BMW R1150GSで行くツーリング

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BMW R1150GSで行く2007東北キャンプツーリング
【8月26日(日)その1】
5時頃に目が覚める。今日の天気もよさそう。さて、まづは、温泉だ。その後は、テントはそのままにして、八幡平を走ろう。雲海が見られるかもしれない。
温泉の建物に向かって歩く。この時間のキャンプ場は、まだ、起きている人はいない。なんだか、少し頭が痛いな。べっとりとした油汗もかいている。そういえば、ツーリング初日にテント泊をした次の日の朝は、こんな汗が多いような気がする。周りが、きれいな空気に変わって、体が、毒を出して変わろうとしているのだろうか。
ドアを開けて温泉がある建物に入ると、貸切。風呂は思ったより本格的で、洗い場も結構ある。湯加減を見ると、あちち、これは入れん。入口に、熱いので、水で調整して下さいというようなことが書いてあったな。蛇口を開けて、しばらく待つ。なかなか温度が下がらないので、体を流して、我慢して、入ってみる。すると、あれっ、下の方はぬるい。表面だけが熱いようだ。はー、でも、いい気分。
自分が出る頃に、人が入ってきた。早めに来てよかった。
テントに戻ると、なんだか、ぐったり。空気が涼しくて気持ちがいいのもあって、このまま、うだうだしたい感じ。8月に入ってからの東京は、本当に暑かったもんな。ということで、早朝の八幡平はやーめた。また、今度でいいや。って、そんな機会があるかどうか分からないけど。
その後は、テントの中で寝たような寝てないような時間を過ごす。あー、快適、快適。このまま、連泊しちゃおうかなとも思ったが、まだ、先があるので、撤収開始。なんだか、貧乏くさいねぇ。
結局、出発の準備ができたのは、8時頃。
さっきから気になっていたのだけど、昨日、焚火の最中に、人差し指を火傷してしまい、ぷっくりと水ぶくれになっている。ナイフで潰して、軟膏を塗って、絆創膏を貼っておく。ふふふ、旅らしくなってきたぞ。
松川自然休養林キャンプ場の温泉
松川自然休養林キャンプ場の温泉。本格的

オートバイにくくり付けたゴミにとまるトンボ
オートバイにくくり付けたゴミにとまるトンボ。秋ですな

BMW R1150GSと朝の八幡平樹海ライン
朝の八幡平樹海ライン。気持ちいい

BMW R1150GSと八幡平頂上付近
八幡平頂上付近。霧で真っ白

八幡平頂上に向かう八幡平樹海ラインは、とても快適。空は青く、朝の空気も爽やか。車は、まだ、ほとんど通らない。
岩手山が、朝日の中で聳えている。眼下には、幾つかの山裾を繋いで、広大な森が広がっている。とても、人が立ち入ることはできないような深い森。いやー、本当に雄大な景観だ。
気持ちよく走り続ける。この道路は、コーナーというか、道の曲線がとてもきれいだ。何人かで来て、走っているオートバイを入れれば、アウトライダーのような写真が撮れそう。いつもまでも、走り続けたい感じ。
が、前方に霧が出ているのが見えてきた。山の高い所は、真っ白で見ることができない。下界は、あんなに天気がいいのに。
途中、「太古の息吹」というところに立ち寄る。黒っぽい感じのお湯が、ぼこぼこと噴き出しているのだが、こんな原始的な自然が、道路のすぐ脇になるというのが八幡平らしい。それにしても、ここは、何度か、通っている筈だけど、初めて気がついた。なんでだろう。
頂上に近づいてくると、辺りは、もう、真っ白。景色なんて、あったものじゃない。気温も低く、寒いくらいだ。
もちろん、頂上も、真っ白。人も、ほとんど、いない。この辺りで、少し歩こうと思っていたのに、これじゃあ、仕方がないな。諦めて、下界に戻ろう。一瞬、秋田側に降りようかとも思ったが、今回は岩手県がテーマなので、アスピーテラインを東に向かって降りていく。
ここは、今年のゴールデンウィークにも走ったが、景色は、緑溢れる今の方が全然いい。あの時は、まだ、枯れ色が多く、寒々しかった。
少し下ると、道路脇に駐車場があって、車が何台か停まっている。そういえば、この辺りに湿原がある筈だ。オートバイを停めて、道路の反対側にある湿原の入口に行ってみると、黒谷地湿原の標識があって、展望デッキまで700mとのこと。手頃なので、歩いてみよう。
湿原は、木道が整備されていて、歩き易い。ほぼ同じタイミングの先行者がいるが、それ以外にも、ちょくちょく、人がいる。多いという程ではないけど、ちょっと、予想外。
木道の周りは、先日の白馬の八方池トレッキングで見たのと似た花が多い。が、りんどうが、少し薄い紫色の花を咲かせているのが違っている。もう、山の上は、秋なんだなぁ。
花の写真を撮りながら、先に進む。アザミか何かの花では、ミツバチが花粉を集めていた。
途中、湧き水があって、熊の泉とある。あまり、いい名前ではないなと思いながらも、飲むと、柔らかな感じでおいしい。
展望台に近づいてきた。木製で、思っていたより立派だ。展望台の階段を数段登ると、前方に湿原が広々と横たわっている。へー、こんなに見晴らしがいいところがあるとは思っていなかった。展望台は貸切。気持ちがいい。
湿原の周りには、トドマツか、葉が少なく、樹肌が骨のように白くなっている針葉樹が立っている。そのせいか、北海道の松山湿原と似ている気がする。空は、少し青い部分もあるが、曇っている。晴れていれば、さぞかし、気持ちがいいだろう。展望台にはイスもあるので、弁当でも持ってきて、のんびり、食べるとよさそう。
さて、戻ろうか。展望台の横には、自分が歩いてきたのとは別の歩道があり、そこから、夫婦連れが出てきた。八幡平の頂上につながっているらしいが、あの霧の中を歩いてきたのだろうか。
駐車場に戻ると、隣の車の外で、夫婦がトレッキング用の靴に履き替えている。これから歩くんだろうけど、旦那さんの方が、オートバイをちらちらと興味深そうに見ている。ちょっと、世間話でもしようかなとも思ったが、とある理由により急いでいるので、さっさと出発。
エゾオヤマリンドウ
入口の看板によると、エゾオヤマリンドウというリンドウらしい。
茎の先端にだけ花がある

展望デッキからの黒谷地湿原
展望デッキからの黒谷地湿原

松尾鉱山の廃墟
松尾鉱山の廃墟。団地だろうか

松尾鉱山の廃墟
風に煽られ、ススキが揺れていた

途中、 ちょっと、焦りつつ、標高を下げると、青空が戻ってきた。しばらくして、駐車場とトイレを見つけたので、オートバイを停める。そう、黒谷地湿原に入った辺りから、腹の調子がよくなかったのです。
トイレは非常にきれいで、できたばかりという感じ。ラッキー。
無事、任務を終了して出てくると、トイレの建物の一部に広いスペースがあって、写真が何枚か展示してある。この近くにあった松尾鉱山の写真だ。白黒で、過去の栄華と、逆にそれだけ、人の営みの虚しさを感じさせる。アスピーテラインからも、確か、鉱山の残骸を見ることができたような気がするけど、今は、近寄れないのかな。
反対側の壁には、周辺の自然の写真が掛けられていて、その中に、この近くにあるらしい御在所沼という沼の写真がある。ついでなので、歩いてみようか。
アスピーテラインを渡り、遊歩道に入っていく。道路脇では、出店の準備中。ユースホテルでも、玄関の掃除をしている。時間は、まだ、9時半。のどかです。
少し歩くと、熊除けの鐘があって、遠くに沼が見える。うーん、結構、高低差がある。ちょっと、暑くもなってきたなぁ。なんだか、体もだるいし、いいや、やーめた。
走り出すと、すぐに、シェルターが続く。その中に、シェルターの一部が切れているものがあって、走りながら、そこを見ると、外につながる小道があり、その先に、松尾鉱山の残骸が見える。近くまで行けそうなので、Uターンをして、小道に入ってみると、すぐに舗装がなくなっている。Uターンをしやすいところで、オートバイを停めた。意外と簡単に近寄れたな。
周りには、背丈を越えるススキが立っていて、その先に、団地だったと思われる建物が幾つかと煙突が2本見える。どちらも、いかにも廃墟という感じで、コンクリート剥き出しだ。もうひとつ、反対方向に、「生活学園」という文字がある建物も見える。が、こちらは、廃墟らしさは、あまり、ない。
時々、強い風が吹く。ススキがざわざわと音を立てる。周りには、萩の花が咲いている。生活の気配は、もう、ない。太陽が照りつけて、少し、暑い。が、辺りは、カラっとしていて、じめじめした雰囲気がないので、おどろおどろしい感じはしない。遠くから見ている分には、単なる昔の建物という感じだ。この先も、道がついているので、さらに奥に行くことができそう。最近は、廃墟ブームなので、来る人が多いのかもしれない。が、やっぱり、自分は、ちと怖いので、ここまでにしておきます。
田代平高原に向かっている。多分、3回目だと思うけど、今回、是非、行きたいと思っていたところだ。
途中の広域農道は、沿道に、牧草地、畑、田んぼがあり、日本の農業のいろいろなパターンが展開している。中でも、牧草地は、ちょっとした北海道のようで、気分がいい。
田代平高原と国道282号線を結ぶ県道に入ると、周りの景色に、なんとなく、記憶があるような気がする。沿道には、花がたくさん植えられている。きれいなのだが、アサガオ・ヒマワリとコスモスが一緒に咲いているのは、なんか、変な感じ。
国道4号へ向かう道路との分岐を過ぎると、景色が変わってくる。天気は曇っていてイマイチだけど、うーん、やっぱり、ここは気持ちいいなぁ。道路脇の畑では、レタスかキャベツの収穫をしている。
七時雨山荘が見えてきた。ここには、喫茶店があるので、お茶でも飲んでいこう。
が、山荘の入口に近づくと、なんだか、様子がおかしい。建物の前の草地に、車がたくさん停まっていて、テントが立っていたり、テープが引かれているのが見える。なんだ、なんだと思っていると、入口に大きな看板が立っていて、イーハトーブという文字がある。そうか、今日は、イーハトーブのトライアル大会なんだ。自分はトライアルはやらないけど、ライダーならば、名前くらいは知っているのではないか。ここがスタート地点になっている有名な大会だ。へー、今日なんだ。なんだか、ちょっと、興奮しながら、山荘の駐車場に向かい、オートバイを停める。
こういう状況なので、もしかしたら、閉めているかもと思っていたが、喫茶店に近づくと、開店しているようだ。靴を脱いで店内に上がり、デッキの席に座る。他には、中年男女の3人連れが、同じくデッキにいるだけ。まだ、10時半だからな。
外に、競技車両の姿は見えない。店の人に聞くと、戻ってくるのは、今日の夕方とのこと。店内に、大会のパンフレットがあったので、手に取ると、かなり本格的な冊子。大会には、幾つかのコースがあって、ここを出発するのは2日間のコースらしい。一旦、太平洋まで出て、それから戻ってくるので、かなりの長距離だ。へー、すごいなぁ。
おっと、オーダーをしないと。今朝は、パンを齧っただけなので、お腹が空いてきた。まだ、ちょっと、早いけど、ハンバーグが載っかったカレーとアイス・カフェオレをお願いする。
デッキからは、スタート地点と思われる台が見える。辺りは、関係者と思われる人が何人かいるだけで、ゴールの前の静けさというか、しんと静まり返っている感じ。空は曇っているけれど、雨の気配はない。涼しい風が吹き抜ける。あー、快適。やっぱり、ここは、いいところだよなぁ。
近くの3人連れは、観光だと思うのだが、近所の病院がどうのこうのとぺちゃくちゃ忙しい。こんなところまで来て、そんな話をしなくてもいいじゃんと思いながら、ぼんやりと、景色を眺める。
七時雨山荘のデッキからの眺め
七時雨山荘のデッキから

BMW R1150GSと田代平高原
ここは、北海道にも無い景色だと思う

BMW R1150GSと田代平高原
天気がよければ、もっと気分のいい景色になる筈だ

早めの昼ご飯を食べ終わると、さて、出発。この辺りで、写真を撮っておこう。
駐車場には、1200GSが置いてある。関係者なのかな。
ヘルメットを被って出発しようとすると、七時雨山の登山と思われる団体がいる。ここに着いた時も、出発した団体がいた。他にも、パラグライダーもできるようで、それらしきザックを背負った人が歩いていた。ここは、アウトドア遊びのメッカという感じ。やっぱり、いいところだよなぁ。
少し走ると、写真を撮るのにいい具合の駐車場があったので、オートバイを停める。ここは、高原が山に囲まれたような地形になっていて、その裾野の斜面が牧場になっている。この箱庭のような景観は本当に独特で、似たようなところは北海道にもないと思う。イワテらしい、素晴らしい景色だと思う。
いろいろとアングルを変えて写真を撮っていると、撮りましょうかと声を掛けてくる人がいる。近くに、小さめのバスが停まっていて、洗車をしている人がいるなとは思っていたが、写真を撮るのに夢中で、気にしていなかった。
1枚撮ってもらって、話をすると、なんと、イーハトーブの参加者とのこと。バスの後ろの外に、オートバイを積んでいる。昨日、1日のコースに参加して、これから、1週間、ご家族で、東北を観光するそうだ。バスの中は改造してあって、寝られるようになっているらしい。イーハトーブの大会も、ずっと、参加されていて、どういう人かと思っていると、浜松のバイク屋さんとのこと。毎年、お盆は働いて、イーハトーブがある今週を休みにしているそうだ。
その後、日本のオートバイ市場は大変だとか、トライアルは楽しいよとか、ここは本当にいいところだよねぇとか、いろいろと盛り上がってしまった。特に、最近、国産のオートバイの車種がどんどん減ってますねと言うと、バイク屋さんが言うには、国産メーカーは、もう、国内市場を見限っているらしい。一般的には排ガス規制を理由にして車種を減らしているようだが、国内市場が縮小しているので、お金がかかる開発が必要な車種は切り捨てる方向ではないかとのことだった。事実上、国産のトライアル車も無くなっているという話には驚いた。なので、イーハトーブも外車が多いらしい。
バイク屋さんは、メーカーが、これまで、ユーザーを育ててこなかったつけが回ってきたと言う。スペック競争に注力して、乗っているだけで楽しいような、味のあるオートバイを作ってこなかった。また、ライフスタイルとしてのオートバイというものも育ててこなかった。一度、オートバイに乗っても、車を持つようになるとオートバイを降りてしまう人が多い。イーハトーブも、高齢化が進んでいて、若い人の参加料を下げて、高齢化を阻止しようとしているとのことだ。でも、こういう目に見えない価値を訴えるのが難しいのは、よく分かる。このテーマに、簡単な答えはない。
おっと、結構な時間、喋ってしまった。でも、楽しかったな。バイク屋さんが戻って行かれると、バスの中で待っていた子供達が、待ちくたびれたよぅというようなことを言っているのが聞こえる。ははは、悪いことをしたかな。
バスが出発するのを見届けて、さて、こちらも、出発しよう。次は、奥中山高原だ。
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