BMW R1150GSで行くツーリング

ホーム > ツーリング > 秋の南東北

BMW R1150GSで行く秋の南東北キャンプツーリング
【10月6日(土)】
9月の3連休は、天気が悪かったり、体調不良だったりで、オートバイには乗らなかった。が、今週末の3連休は、前半は天気がいいらしい。体調も回復してきた。日曜日の晩は用事があるので、一泊でキャンプ・ツーリングに行きたい。どこにしようか。
先日、読んだ「旅する哲学」に、ラスキンの旅行スタイルに関して、「日に五十マイルを越えることはけっしてなく、数マイルごとに馬車を停めて景色を堪能した」とあった。今年の夏の東北ツーリングでも、最近、ちょっと、走り過ぎかなと感じていた。さすがに、ラスキンほど、ゆったりした旅は無理だが、それでも、今回は、のんびりしたい。キャンプ場で、明るいうちから、ビールをのんで、本を読むなんて最高ではないか。そう思いつつ、調べていて、行き当たったのが、福島県南部の太平洋沿いにある天神岬スポーツ公園キャンプ場。この季節になると、山は寒いので海岸沿いがいいのだが、日本海側は遠い。で、太平洋沿いで探して、見つけたというわけ。キャンプ場の名前からは、オートキャンプ場を連想するが、ネットで調べた範囲では、ライダーで使っている人もいるようだ。
当日は、久しぶりのツーリングということもあり、5時前に目が覚めてしまう。まぁ、今週は、仕事でいろいろあったので、そちらの方が影響が大きいかもしれないけど。
今回は、近場なので、早起きする必要はないのだが、もう、眠れそうもない。起き出して、ネットを眺める。外は、まだ、真っ暗。でも、月と明けの明星が輝いている。
実は、信州の紅葉にも惹かれていたので、天気やキャンプ場を調べていると、段々、空が明るくなってきた。真夏に比べると、夜明けが遅くなった。この季節になると、空気が澄んでくるせいか、東京の空も、とても、清々しい。雲が、朝焼けに、赤く輝いている。きれいだなぁと思いつつ、結局、当初の予定通り、福島県南部に向かうことにする。
東京の早朝の空
この季節になると、東京の早朝の空もきれいだ
鹿島神宮の杉の大木
杉の大木

芭蕉の句碑
芭蕉の句碑

御手洗池
御手洗池。鯉が泳いでいるのですよ

駐車場を出発したのは、8時半頃。首都高に入ると、車が多い。掲示板には、常磐道方面は10Km以上の事故渋滞とある。うーん、どうしよう。東関道に変更か。レインボーブリッジを渡り、千葉方面に向かう。
幕張の高層ビル群の脇を走り、しばらくすると、田園風景になってくる。この道をオートバイで走るのは久しぶり。北海道の帰りに、大洗から走ってきて以来かな。ということは、まだ、BAJAに乗っていた頃だ。
成田を過ぎると、車の量が、大分、減った。
終点の潮来インター手前のパーキングで、オートバイを停める。地図を眺めると、常磐道の接続までは、結構、距離がある。かなり、遠回りをしてしまった。それでも、近くに、鹿島神宮がある。確か、芭蕉も来ていた筈と思い、寄って行くことにする。
東関道終点の辺りから海の方向を眺めると、広々とした平地の向こうに、鉄塔や工場の煙突が見える。田舎のような都会のような、ちょっと変わった景色。この辺りは、川や湖が錯綜していて、潮来インターの直前でも、利根川を渡る長い橋を走った。なので、景観が、やたらと平板だ。
少し走ると、今度は、北浦に架かっている長い橋を渡る。水面を見ると、泥色の水が波だっている。お世辞にも、きれいとは言えない。それでも、道路の隣には、鉄道の橋が並行して走っていて、電車が走っていれば、かなり、絵になりそう。
鹿島神宮駅の周辺は、神社があるような雰囲気ではないなと思いつつ、神社の近辺に近づくと、観光地の雰囲気がしてきた。駐車場も、有料らしい。でも、せっかくなので、神社の最寄りの駐車場で、空いているスペースに、オートバイを停める。と、係りの人が近づいてきて、オートバイ専用の場所に移動してくれとのこと。時間は、まだ、10時過ぎなので、空いているのになぁ。渋々、オートバイを動かした後、駐車料を払いに行くと、オートバイは無料と言われる。そういうことですか。では、神社に向かいましょう。
楼門をくぐると、右手に、大きな杉の木が立っている。その先に、ありました、ありました、芭蕉の句碑が。句碑自体は汚れていて、何が書いてあるのか分からないが、横の立て札に、
「名月や 鶴脛高き 遠干潟」
とある。帰ってから、「芭蕉紀行文集」(岩波文庫)の「鹿島詣」を見たが、この句はない。どういうことなんだろう。ちなみに、この旅は、「奥の細道」に向かう2年前に当たる。「かしまの山の月見ん」ということで、鹿島に来ているのだが、こういう感覚は、「焚火でもしたいなぁ」というのと似ているね。ハハハ
すぐ先には、本殿があるが、思っていた以上に、こじんまりとしている。これはこれでいいのだが、有名な神社なので、もっと大きいだろうと思い込んでいた。
本殿の奥は、巨大な杉の大木の間を、土の道が真っ直ぐに延びている。道を掃いている人がいるが、きれいに掃き清められていて、とても、気持ちいい。標識によると、この先にも、名所があるようなので、行ってみよう。
空は雲が出てきて、Tシャツに薄手のフリースだけだと、少し、寒い感じ。しばらく歩くと、動物園のように、たくさんの鹿が囲われているスペースがあった。鹿は、観光客からエサをもらったり、地面の砂に体を擦り付けたりしている。子鹿も多い。哺乳類の子供は、何でも、かわいいよなぁなどと思いつつ眺めていると、ふと、気がついた。鹿って、頭が悪そう。が、「馬鹿」というくらいだからね、という話ではない。鹿は、鹿島神宮の使いということになっていて、それで、大事にされているのだが、ここに限らず、神社とは縁の深い生き物と言っていいだろう。で、この頭の悪そうなところが、その理由のひとつなのかもしれない。つまり、頭の悪そうな分だけ、かえって、突然、神のお告げというようなものを喋り出しそうな気がするのだ。頭のよさそうな生き物が、もし、喋り出したとしても、理性的で平凡なことしか言わなさそうだが、鹿は、ウスノロに見える分だけ、神的な感じがする。
鹿達のすぐ近くに、親鸞上人旧跡という立て札があった。昔、ここに寺があって、親鸞がお経を読みにきたらしい。そういえば、親鸞は、越後に流された後、常陸に来たんだけど、すっかり、忘れていた。
さらに進み、坂を下る。この先に、御手洗池という池があるらしい。それにしても、さっきから、周りの団体のじいさん・ばあさん達のどうでもいい世間話が耳に入ってきてしまう。どうにも、雰囲気がない。神社ならば、もっと、凛として静謐であってほしいのだが、しらけてしまうな。
さて、御手洗池に到着。ここは、いろいろ言い伝えがあるようで、確かに、池の水も澄んでいて、きれいだ。が、鯉が泳いでいる...。すぐ近くには、売店もあり、いかにも、観光地という雰囲気。うーん...
他にも、名所はあるようだが、もう、お腹いっぱいです。駐車場に戻ろう。
走り出して、改めて、神宮前の参道沿いを眺めると、廃業したらしい宿が幾つかある。今時、神社なんて流行らないだろうし、交通が発達した今は、泊まるには、都内からの距離も中途半端。帰り際、本殿の前には、中国系と思われる人達の団体がいたが、これからの観光客の中心は、外国人になるのかもしれない。
ここから先は、普通ならば、国道51号線で北上するところだが、変哲のない生活道路の記憶があるので、一本裏の県道を走ることにする。
右手に、カシマサッカースタジアムが見えてきた。サポーターらしき人達がちらほら見えるので、これから、試合があるようだ。スタジアム近くでは、沿道で、おばちゃんが小旗を振っている。駐車場への呼び込みだが、これが、たくさんいて、なんか、笑ってしまう。
その後は、淡々と、北上を続ける。道は、ごく普通の田舎の道路という感じ。といっても、何か特徴があるというよりは、全く平凡で、ただ単に、人の気配が少ないという意味での田舎。道路は線路と並行して走っていて、線路を越える跨道が右側にやたらと多いのが、変わっているといえば、変わっている。でも、そんなことはどうでもいい。正直、何の感慨も浮かばない。沿道には、田舎暮らしのための不動産の宣伝が多いが、どうなんだろう。もう一歩突っ込めば、何か、心惹かれるものがあるのだろうか。真上と進行方向の空がすっかり曇ってしまったのもあって、気分は低調だ。
国道に入り、さらに、進むと、大洗の近くで、太平洋が見えてきた。何となく、見覚えのあるような景色。さて、時間は、そろそろ、12時。この先の那珂湊で、なまものでも食べよう。
国道を離れ、港に向かっている途中に、那珂湊駅という鉄道の駅があったが、こんなところに、電車が走っているとは思わなかったな。
港に近づくと、辺りは、一気に、活気づいてくる。観光バスも多い。
オートバイを停めて、人の流れの方向へ歩く。と、市場は、人でごった返していた。すごいな。店先には、干物から、なまの魚、カニや貝がひしめいている。サンマが、発泡スチロールの箱の中で、ギラギラと輝いていると思ったら、カキが、岩山のようになっている。今日は一人なので、買う気はないのだが、生もの好きな自分は、眺めているだけで楽しい。見ていると、段々、買いたくなってくるのだが、家に送るにも、量が多過ぎる。まぁ、仕方がないね。
生ものを眺めるのと一緒に、食事ができる店を物色して、回転すしの店に入る。暖簾に、「市場寿し」とあるが、これが店の名前なのだろうか。店に入り、席に案内されて、早速、流れている皿を見ると、どれも、うまそう。ネタも大きくて、北海道の回転すしみたいだ。結局、マコガレイ、生エビ、活ダコ、シマアジ、ヒラメ、クロムツ、えんがわ、カキを食べました。うー、腹いっぱい。しあわせー。
帰りに、もう一度、市場を通ると、紋別産のカニや網走産のしじみもあった。何故、こんなに、北海道のものがあるのかなと思いながら、オートバイに戻る。
気になっていた天気予報を携帯で確認すると、これから、また、晴れてくるようだ。よかった、よかった。
走り出して、国道に戻るつもりが、道を間違えて、海岸線の沿って走ることになった。まぁ、でも、こっちの方が眺めがいいので、丁度いい。海上の空は、青空が覗いてきている。気分も、上向いてきたぞ。
少し内陸に入ると、踏切があって、一時停止をした時に右側を見ると、近くに、駅が見えた。終点の駅らしい。前後に車がいないので、その場で切り返し、向かってみる。
オートバイを降りて、駅に行くと、誰もいない。阿字ケ浦という駅名で、時刻表を見ると、電車は、1時間に2本程。今は、出発した後のようだ。駅のすぐ近くには、ちらほらと、民家がある。看板によると、海水浴場が近いようなので、真夏は、それなりの人がいるのかもしれない。が、今は、とても、静か。終点の駅というのは、なんとなく、哀愁がある。北海道の様似も、そうだった。
その後、適当に走っていると、出来たばかりのような大きな道路に出た。沿道には、これまた、出来たばかりのような映画館やホームセンターがある。が、この辺りは、自分の地図では、工事中になっている。そろそろ、関東版のツーリングマップルも新調しないとな。
その後、日立南太田インターから常磐道に入る。途中の東海村には、原子力関係の施設がたくさんあった。
那珂湊の市場
那珂湊の市場。どれも、うまそう

那珂湊の市場近くの海岸
青空が覗いてきた

阿字ケ浦駅
阿字ケ浦駅。停まっている電車は、塗装が剥げて、もう、動きそうもない

六角堂の目の前の景色
六角堂の目の前の景色

六角堂
六角堂の中には入れないので、外からパチリ。窓が大きく、中からの眺めはよさそう

常磐道のこの辺りは、トンネルが多い。以前は、鹿角平観光牧場キャンプ場に、ちょくちょく来ていたのだが、久しぶりなので、忘れていた。
交通量の少ない中を走り、北茨城インターで降りる。次の目的地は、五浦の六角堂。岡倉天心の別荘だが、海の目の前に建てられた六角堂という建物を、どこかで見たことがあって記憶に残っていた。
国道を離れ、標識に沿って進むと、それらしき場所に到着。近くには、オートバイが何台か停まっているので、そばに停めさせてもらい、入場料\200を払って、中に入る。ここは、今は、茨城大学の関連施設になっていて、敷地内には、幾つかの建物がある。六角堂は、そのひとつのようだ。
順路の最初にあるのが天心記念館で、岡倉天心の業績の説明がある。で、恥ずかしながら、ここで、初めて知ったのが、天心は画家ではないということ。元は官僚で、明治時代の日本の美術界を方向付けた人で、今でいうプロデューサーのような役割か。多分、岡倉天心という名前は、学校の教科書で知ったと思うのだが、ずっと、画家だと思い込んでいた。
記念館には、天心の銅像もあるのだが、これが、なんというか、中国の仙人のよう。五浦では、よく、釣りをして、専用の船まで作らせたらしいが、その時の格好らしい。うーん、でも、あまりいい趣味とは思えないけどなぁ。
次は、お目当ての六角堂。ここの敷地は海に面していて、少し歩くと、それは、本当に海際の岩の上に建っていた。よくも、こんな丁度いいスペースがあったなという程、海が目の前。波に音がうるさいくらいだ。
建物は小さくて、一人で寝そべるのが丁度くらいかな。窓が大きく、海がよく見える。目の前は白波砕ける荒磯で、遠くには、赤い断崖のあちこちに松が見える。なんか、笑ってしまう程、「和」な景観。松があると、景色は、一気に、日本らしくなるんだよなぁと思いつつ、ぼんやり、眺める。でも、建物の外観は、赤色の中国風。中には、床の間があったりするのだが、先程の釣りの格好と合わせると、天心は、漢風が好きだったに違いない。だとすると、もしかしたら、この景色と似たのが、中国の古典にでもあるのかもしれないな。
天心は、ここで、本を読むのが好きだったようだが、それにしても、こういう景色を見ながら、日がな一日、読書をするというのは、まさに、仙人のよう。羨ましい。自分も、こういうところで、テントが張れたら...などと思ってしまう。
帰り際に見た案内板によると、天心は、この建物を、観瀾亭と名付けていたらしい。「波を見るためのあずまや」と説明がある。椎名誠も、「波見」というのを、どこかで書いていたような気がするが、彼の場合は、台風前後の巨大な波を見るのが好きということだったかな。まあ、それは置いても、天心は、ここの他にも、別荘を持っていたとのことなので、資産家だったのだろうか。羨ましい限りだ。
順路の次には、住居があって、一周することができる。日当たりのよさそうな方角には広い縁側があって、これまた、いい感じ。が、台所は、日当たりの悪い方角にある。最近のマンションの台所は、リビングと一緒に、居心地のいい場所にあるのが多いが、まぁ、薪を使うと、いろいろな制約があるのだろう。
さて、ちょっと、人は多かったけど、\200の割には、意外と楽しかった。時間は、2時半頃。すぐ近くには、天心記念五浦美術館というものがあるが、天心が画家でないならば、まぁ、見ることもないかな。キャンプ場に向かおう。でも、その前に買出しをせねば。いわきは初めてなので、市街で買って行きたい。
国道6号線を走っていると、勿来関の標識を発見。奥州三古関の一つだ。ついでなので、寄ってみよう。
国道を左折して走るが、なかなか、古関らしきものは見つからない。周辺は、やたらと整備されており、とりあえず、駐車場に入り、案内図を見ると、一帯は、大きな公園になっている。この先に、勿来関文学歴史館というのがあるので、その辺りかな。で、オートバイを進め、文学館を越えると、それらしきものを発見。大きな銅像が立っている。Uターンをして、オートバイを停める。空はすっかり晴れて、ポカポカ陽気だ。
案内によると、銅像は、源義家で、
「吹く風を 勿来の関と 思えども 道もせに散る 山桜かな」
という句を、後三年の役の下向の途中、ここを通りかかった際に読んだとのこと。が、後三年の役での義家の非道な行為を考えると、この句も、どうかなと思ってしまう。
勿来関は歌枕となって、多くの古人に詠まれたようで、それが、歩道に沿って、石碑に彫られている。案内図を見ると、その中に松尾芭蕉の文字を発見。でも、芭蕉がここに来たのは知らないなと思いつつ、歩道を歩くと、芭蕉の碑があった。が、彫られてあるのは、
「風流の初めやおくの田植うた」
で、奥の細道で、白河の関の次の章段にある句。なので、ここに来たわけではないのだが、まぁ、みちのく最初の句としてあるのかな。
辺りを見回すと、低い山が続いている。ここから海岸まではそう遠くないのだが、何故、この関は、こんな山の中にあるのだろう。海岸の方が道としては歩き易そうなので、海沿いにあってもいいように思える。三古関のひとつの念珠関は、海岸沿いだったのではないか。国道7号線を走ったとき、跡の碑が道路脇にあったような気がする。
国道に戻った後、6号線のバイパスを走り、いわき市街へ向かう。駅方向の標識が、なかなか、出ないので、適当に、バイパスを降りたが、無事、駅に近づいてきた。
いわきの市街は思っていたより大きかった。東京からは、新幹線があるわけでもなく、飛行機でも中途半端な距離に位置しているのに、ツーリングマップルに、人口では東北第2の市とあるのが意外だ。
が、何故か、スーパーが見当たらない。ぐるぐる、適当に走っているのだが、全然、見つからない。で、もう、コンビニでいいかと思い、常磐道のインターに向かおうと思ったら、発見。なんだかなぁ。
スーパーでは、いつものように、惣菜や蕎麦等を買う。日本酒は、この辺りだと大七があるかなと思っていたが、なかったので、又兵衛という地元の純米吟醸を購入。どんな味なのかな。
勿来関
勿来関
天神岬スポーツ公園キャンプ場でのんだ又兵衛
その日、キャンプ場でのんだ又兵衛

天神岬スポーツ公園キャンプ場からの月
キャンプ場からの月。三脚が無いのに、ぶれずに撮れた

その後は、いわき中央インターから常磐道に入る。空は、すっかり、晴れ渡り、真っ青だ。ここまで、青いと、なんだか、世界が紫がかって見えるような気がする。
交通量の少ない中を走り、広野インターで降りた。自分のツーリングマップルは、東北版も古いので、いわき四倉インターまでしか、できていないことになっている。なので、勘で降りたインターだったが、最寄だったようだ。それにしても、この辺りは、ツーリングマップルの東北版と関東版の境になっていて、両方が必要なのが、ちょっと、面倒。
結局、天神岬スポーツ公園キャンプ場に着いたのは、4時半頃。のんびりする筈が、こんな時間になってしまった。オートバイを停めた後は、まづ、サイトを見学に行く。整備されすぎているのではとちょっと心配だったのだが、フリーサイトは、そうでもない。テントの数も、それ程、多くなく、これならいいか。
テントを張る前に受付に行くと、サイトは区画されていて番号がついているので、番号を教えてほしいとのこと。さっきは、気がつかなかった。面倒だなと思いつつ、サイトに戻ると、確かに、地面にロープが張ってあり、番号がついている。このキャンプ場は海に面していて、サイトから、太平洋を眺めることができる。なので、海に近い方がいい。が、海側には、何ヶ所か、直火用の囲いがあって、人がいるので、なかなか、いい場所がない。で、結局、少し奥まったところに張った。ちょっと、不満だけど、仕方がない。
改めて、受付で申込みをしてから、温泉に向かう。すぐ近くの筈だが、よく分からないので、オートバイで行く。が、本当に近くて、歩いた方が早かったかも。
結局、温泉を出て、テントに戻ったのは6時頃。もう、真っ暗だ。
まづは、温泉で買ったビールを開ける。ふー、旨いね。今日は、キャンプ場でのんびりするつもりが、もう、暗くなってしまったな。本を持ってきたけど、読む時間なんて、全然、ないよ。
焚火でもほしいところだが、もう、薪を拾うのが面倒。ランタンの明かりで、酒を進める。買ってきた又兵衛の味は、しっかりとしていて、なかなか、自分好みだ。コクというよりは甘い感じが強いのだが、まぁ、いいでしょ。
近くの直火用の囲いでは、団体がバーベキューをやっている。ちょっと、うるさいので、ラジオをつける。久しぶりだ。
ラジオを聞くともなしに聞いていると、普段は帰りが遅いお父さんが家族の誕生日に早く帰って一悶着のようなドラマらしきものをやっている。で、このお父さんがケーキを買って帰るのだが、これが、イチゴのショートケーキにモンブランという、今時の若者に言ったら笑われそうな昭和な品々。作家は、敢えてそうしたのか、それとも、素なのか。でも、自分は、今でも、ケーキならばショートケーキが一番好きだけどね。
だんだん、冷えてきた。ジャケットがないと、外にいられない。酒も燗にする。今年は、いつまでも、だらだらと暑かったので、いつの間にか秋が来ていたという感じだ。
周りは、もう、静か。バーベキューの団体もいなくなった。設備が整ったキャンプ場なので、騒ぐ連中を警戒していたが、そんなこともない。時々、ゴーゴーと低い音がしているので、飛行機でも飛んでいるのかと思っていたが、どうも、波の音が、風に運ばれてきているようだ。
夜空には、意外と星が出ている。天の川もうっすらと見える。すぐ近くに、宿泊施設があり、明かりが多いので期待していなかった。
時々、鳥の群れが、影になって、どこかへ、飛んで行く。なんだか、寂しいなぁ。
あっ、方向によっては、鳥の輪郭に沿って、光が反射して、星座が飛んでいるようにも見える。昨年の北海道ツーリングでも同じような経験をしたが、あれは、夢ではなかったんだな。
さて、いい加減、酔いも回った。そろそろ、寝よう。
電車の走る音が、遠くに、カタカタと聞こえる。
1 / 2  次へ>>
ツーリング | キャンプ場ガイド | BMW R1150GS | 本棚 | その他旅行記 | 過去の雑記 | リンク
(c) Copyright teruyuki 2005-