのと、南に向かい小岩井農場経由で盛岡インターを使う方法がある。南の方向は、いかにも雨が降っていそうな真っ黒な雲に覆われている。でも、最後に、小岩井農場の前の道路を走りたいと思い、南方向を選択。が、これが、失敗だった...
しばらく走っていると、さらに、雲が厚くなってきた。本当に、今にも、降り出しそうな感じ。やばいかなと思っていると、対向車がワイパーを動かしている。道路も濡れてきた。ぼつぼつと降ってきた。と思っていたら、いきなりの土砂降り。うへー、これはカッパを着ないと、あっという間に、びしょびしょになってしまう。すると、今度は、バチバチと何かが体を叩く。うへっ、ヒョウだ、これはたまらん。ちょうど、朝、開店準備をしていた小岩井農場前のガソリンスタンドが見えたので、ほとんど反射的に、オートバイを入れる。
まだ、ガソリンは半分くらい残っているのだが、給油して、その後、隅でカッパを着させてもらおう。スタンドのおじさんが、ここ数日は暖かかったけど今日は寒い、もっともこれが普通というようなことを言っている。でも、こちらは、もの凄い雨に、ちょっと、動揺気味で、生返事をするだけ。カッパを着させてもらえるようお願いすると、オートバイを工場の中に入れてもいいとのこと。ありがたい、感謝、感謝。
で、オートバイを移動して、カッパを着ようとするが、見上げると、青空が覗いている。うーむ、にわか雨か。待っていればやみそうだなぁ。しばらく、オートバイの横で、ぼんやり立っている。ヒョウはやんだけど、相変わらず、強い雨が叩きつけている。スタンドの人が通りかかったので、待っていればやみそうですねというようなことを言うと、中で雨宿りをしていったらとのことなので、お言葉に甘えさせて頂く。
休憩所のようなところに入ると、中は暖かい。ストーブが焚かれている。自動販売機で缶コーヒーを買って、置いてあったスポーツ新聞に目を通す。が、一通り読み終わっても、まだ、降っている。やることがない。ぼんやり、外を眺めると、相変わらずの強い雨の中を、カッパを着たライダーが走っていく。他人事のように、大変だなぁと思う。それにしても、自分は、なんで、ここにいるのだろう。こんなところで、こんなことをしている自分が、なんだか、不思議な感じ。別の人生を経験しているよう。
客がいない間は、スタンドの人達もストーブにあたって、次の客が来るのを待っている。中からは、意外と外がよく見える。自分が客の立場の時は、誰もいないスタンドに入ると不安になるけど、ちゃんと見られているんだな。世間話をしながら外を眺めていると、車がたくさん走っていく。小岩井農場に入っていくのが多いけど、こんな天気だと生憎だよな。でも、交通量が多い割には、スタンドに入ってくる車は少ない。そのうち、なんだか、自分も店員のような気がしてきて、早く、お客さんが来ないかなぁと思っている自分がおかしかった。
少し、雨が弱くなってきた。いつまでもいるわけにはいかないので、お礼を言ってオートバイのところに戻る。ただ、完全にはやんでいないので、カッパの下だけを着た。もう、カッパを着ないことに意地になっている。降っているのは、この辺りだけでしょ。
その後、時々、強目の雨に降られたりしながらも、盛岡インターのあたりに来ると、雨は、ほぼ、あがった。東北道でも、しばらく、雨注意の標識が出ていたが、降られることはほとんどなかった。が、今度は、横風が強くなってきて、走りにくい。なんだかなぁ。
小岩井農場の子牛
子牛はかわいいねぇー

小岩井農場の牛舎
子牛のいた牛舎

小岩井農場のコナラの大木
小岩井農場のコナラの大木

BMW R1150GSと朝の相ノ沢キャンプ場
キャンプ場に戻った頃は、晴れていたんだけど

蓮田サービスエリアの藤の花
蓮田サービスエリアの藤の花。もう一台の古いデジカメで撮影
サービスエリアに入り、カッパを脱ぐ。まづ、ジャケットのポケットに入れておいたデジカメを取り出す。着ているジャケットは防水ではないけれども、大丈夫だろうと思い、そのまま、ポケットに入れておいた。で、電源を入れると、問題なし。まぁ、そうだろうね。が、何回か、電源を入れたり切ったりしていると、反応しなくなった。うんともすんとも言わない。げっ、雨で壊れたか。うーん、乾かして、直るのかなぁ...
もうひとつ、ポケットに入れておいた携帯も確認する。げげっ、こちらは、真っ黒になっている。なんじゃ、こりゃ。機能は正常なようだけど、とにかく、真っ黒い汚れが付いている。デジカメも、本体の色が濃いので、一見、分からなかったが、よく見ると、黒い汚れが付いている。ポケットに入れてある他のものも確認すると、みんな、真っ黒。なんだ、なんだ。そして、ジャケットをよく見ると、黒い汚れが浮き上がっている。泥でもかぶったか。でも、オートバイには、そんな泥は付いていない。カッパにも付いていない。このジャケットは、昨年の後半に買ったのだが、雨の中を走ったのは今回が初めて。ポケットの内側から外側を見ると、光が漏れて見える。防水ではなくても、多少は水を防ぐのかと思っていたら、これでは、だだ漏れという感じ。付属していた防水の内袋のようなものは使っていなかったけど、その意味が、今、分かったよ...
それにしても、この黒い汚れは何だ?結局、その場では、原因は分からないまま、悶々と、東北道を進むのだった。
ゴールデンウィークの渋滞は昨日までだったのか、東北道に渋滞はなく、予定より早く、6時過ぎに駐車場に到着。今回の走行距離は、2,300Km程。よく、走った。
途中のサービスエリアでは、おととい見かけたBMW3台組と一緒になり、少し話をした。3泊4日で下北半島を周ってきたとのことで、自分が内陸を走った昨日は、太平洋岸沿いを走ったけど、三陸海岸の名所は真っ白だったらしい。他にも、下北半島を周ってきたライダーと話をした。

ジャケットの件は、後日、ディーラーに持っていったところ、結局、不良品とのことで、新品に替えてもらった。ディーラーの対応がよかったので、まぁ、いいかというところ。
デジカメは、そのまま、二度と、電源は入りませんでした...

<<前へ  1 / 2 / 3 / 4 / 5
ツーリング | キャンプ場ガイド | BMW R1150GS | 本棚 | その他旅行記 | 過去の雑記 | リンク
(c) Copyright teruyuki 2005-