BMW R1150GSで行くツーリング

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BMW R1150GSで行く秋の甲府・秩父
【10月28日(日)】
昨日は、季節外れの台風で、東京は大荒れの天気。が、今日は、台風一過の真っ青な空が広がっている。先週の日曜日はどこにも行かなかったこともあり、今日は、日帰りで走りに行って来よう。紅葉もいいタイミングのようなので、やっぱり、信州かな。美しい山並みも見たい。
が、起きてからのんびりしていたせいで、駐車場を出発したのは、8時半頃。でも、日曜日のせいか、渋滞もなく、首都高を中央道に向かう。左前方には、冠雪した富士山の頭が見える。台風のせいで、空気は透明。信州の山並みもきれそうだ。
その後も渋滞はなく、順調に進み、笹子トンネルを抜けて、釈迦堂パーキングエリアに入った。今日は、ビーナスラインまで行くか、甲府から雁坂トンネルを抜けて秩父に抜けるかのどちらかのルートにしようと考えていて、ここが、その分岐直前のパーキングになる。
見上げると、空が本当に青い。遠くには、冠雪した南アルプスの山々が見える。気温も丁度よく、これ以上のツーリング日和があるのかと思える程。実際、オートバイも多くて、このパーキングにも何台か停まっている。
トイレに行ったり、蕎麦を食べたりして、うろうろしていると、近くに釈迦堂遺跡という縄文時代を中心にした遺跡があるらしく、あちこちに、その説明やモニュメントがある。その遺跡に関する博物館もあって、ここから歩いて行けるようだ。せっかくなので、寄ってみよう。博物館は、パーキングより高台にあるので、南アルプスの景色もよさそう。
階段を登り、博物館に向かう。実際の高台からの眺めは、予想通り、なかなかいい。
館内に入り、入館料\200を払い、すぐ、常設展示がある2階に上がる。1階には、喫茶スペースがあるのだが、大声で喋っているおじさん・おばさん達がうるさいのだ。が、2階には誰もいない。
少し奥に進むと、水煙文土器と説明がある土器がある。これが、素晴らしい。過剰な装飾が施されていて、特に把手の造形が際立っている。これぞ、縄文土器という感じ。なんの予備知識もなく来たけど、実は、ここって、すごいのではと予感がする。
その先には、土偶の破片が、これでもかという程、置いてあった。日本で出土した土偶の1割がここのものらしい。顔や体の破片が並んでいるが、顔は一個づつ表情が大きく異なっている。
次は、土器に表現された人間ということで、土器の本体や把手に顔が現れているのだが、この顔の表情がとても印象的だ。特に、切れ長の目に「あ」と口を開けているものは、なにやら、深遠な感じ。目と口の奥の闇には、人知を越えた世界が広がっているような気がする。そういえば、今年の夏のツーリングで寄った碧祥寺博物館に展示されていた山の神の像の中にも、似たような顔があった。同じようなシンプルさで、さっと、目と口が木に刻まれていた。どちらも、日本人の精神の古層に属する共通な何かが創らせているのだろうか。それにしても、この顔はどこかで見たことがあるような...
そして、人間だけではなく、動物も土器に埋め込まれていて、蛇や蛙、猪の造形もあった。説明には、「土器に宿る精霊たち」とあり、当時の人間の精神世界を垣間見る存在としている。
うーん、土偶や土器が、こんなに、おもしろいものだとは知らなかったなぁ。で、極めつけは、入口から一番奥のところに、所狭しと並べられた大きな土器たち。これだけ並ぶと凄い迫力。縄文土器の過剰な装飾が波打っている。一目見た感想は、ゴージャス!!。触ってはいけないのだが、ケースに入っていないのもいい。
いやー、大満足でした。もっと見ていたい気もするが、人が増えたので、もういいか。ここは、写真撮影ができるのもいい。入場券には、三脚、フラッシュはご遠慮下さいとあるのだが、写真は禁止していない。今年の夏のツーリングで寄った博物館と寺は、軒並み、撮影禁止だった。理由は、文化庁の指示のような感じだったけど、どういう根拠なのだろうか。
2階には大きな窓が開けていて、南アルプスが雄大に見える。
1階では、「いただきます!の考古学」という企画展をやっていた。一通り見た後、ロビーを眺めていると、釈迦堂遺跡の名前の由来という紙が貼ってある。読むと、それは、三口神平(さんこうじんだいら)という地名と関係があり、さらに、その地名は「ミシャクジ」という古い地神に由来しているというようなことが書いてある。
で、思い出した。さっき、どこかで見たなと思った土器の顔は、中沢新一の「精霊の王」の表紙にあった。読んだことはないのだが、確か、「シャグジ」とかいう精霊をテーマにしていた筈。中沢新一は、これも確か、山梨出身だったので、きっと、関係があるのだろうな。今度、読んでみよう。
釈迦堂遺跡博物館の土偶
何を思っているのか

釈迦堂遺跡博物館の土偶
深淵が覗く

釈迦堂遺跡博物館の土器
ゴージャス!!

釈迦堂遺跡博物館近くからの南アルプス
釈迦堂遺跡博物館近くからの南アルプス

ほったらかし温泉からの富士山
ほったらかし温泉からの富士山

広瀬ダム近くの真っ赤に紅葉した木
広瀬ダムの近くには、真っ赤に紅葉した木が何本かあった

広瀬ダムと冠雪した山
山の上は、もう、雪が積もっている

結局、オートバイのところに戻ったのは、11時半近く。なんだか、もう、走る気がなくなってしまった。このまま、甲府で、おみやげでも買って帰ろうかなとも思ったが、せっかくなので、雁坂トンネルを走り、秩父経由で帰ろう。
一宮御坂インターで中央道を降り、雁坂トンネル方面へ向かう。それらしき方向へ走っていると、笛吹川に出た。川沿いには、大きなマンションが建っている。信号待ちをしている間、ぼんやりと眺めていると、日当りがよさそう。川を目の前にして、遠くに甲府盆地を囲む青い山々というのは贅沢な景色。こういう景色を眺める生活というのはどういうものなのかなぁ。ツーリング先の景観の中に、自分が住んでいることを空想するのは楽しい。
さて、信号が青になったので、現実に戻り、ギアを一速に入れて発進。少し走ると、「ほったらかし温泉」の看板を見掛ける。バイク雑誌か何かで見たことがあり、確か、高台から雄大な景色を眺めることができる温泉だ。寄ってみよう。
で、看板の案内に従って、場違いに立派な西関東道路に入ったまではよかったが、その後のルートが分からない。自分の地図には、温泉は載っていない。看板には、確か、フルーツ公園とかいうキーワードがあったので、一度、Uターンをしてから似たような名前のフルーツラインという道路に入ってみる。が、この道は、甲府盆地を囲む山裾を走る、なかなか快適な道路だった。得した気分。しばらくすると、フルーツ公園に近づいてきた。いい勘しているね。沿道は、並木の紅葉がきれい。温泉への案内も出てきたので、それに従い公園の中を抜けて、今度は、細い山道を登る。で、少し走って、現地に到着。
温泉は、予想外に、山奥にあるのだが、駐車場は車だらけ。もっと、マイナーなところだと思っていた。まぁ、でも、とにかく、オートバイを停めて温泉の方に向かうと、やっぱり、人が多い。ライダーの集団もいる。うーん、これだと、中は芋洗い状態だろう。今日は、もう、いいや。写真だけ撮っていこう。
で、眺めのいいところを探すと、さすがに、いい場所があった。富士山がよく見える。確かに、風呂に浸かりながら、この景色を眺めるのは気持ち良さそうだ。
再び、走り出し、来た道を下っている最中、分岐で雁坂トンネル方面と思える方向の道路に入る。来た道を辿ってもおもしろくない。で、選んだ道路は、できたばかりのような立派な2車線なのだが、この先、大型車通行止とある。本当かなと思いながら、そのまま、走っていると、急に道が狭くなった。と、同時に、村落に入り込んだ。民家があるとは思っていなかったせいか、なんだか、変な気分。太宰治の「津軽」の中に、竜飛の村にいつの間にか入っていたシーンを、「路がいよいよ狭くなったと思っているうちに、不意に、鶏小舎に頭を突込んだ。一瞬、私は何が何やら、わけがわからなかった。」と書いているが、まさに、そんな感覚。
村内の道は、車一台でギリギリだが、周囲は、古き良き日本の農村という雰囲気で、なかなかいい。柿のオレンジ色が青空に映える。写真を撮りながら、散歩でもしたい感じ。被写体は、幾らでもありそう。
その後も適当に走り続け、いい加減、道に迷ったかと思い始めたところで、トンネルに向かう国道140号線に出た。またまた、いい勘をしているな。
その後は、トンネルに向かい、快走をする。沿道では、時々、キノコの販売所を見掛けるが、秩父側で買えばいいか。対向車線は、オートバイが多い。絶好のツーリング日和だもんね。
トンネル間近の広瀬ダムに来たところで、真っ赤に紅葉した木を発見。ダムの駐車場に入る。
でも、この辺りは、かなり標高が高い筈だが、紅葉しているのは一部だけ。遠くの山は冠雪しているのだが、紅葉の中心は、もう少し、山の上だ。まだ、ちょっと、早かったな。
雁坂トンネルを走るのは、2度目。前回は、もう少し、寒い時期だったような気がする。今日は、暖かい。
料金所で、\560を払って、トンネルに入る。よくも、こんな所に造ったなと思いつつも、所詮は、トンネルなので、淡々と進む。
トンネルを出ると、左側にスペースがあり、前を走っていたオートバイが停まったので、自分もオートバイを寄せる。紅葉の具合は、甲府側とあまり変わらないかな。
坂を下って、少し平らになった辺りで、旧道の案内板を見掛けた。ちょっと、寄り道をしてみようかということで、Uターンをして、栃本関所跡に向かう。
旧道をしばらく行くと、山間の村落に出た。関所跡があったので、通り過ぎたところで、オートバイを停める。急斜面に、民家や畑がへばりついている。この雰囲気は、長野県の下栗の里に似ている。でも、山の深さがそれ程でもないのと、遠くに国道が見えることもあり、下栗ほど、山奥感はない。
さっきから、見たことがあるような景色だなぁと思っていたのだが、関所跡の近くに来て、思い出した。ここ、来たことあるよ。それも、前回、雁坂トンネルを抜けてきた時じゃん。関所には見覚えがある。5,6年前くらいかな。ということは、当時と、考えることは変わっていないということか...
関所跡の前には中年夫婦がいる。旦那の方は、一眼のカメラであちこち撮っている。さっきの広瀬ダムにも大きなカメラを持った人がいた。最近は、こういう人が増えた。
国道に戻り、秩父湖を通り過ぎる。その先にはループ橋があったが、前回来たときも通ったのかなぁ。記憶がない。
少し走ると、道の駅の特産品販売センターがあったので寄ってみる。が、キノコを探すが、ほとんど、置いていない。ツーリングマップルには、キノコ類が人気とあるのに...
その後は、西武秩父駅の市街を過ぎたところで、国道299号線に入る。先に進むと、また、道の駅があったので寄ってみる。途中、通り過ぎただけの道の駅もあった。この辺りは、道の駅が多い。
が、駐車場は、車でびっしり。オートバイも多く、かなりの人出。陽気がいいからね。本当に空が青い。
直売所を眺めていると、マイタケを発見。今夜は、鴨鍋の予定なので丁度いいのだが、パックに入っていて、近所のスーパーでも売っていそう。秩父産というだけだが、量が多くてお得そうな感じもするので、これまた地元産のうどんと一緒に購入。
さて、もう、3時近い。出発しよう。が、その後は、道を間違えて、結局、圏央道の入間インターまで、ずっと、299号線を走ることになった。この道路は初めてなのだが、取り立てる程の特徴もなく、淡々と走る。以前、秩父に来たときも思ったし、今日、秩父側に抜けてからもずっと思っていたのだが、この辺りの道は、正直、あまり、楽しくない。中途半端に開発されているのが、よくないのか。秩父の市街から見える武甲山も、削り取られて殺風景だった。
圏央道は、この区間を走るのは初めてだが、トンネルばかりという印象。しばらくは、街の地下を走り、八王子に近づくと、山のトンネルになる。よくも、造ったなという感じ。
中央道と首都高は大した渋滞はなく、高井戸インターを出た。さっきから、ガソリンの警告灯が点いていたので、真っ先に、ガソリンスタンドを探す。GSは、警告灯が点いてから、60Kmは走ることになっているが、もう、40Km以上走っていて、気が気でなかったのだ。
で、反対側車線に発見。Uターンして、オートバイを入れる。
ガソリンを入れるために、タンクバッグを外すと、大きなカメムシが出てきた。今日、走っている最中、時々、カメムシ臭いなと思っていたが、お前のせいだったのか。
結局、20リッター以上入ったけど、ここまで引っ張ったのは初めて。
その後、駐車場には、5時頃到着。299号線沿いのゴルフ場でプロの大会があったらしく、道路が渋滞していたこともあって、予定より遅くなった。
今日は、おかしな車のせいで気分の悪いことが2回もあったが、天気はよくて、気持ちのいい一日だった。
雁坂トンネルを抜けた秩父側の景色
雁坂トンネルを抜けた秩父側の景色

栃本の眺め
栃本の眺め。左上に白く輝いているのが国道

栃本関跡
栃本関跡

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