BMW R1150GSで行くツーリング

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BMW R1150GSで行く秋の東北キャンプツーリング
【10月15日(日)】
当日のルート(飛の崩キャンプ場〜山形JC)
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うー、なんか、頭痛い。夕べは、ちょっと、飲み過ぎたか。4合瓶を空けちゃったもんなぁ。
テントから顔を出すと、少し曇が多いが、今日は晴れそうだ。トイレに行こうと思い、テントの外に出ると、サイトの端の方に、人がいるのに気がついた。まさか、人がいるとは思わなかったので、びっくりしたが、老夫婦のように見える。サイトの外側に向いて、体操らしきことをしているのだが、なんで、あんな壁際で、しかも、壁を目の前にして体操してるんだ?
トイレから戻って、テントの中で片付けをした後、再び、外に出ると、もう、その2人はいなかった。体操にしては、変な動作だったなぁ。
キャンプ場にいるのは、自分だけ。ここは壁に囲まれている分、逆に、今日は、自分の庭のようで、なんだか、楽しい。どうでもいい写真を、撮りまくる。
テントを干しながら、朝ご飯のサンドイッチを食べていると、今度は、一人のおじいさんが、坂道を登ってきた。どうも、ここは、近所の人の散歩コースになっているようだ。挨拶をすると、どこから来たかと話題を振ってきたのだが、その後、ながながと話し込んでしまった。
この辺りは、戦後の食糧難の時代は、魚がたくさん穫れて、銚子の次に賑わっていたこと、今は、魚が全然穫れなくなってしまったこと、それは、護岸工事等で自然に手を入れ過ぎてしまい、海藻が減り、魚の餌がなくなってしまったからということ、そのせいで、今の漁は回遊魚が中心ということ、この辺りはタラ祭りが有名だが、タラも全然ダメということ、温暖化のせいか、昔と比べて海の水位が上がっていること、この辺りの松は、全部、松くい虫にやられてしまったこと。
この辺りは、TDKの工場があるので、仕事があり、秋田の他の地域と比べると、自殺率も低く、若者の定着率も高いこと、TDKの工場があるのは創業者か誰かが、この辺りの出身だからということ、農業の現状は本当に深刻で、ちゃんと考えないとどうにもならないこと、秋田は農業、漁業、鉱山と自然に依存する商売で成り立っていたが、それがダメになったので大変な状況になっていること、等々。
自分の親戚もそうなのだが、大抵の田舎の人は、こちらが知るわけも無い自分の身内の話を、延々としたりするものだが、この方は違って、話の内容が整然としているし、客観的な感じがする。話を聞いていると、どうも、役場に勤められていたようで、この辺りでは、それなりの人物なのかもしれない。
このキャンプ場のことも聞いてみると、ここは、戦後の食糧難の時代に、丘を削って、じゃがいも畑として開墾した場所らしい。そう言われて、納得。なるほど、そういう形をしている。あと、たまに、自衛隊が来て、何をやっているのか立入禁止にしてしまうこともあるとのこと。で、ここが気に入ったのでまた来る積もりですと言うと、せっかく来ても使えなかったら大変だろうと、電話番号と名前まで教えて頂いてしまった。来る時には、電話をしてくれれば、状況を教えてあげるといことで、ひたすら、恐縮。
1時間くらい話していたように思うが、楽しくて、あっという間に時間が過ぎてしまった。ありがとうございました。
飛の崩キャンプ場の朝
飛の崩キャンプ場の朝

飛の崩キャンプ場の朝
なんだか、遊んでしまう

飛の崩キャンプ場からの朝日を浴びる漁船
朝日を浴びる漁船
飛の崩キャンプ場の朝露に濡れる野花
朝露に濡れる野花
中島台レクリエーションの森のコケ
石の表面を覆っているコケ

中島台レクリエーションの森 燭台
燭台と呼ばれているブナ。造形芸術のような大迫力の形をしている

中島台レクリエーションの森 あがりこ大王
あがりこ大王

中島台レクリエーションの森 あがりこ大王周辺の葉
見上げると、葉が空を埋め尽くしていた

中島台レクリエーションの森の落葉とどんぐり
秋ですなぁ

結局、キャンプ場を出発したのは、9時近かった。6時前には起きたと思うので、長居をしてしまった。目指すは、鳥海山。さっきのおじいさんも、鳥海山は、今は、紅葉が最高と言われていた。
が、その前に、今年のゴールデンウィークにも行った、中島台レクリエーションの森にある「あがりこ大王」を見に行こう。前回は、まだ、葉が出る前だったが、緑に覆われた大王を見てみたい。
鳥海ブルーラインを少しだけ走ってから、道を変え、少しづつ標高を上げて、駐車場に着くと、結構、車が停まっていた。昨日の木川屋さんのご主人が、今年は熊が里に降りてきているので、林道に行くならば気をつけた方がいいと言っていた。先程のおじいさんも、今年は熊が多いので、キノコ穫りは自重していると言っていたので、ちょっと心配だったが、これだけ、人が入っていれば、大丈夫だろう。が、念のため、熊除けの鈴を着ける。管理棟の前の掲示板には、早朝は熊に気をつけるようにという内容が書いてあった。
少し進むと、案内図の看板があるが、今回は、前回とは違う水路沿いの道を歩いてみよう。
少し歩くと、水の音が聞こえてきて、水路に出た。相変わらず、水がきれい。清冽という言葉がよく似合う。周りの木の根元や石の表面を覆っているコケが美しい。ちょっと蛍光しているような、明るいようで深みのある緑色をしている。屋久島の森でも、森の緑に深みを出しているのはコケなんだなと思ったが、そこにも、豊富な水が溢れていた。
水路を離れると山道に入る。こちらの遊歩道は、少し遠回りなので、人がいない。ゆっくり歩く。森の匂いがする。
途中、川を渡るために、長さ3m程の木製の橋を通るのだが、前回と違って、水量がほとんどない。
獅子ヶ鼻湿原とあがりこ大王方面の分岐まで来た。今日は、時間の都合もあるので、大王だけに行くつもりだ。ゴールデンウィークは、残雪が地面を覆っていたので、道らしき道もなかったが、今は、木道が一本道となって森の奥に通じている。半年前のこととは思えないくらい、様子が違う。東北の自然は、遅い春を迎えて、一気に自らを爆発させ、早い冬を前に、一気に散って行くのだろう。
しばらくすると、燭台と呼ばれているブナまで来た。独特な形をしていて、迫力がある。
足下には、どんぐりが、たくさん落ちている。森は、紅葉にはまだまだという感じだが、全体的な色合いは、緑というよりは、黄緑色になっている。
途中、巨大な木が根こそぎ倒れていた。ゴールデンウィークの時には無かったので、それ以降に倒れたのだと思うが、どうしてだろう。今年は、この辺りには台風は来ていないと思うのだが。
前方に、あがりこ大王が見えてきた。今日は誰もいないようだ。この先の坂道を少し登ったところにあるので、見上げる形になる。ここにも、大きな木が倒れている。
約半年ぶりの再会。前回は、まだ、葉は全くなく、乾いて、ささくれだったような感じだったが、今日は、もっと、しっとりとしている。葉は一部が黄色くなっているが、まだ、びっしりと連なっている。生きているんだなぁ。
この木の周りには、木製のイスがあり、そこに座って、ぼんやりと過ごす。他に人がいないので、周りは、とても静か。聞こえるのは、自然の音だけ。時々、ぼとっと何かが落ちる音がしている。どんぐりでも落ちているのだろうか。木漏れ日が、暖かい。ゆっくりとした時間が流れる...
見上げると、空は、びっしりと、葉で埋め尽くされている。木が太陽を求めて空間を奪い合った結果だが、とてもきれいで、自然の摂理に感心してしまう。先程のコケと言い、まさに、「神は細部に宿り給う」だ。
森の目に見える範囲、下端に当たる地面の石のコケから、上端の葉のせめぎ合いまで、全ての領域に綿密な手配りがされている。この細部に渡る緻密さが、「自然」というものを感じる大きな条件なのだと思う。一方、人が作るものと言えば、林立するビルや周囲の植え込みを見れば一目瞭然だが、直線や幾何的な曲線による抽象的な形態のものばかり。エジプトのピラミッドの形が、なぜ、あんなに抽象的なのかは、古代エジプトでは直線の抽象性が永遠を象徴していたからだというのを、どこかで読んだことがある。が、今や、それは逆転していて、多くの人が、抽象性こそから俗的なものを感じてしまうのではないだろうか。例えば、ガウディの建築が受ける理由も、そこにあるのだと思う。自分も、抽象性はどうでもよくて、自然のこの具体性に惹かれてしまう。
なーんて、思っていたら時間が立ってしまったので、駐車場に戻ろう。
帰り道では、結構な数の人とすれ違った。年寄りが多いが、ここは、道が整備されており、高低差もあまりないので、丁度いいのだろう。
帰り際に、管理棟で、倒木の理由を聞こうと思ったが、人がいない。残念。
駐車場で、出発の準備をしていると、キノコ穫りだろうか、上から下まで完全武装の2人が、遊歩道とは全然違う方向の山に入って行く。東北の人が、山菜とキノコに賭ける情熱はすごい。
さて、出発。時間は、10時半過ぎ。1時間程、歩いてたようだ。来る時にも気づいていたのだが、鳥海ブルーラインへの途中に、刈り取った稲を何列にも干している光景があった。見事なので、オートバイを停めて、写真を撮っていると、なんだか、細かい埃のようなものがたくさん飛んでくる。周りを見ると、近くの農家で、脱穀だろうか、米の加工をしていて、その藁くずのようだ。隣では、その藁くずが、ぶすぶすと燃えており、煙っぽい匂いがしている。秋の農家は、急がしそうだ。
鳥海ブルーラインに戻り、ぐいぐい高度を上げて行く。天気は快晴。絶好の行楽日和で、車の数が多い。
途中で何度か写真を撮って、気がついた。この辺りの木は、冬の厳しい気候のせいか、比較的背の低い種類の木が多く、紅葉を間近に見ると、赤や黄色にはなっているのだが、くすんで見える。葉の一枚一枚が鮮やかな赤や黄色になるわけではないようで、これは、標高が上がってもあまり変わらない。なので、ここの紅葉は、遠目に眺める方がきれいに見える。標高の高いところが一番というわけではなく、適当な高度のところから山を見上げる形がいい。
高度を上げて、この道路の最高地点にある鉾立展望台に到着。が、人が多く、駐車場も一杯で、待っている車もいる。焼き芋を売っている軽トラックは、どこかで聞いたことがあるような石焼き芋の歌を流している。で、展望台で何枚か写真を撮った後、すぐに退散。横目に、登山道入口と書かれた看板が見えたが、一度、登ってみたいなぁ。
ここからは、下りになる。眼下に雄大な景色が広がる。今日は、北から南に走っている形になるのだが、紅葉は、こちらの方がきれいなようだ。木の種類だと思うのだが、山の高いところには緑色が残っていて、紅葉の赤・黄色と、緑色の取り合わせがとてもきれい。緑色の部分は、木というよりは、笹のようなものかもしれない。
国道7号線まで降りてくると、時間は、12時頃。昼ご飯が食べたい。で、ちょうど、道の駅に通りかかった。が、今日は、あまり遅くなりたくないので、そのまま走り過ぎる。ここの魚の塩焼きが、うまいんだけどなぁ。まぁ、どこかのコンビニで済ますか。
鳥海山麓の干されている稲
干されている稲。間近で見ると米がたわわに実っている。
このような列が、何列も並んでいた

鳥海山鉾立展望台からの景観
鉾立展望台からの景観。谷の大斜面が紅葉している

鳥海山の紅葉
鳥海山の紅葉。上部には、緑色の部分が残っている
鳥海山の紅葉
ここの紅葉は、少し、離れて見た方がいいようだ
BMW R1150GSと赤く色づいた鳥海山
鳥海山全体が赤く色づいている

清川の芭蕉像
清川の芭蕉像。後ろの建物は清川小学校

最上川
最上川

国道7号線を離れて、国道345号線に入る。帰りは、来た道と同じというのも面白くないので、この道路を南に向かって走り、最上川に出る。そこからは、最上川を遡って、肘折温泉経由で峠を越えて、山形自動車道のインターに出る予定。次に、国道7号線を走るのは来年かなぁ。
345号線に入ってすぐのところで、刈り取られた田んぼの向こうに鳥海山が聳えていた。紅葉で、山全体が、赤みを帯びている。地元の人は、こういう景色で、季節の移り変わりを実感するのだろうか。
この道路は、酒田郊外を走り、車も信号も少なく、距離が伸びる。沿道は、農村と田んぼが続き、庄内平野の豊かさが分かる。なかなか気持ちがいい道だ。
うっ、タヌキが轢かれている。あっ、もう一匹轢かれている。親子か夫婦なのだろうか、かわいそうに。
最上川が右側に見えてきた。しばらく、川と並行して走る。川を渡り、国道47号線に出てからは、東に向かう。少し走ると、道沿いに、芭蕉関連の施設を発見。寄ってみると、小学校の裏に、芭蕉の銅像が立っていた。ここ清川は、芭蕉が最上川を船で下った後に上陸したところで、ここから、羽黒山に向かったとのこと。最上川は、国道を挟んで反対側なので、その存在は全く分からない。ふーんという感じ。
国道に戻って、最上川沿いを上る。途中、川下りの拠点の施設が幾つかあったが、典型的な観光地で、寄る気がしない。国道も、普通の生活道路という感じで、交通量も多く、ただ走るだけだ。
最上川が見えるところにオートバイを停めて、ちょっと、休憩。地図を再確認すると、肘折温泉から先の峠は、ダートが10Kmあることに気がついた。このオートバイで、10Kmはちょっと長いので、ルートを変更し、尾花沢近辺経由で、山形市内へ向かおう。ちょっと、遠回りだけど、仕方がない。
さっきから、近くにカラスがいるなと思っていたが、よく見ると、木の実のようなものをくわえている。すると、飛び上がって、建物の3階くらいの高さから、それを落とした。コンという音がして転がった後は、また、くわえに行っている。割ろうとしているのか、それとも、ただ、遊んでいるだけなのか。カラスは賢いな。
少し走ると道の駅「とざわ」があった。1時過ぎなので、何か食べたい。駐車場に入ろうと右折すると、中国風の建物が見える。なんでこんなところにと思いながら、オートバイを停める。駐車場脇に食堂らしきものがあるが、その前に、近くの野菜の直売所へ。おいしそうな春菊と人参があったので、おみやげに購入。嫁さんが野菜好きなのだ。合わせて、\200なり。
食堂は、簡易的なものだが、その分、早くていいや。中に入ってメニューを眺めると、冷麺等、なぜか、韓国のものが多い。ただ、冷麺にそば粉が入っていたりして、山形風にアレンジがしてある。が、暖かいものが食べたいのと、冷麺以外は知らない韓国料理なので、鳥モツ入りのラーメンを注文。待っていると、わらわらと人が増えてきた。さくっと食べて外に出る。
中国風の建物を見に行くと、高麗館とあるので、どうやら、この道の駅は、韓国がテーマのようだ。 自宅に帰ってからネットで調べてみると、戸沢村と韓国は、農業技術の交流から始まり、その後、国際結婚も増えて、関係が深いのが理由とのこと。そんなに本格的ならば、韓国料理を食べればよかったな。
お腹も一杯になったので、再び、走り始めるが、このまま、国道47号線を走るのも面白くないので、本合海で、道を変える。最上川沿いに尾花沢方面へ向かう。
芭蕉が船に乗ったのは、確か、この辺りではと思っていると、おっ、芭蕉の碑の標識を発見。Uターンして行ってみると、碑の周辺は、車だらけ。どうも、近くのお寺で、お葬式をやっているようだ。
ここにも、先程の清川同様、銅像が立っている。こちらは、2人いるが、芭蕉らしくない方は、同行した曾良だろうか。ここは、最上川の間近だが、水面までは距離があり、景観も、国道の大きな橋が横切っている。ふーんという感じ。
大体、この銅像というものには、どう対したらいいのだろうか。眺めていても何の感慨も湧かない。司馬遼太郎も、この始末の悪さを「街道をゆく 15 北海道の諸道」(朝日新聞社)に書いている。
「ともかくまわりの空間が銅像のためにつくられていない。このため銅像が造形にならず、銅像を建てたひとびとの文学性だけが置きすてられたようなかたちになる。」
ここも、そういう感じ。ふーんと言うしかない。
この先は、時々、最上川と並行する1.5車線の道をひたすら走る。この沿道も、こんなところにという場所に、村がある。庄内平野と同じく、豊かなところだ。
途中、道を間違えて、Uターンしたりしながらも、国道13号線に出た。
後は、山形市内に向かい、3時過ぎに東根インターに入る。
東北道は、東京に近づくに連れ、何カ所か渋滞していたが、それ程長くもなく、8時半頃に、駐車場に到着。
野菜のおみやげは、自宅で食べてみると、特に、春菊が、生のまま食べられるくらいおいしかったです。
本合海の芭蕉像
本合海の芭蕉像。芭蕉はここから最上川を下った
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