BMW R1150GSで行くツーリング

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BMW R1150GSで行くGWの東北キャンプツーリング
【5月5日(月)】
さて、今日は下北半島の最終日。撤収の前に、まだ、入っていない露天風呂に行こうということで、まづ、かっぱの湯に向かう。が、キャンプ場からかっぱの湯までは、あっという間。昨日入った老人福祉センターの近くだった。
オートバイを停めて、歩き出すと、温泉への入り口にお湯の由来がある。が、これは、ちょっと、平凡な感じ。
まだ、7時頃なので、貸切かなと思っていたが、既に、一組の若者カップルが入っていた。うーむ、まぁ、いいかということで、そそくさと準備をしてお湯に浸かると、お湯は少しぬる目。湯船が広いので、なんか、プールのような感じもしないではない。温泉のにおいも、ちょっと、癖がある。それでも、今朝は曇っていて寒く、気持ちがいい。目の前は渓流で、環境も最高。人気がある筈だ。
渓流の対岸を走っていく車がある。そうか、この川の上流が、事前に調べてきた釣りのポイントなんだな。が、釣りもしたいと思っていたけど、この寒さだとイマイチ気が進まない。結構、釣れるみたいなんだけど、今回は、まぁ、いいか。
しばらくすると、カップルが出ていった。小うるさかったので、早くいなくならないかなと思っていた。言葉からすると、わざわざ、関西からのようだが、女性の方が年上だったのか、男が顎で使われている感じには苦笑い。
人がいないうちにと思い、写真を何枚か撮っていると、カップルと、ほとんど、入れ違いで、ソロの若者が来た。じゃあ、今度は、こちらが、出よう。
オートバイまで戻ると、足元に、小さな花が咲いていた。来るときに、岩手山サービスエリアで見たのと同じ青い花。野生のスミレかな。
さて、次は、河原の湯に向かう。もうひとつ、露天風呂があるらしいけど、三つは多過ぎなので、いいや。
こちらは、道路から湯船が丸見えなのだが、今は、おじさんが、一人で入っているだけ。早速、自分も、挨拶をして、お湯に浸かる。うー、かっぱの湯と違って、こちらは、結構、熱い。湯船は小さくて、二人で一杯。おじさんと話をすると、この辺りに、しばらく、滞在しているらしい。車中泊をしている感じなのだが、どれくらいなんですかというようなことを聞くと、えーとと考えていた。それでも、そろそろ、帰るとのことだ。
そんな会話をしていると、いつの間にか、もう一人、じいさんがやって来た。おじさんとは顔見知りらしく、それらしい会話をしている。で、何故か、じいさんは、ナポレオンがどうのこうのと話をしている。なんのこっちゃと思っていると、おじさんは、適当に話を合わせている気配。すると、今度は、じいさんは、「タイコーサン」がどうのこうのと話を変えた。あー、ナポレオンからだから、豊臣秀吉のことを言っているのかなと思っていたら、おじさんが、「えっ、サイトーさん?」と、素でボケるのを聞いて、心の中でツッコミを入れる自分であった。
さて、キャンプ場に戻ると、撤収開始。まだ、フライシートが濡れているが、この天気だと乾かないので、そのまま、たたんでしまう。
そのうち、昨日、話のできなかったGS3台組が、先に出発していった。ちょっと、残念だったな。
で、こちらも、8時過ぎには出発。明日は東京まで戻らないといけないので、今日は、なるべく、南下をしておきたい。が、天気予報がイマイチなので、今夜は、ビジネスホテルかなぁ。
かっぱの湯
かっぱの湯

河原の湯
河原の湯

大畑駅
大畑駅。まだ、線路が残っていた

BMW R1150GSと大畑駅の桜
大畑駅の桜。左側が線路になっている

横浜の菜の花畑
横浜の菜の花畑。向こうの丘には、牛がいた

横浜の菜の花畑
青空だったら...

大畑の市街に来ると路面が濡れていた。雨は降っていないが、霧が漂っているので、それで、濡れているのだろうか。このまま、下北半島を去るのも名残惜しいので、標識でみた「大畑駅」に寄ってみる。
標識に沿って現地に着くと、駅は、今は、バスの発着所になっていた。が、駅の名残はたくさんあって、ホームはそのまま残っている。現役の事務所は、昔の駅舎のようだ。しばらく、眺めたり、写真を撮ったりする。昨日も思ったけど、やっぱり、廃線跡というのは、哀愁がある。近くには、自分と同じように写真を撮っている人がいるけど、なんとなく、鉄ちゃんな雰囲気。
相変わらず、霧が漂っている。駅の前に立っている大きな観光案内の看板は、大昔のまま。定刻になったのか、バスが、誰も乗せないまま、出発していく。オートバイを停めたところは、偶然、桜の木の近くで、ざっと風が吹くと、花びらが舞い散る。あー、これで、下北半島ともお別れだ...
大畑の市街を出る辺りで信号を待っていると、これが、なかなか、変わらない。反対側にはスクーターと歩行者が待っている。信号は感知式だが、感知されていないらしい。が、二輪用のボタンは、中途半端なところにあり、押すのが面倒。地元なんだから誰か気がつけよなと思っていると、軽自動車が来て、信号が変わった。のんびりしてますなぁ。
霧の中、大畑市街を通っている旧国道を走る。シールドに水滴が付いて、濡れそうな霧だけど、カッパは面倒なので、そのまま。昨日も走った国道に入り、むつ市街は通過し、今日は、一昨日と道を変えて、陸奥湾側を走る国道279号線へ。むつ市街で路面は乾いたが、空模様は変わらない。結構、寒い。
279号線は、予想外に、沿道に生活の気配がする平凡な道路。一昨日の338号線の方が、雰囲気はいい。
南下を続けると、横浜の街に近づいてきた。すると、菜の花祭りをやっているというような看板が続いている。看板からすると、祭りの会場は陸側の斜面の中腹辺りのようだが、横目でちらりと見ると、黄色い畑が見える。せっかくなので、寄ってみよう。
あちこちに立っている看板に従って、斜面を登っていくと、うひょー、一面の菜の花畑。しかも、菜の花の向こうは緑の丘になっていて、その先には、風車が回っている。うーん、これは、すごい。思わず、オートバイを停める。近くには会場があって、迷路のようなものもあるようだけど、そっちはいいや。それにしても、菜の花の黄色と丘の緑色のバランスが美しい。海側の景色も、なかなかで、これで、青空だったら、最高だろうなぁと思いながら写真を撮る。空は相変わらずの曇り空で、時々、冷たい風が吹く。それでも、どこかで、ヒバリがさえずっている。春なんだよなぁ。
横浜の市街を抜けて、さらに、南下を続ける。下北半島のこの辺りは道路がシンプルなので、鳥瞰図のように、下北半島の地図の上を辿っている自分が想像できて面白い。ちなみに、「岡本太郎の東北」の中で、岡本太郎は、下北半島の形から次のようなイメージを描いている。さすが、芸術家は違うねぇ。
「...孤独な、生物の姿。大陸からはじき出された爬虫類のような。そんな原始的な生きものが、傷つき、耐え、身構えている。ことに強烈なのは、その頭部のイメージだ。牙をむきだしながら、淋しげに、しかし力強くそそりたつ。...」
時々、進行方向左側、つまり、東から、強風が吹きつけてくる。昨日の尻屋崎でのように、注意していないと、反対車線に押し出されそうなくらい。そして、風は冷たい。途中の気温表示板には10度とあったが、もっと、寒い感じ。この東からの冷たい風は、結局、小川原湖に泊まったときから、ずっと、受け続けている気がする。同じ青森県でも、西側の津軽には、「街道をゆく」によると、「下北では夏でも綿入れ」という言葉があるらしい。津軽も生きるに苦しいけど、下北はもっと苦しいということで、この風を受け続けていると、ほんの少しだけど、その言葉を実感した気がする。
さて、野辺地に近づいて来た。ここで、国道4号線に突き当たるのだが、同じ南下するにしても、青森市方面を経由して内陸を行くか、真っ直ぐ、八戸方面を経由するかのどちらかを選ばないといけない。で、走りながら考えていたのは、この東からの冷たい風を考えると、太平洋側は天気が悪く、寒いのではないかということ。なので、青森市方面に向かうことにする。
野辺地の市街を抜けて国道4号線に入ると、予想は、ピタリと的中。空は明るくなり、気温も上がった。青空は見えないけど、これくらい明るければ、雨の心配はなさそう。やったね。
そのまま、4号線を進むと、道路が渋滞している。で、これが、なかなか進まず、おまけに、道幅が狭くて、すり抜けもできない。ついさっき、夏泊半島を一周する道路への交差点を過ぎたので、渋滞に嵌まっているくらいならばと思い、Uターンして夏泊半島に向かう。
が、少し走って、後悔。海岸線に出ると、またまた、東からの強風が吹き付けてきて、気温も下がった。気温表示板の数字は一桁で、さっきより、寒いじゃないか。海の眺めも暗く、不気味な感じ。下北半島は、霧の彼方で、見えない。そういえば、昨日、海岸線を走っている時、北海道の島影が見えたけど、あれは、どこだったんだろう。思い出せない。
それでも、せっかくなので、小さな漁港に停まってみる。が、やはり、イマイチで、すぐに出発。近くの漁村の中を走ると、地理的には寒村というところだが、家は立派なものが多い。ホタテで、潤っているのだろうか。
地図によると、半島の先端辺りに、大島という観光地があるらしいが、真っ白でよく分からない。そのまま、走り過ぎる。が、半島の西側に回りこむと、またまた、空が明るくなり、気温も上がった。分かりやすい天候だな。
国道4号線への交差点で信号待ちをしていると、右側に、「ホタ亭」という店を発見。名前の通り、ホタテ料理を出すのだろうか。野辺地の市街はホタテ料理の看板が多くて、寄りたいなと思っていたこともあり、そのまま、駐車場にオートバイを入れる。時間も昼前でちょうどいい。
が、店の中に入ると、客はゼロ。失敗したかもと思いつつ、メニューを見て、「活帆立と新鮮うにの丼定食」をオーダー。待っている間、携帯で天気予報をチェックする。今夜は、昨年のゴールデンウィークにも泊まった相ノ沢キャンプ場かなと思い、盛岡の辺りを見ると、夜から雨の予報。ということは、早めに、キャンプ場に入ってしてしまえばいいか。それでも、少し時間があるので、安比高原でも経由して行くかな。なんてことを考えていると、目の前の厨房で、ホタテを殻から剥いているのが見える。これは期待できそうと思っていると、来ました、来ました。ところで、回りには客が増えている。3人程のグループもいるけど、ライダーらしい。オートバイが停まっていると、ライダーを呼ぶんだよね。
で、丼の方は、とても、おいしくて、大満足。うにも、予想外にたくさん入っていた。加えて、それ以外に、焼きホタテやホタテの入ったサラダも付いている。これで、\1,300は、お得。オススメです。
国道4号線を進み、浅虫温泉に来ると、近くの水族館への交差点は大渋滞。ゴールデンウィークですな。
白砂漁港
夏泊半島は真っ白

ホタ亭の「活帆立と新鮮うにの丼定食」
ホタ亭の「活帆立と新鮮うにの丼定食」

春子谷地
春子谷地。岩手山はどこ?

相ノ沢キャンプ場近くで見かけた馬
なんか、番号書かれているんですけど

その後は、青森東インターから青森自動車道経由で東北道に入る。山の中へ入っていくと、来たときに見た、優しい春の景観。下北半島の景色は厳しかったのだなぁと改めて思う。
岩手山サービスエリアまで来た。安比高原を走るならば、もっと、手前で東北道を降りないといけないのだが、まだ、時間も早いので、もう少し南下しておく気になったのだ。が、地図を見ると、インターから近い適当なキャンプ場が見つからない。ならば、やっぱり、相ノ沢キャンプ場か。うーん、優柔不断。
滝沢インターで東北道を降りて、キャンプ場に向かう。途中の春子谷地では、岩手山は、雲に隠れていた。さっきのサービスエリアからは見えていたのだけど、残念。
キャンプ場までもう少しというところで、路肩に、オートバイが停まっているのが見えた。何かなと思っていると、ライダーが馬を見ている。が、自分は、テントを張ったら来ようと思い、その場は、そのまま、通り過ぎる。
結局、相ノ沢キャンプ場に到着したのは、3時過ぎ。ゴールデンウィーク最後の晩のせいか、空いている。おっ、東屋の横が空いているじゃん。ラッキー。今夜は雨の予報なので、ここに、張ろう。
さて、買出しは、盛岡インター近くのジャスコへ向かう。おっと、その前に、さっきの馬はまだいるかなと思い、行ってみると、いた、いた。子馬もいて、かわいい。サラブレッドではなく、もっと、土着の馬に近い感じで、がっしりしている。
考えてみると、今回は、馬を巡るツーリングでもあったな。一昨日の先人記念館の馬の絵、昨日の尻屋崎の寒立馬、目の前の馬たち。そして、特に、立ち寄ったりはしなかったけれど、かつて、下北半島には南部藩の牧がたくさんあった。岡本太郎は、馬と牛を、縄文と弥生の文化と対置させて論じているけど、この観点からも、東北には、縄文文化の要素が色濃く残っているということになる。やっぱり、東北は、日本というものを考える際の豊かな鉱脈なんだなぁ。
ジャスコの食品売場は、ゴールデンウィークを楽しむ家族連れでごった返していた。こんなところに、小汚いライダーが一人でいるのは、明らかに、場違い。が、なかなか、買いたいものが決まらない。家族向けが中心なので、いちいち、量が多すぎるのだ。惣菜なんて、絶対、残しそう。で、最後に、適当な総菜とぶたしゃぶに決めて、あとは、日本酒を買って、退散。日本酒は、月の輪の宵の月にした。南部杜氏の酒は、正直、あまり好みではないのだが、この酒は、割と好きで、前もって決めていた。
結局、結構な時間になってしまい、風呂は、網張温泉まで行くのが面倒なので、キャンプ場近くのお山の湯という温泉で済ませる。
キャンプ場に戻ってきたのは、6時過ぎ。東屋に陣取って、いつ、雨が降ってきてもいいようにしておく。
目の前の牧場は、もう夕暮れで、暗くなろうとしている。今日は、牛が放牧されているので、時々、牛の鳴き声が聞こえる。昨年は、いなかったけど、夜も、このまま、外で過ごすのだろうか。
しばらくすると、雨がぼつぼつ降ってきた。予報より早いので、そのうち、やむのかなと思っていたら、そのまま、本降りに。しかも、結構な雨で、東屋の中に閉じ込められる感じ。まぁ、雨対策は済ませたし、トイレも、そんなに遠くないので、いいけどね。
ラジオをつけても、雨の音で、よく聞こえない。星だって、見えるわけも無い。なんとも、手持ち無沙汰で、宵の月をのみながら、ランタンをぼんやり眺める。と、東屋の壁に、カメムシが歩いているのに気がついた。お前も、雨宿りか。でも、話し相手には物足りないな。ハハハ
それにしても、よく、降る。昨年は、朝、猛烈な雷雨だったんだよな。今日は東屋があるのでまだいいけど、そうでなければ、今頃は、狭いテントの中に降り込められていた筈。雨のキャンプというのは、一人だと、退屈だ。
風も、吹いている。が、方向が変わったのか、牧場の方から、草のにおいが湧き立ってきた。新鮮な、におい。思いっきり吸い込むと、気持ちがいい。
そうか、この雨のおかげで、この草たちは成長できるんだな。春の雨は、恵みの雨。そう考えると、雨を嫌うのは、人間だけなのかもしれない。きっと、草たちは、この雨を讃えているのだろう。そして、さっきの馬や牛たちも、新鮮な草を食べられると喜んでいるかもしれない。
今頃、彼達・彼女達は、水分をたっぷり含んだ、おいしい草のことを夢見ているのだろうか。
相ノ沢キャンプ場の夜
雨は、降り続きます
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