BMW R1150GSで行くツーリング

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BMW R1150GSで行く2006北海道キャンプツーリング
【8月19日(土)】
当日のルート
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携帯電話で、天気予報を見る。すっかり、朝の日課になってしまった。すると、道北の天気はいいようだ。今は、曇っているが、晴れてくるらしい。が、道東は、いまいち、よくない。天気がよければ、道東でもと考えていたが、あきらめて、連泊にしよう。ならば、今日は、まづ、2年前のリベンジで徳志別川に向かう。
国道238号線を南下する。路面が濡れているので、夕べは、雨が降ったようだ。少し、霧も出ている。寒いので、冬用ジャケットでちょうどいい。
この辺りに来ると、時々、はたの食堂の看板がある。これを見ると、オホーツクに来たんだなぁと、しみじみ思う。
風力発電の風車を見かける。昨日も同じことを思ったが、前回来たときは無かったような気がするので、かなりの勢いで増えているのだと思う。もちろん、環境のことを考えればメリットもありそうなので、建てるなとは思わない。が、もっと、建設場所にメリハリを付けるべきではないか。そうしないと、そのうち、道北は、風車だらけになりそうだ。
また、風車を観光資源にしようという動きもあるようだが、それは、難しいと思う。今の世の中、何を売っていようが、初めて来るお客さんを増やすのではなく、リピーターをいかに確保するかが商売のポイント。一度、リピーターになってもらえば、顧客獲得コストに比べて維持コストは格段に低いし、口コミで、勝手に、お客さんを増やしてもくれる。そもそも、日本国内に関しては、人口も減っていくし。そういう点から考えると、風車が、リピーターに対する効果的な観光資源になるとは思えない。「また、風車を見に行こう」とは、普通、思わない。自分だって、昨日は、まだ興味を持って見ていたが、今は、「またか」と思い始めている。
それにしても、この増え方は、やっぱり、尋常じゃないなぁ。環境というテーマだけで、このスピード感で、建設が進むものだろうか。東京の企業なのか、地元の企業なのか、政治家なのか、役人なのか、おししい思いをしている人がいるのかしら。
早朝のクッチャロ湖
早朝のクッチャロ湖
濁流となった徳志別川
濁流となった徳志別川
枝幸の街に入った。街中まで来るのは初めてかもしれない。ぐるっと走っていると、駅前旅館と看板がある建物があった。鉄道が走っている頃は、本当に駅前だったのだろう。今もやっているのだろうか。
街を出ると、今度は、内陸に向かう。歌登までの道路は、所々、改良工事をしているが、車通りを考えると、本当に必要なのか疑問に思ってくる。税金を使うのはいいが、もっと効果的な使い方があるのではないか。
さて、歌登の街を経由して、徳志別川に到着。が、泥水が流れている...。上流で大雨が降ったのか、水量も多く、足場もない。とてもじゃないが、釣りなんて無理。しゅん...
歌登方面に引き返すと、すぐ、橋から、少し幅が広がった川が見えた。幾らか、濁りも薄れて見える。足下も、コンクリートだ。準備をして、ちょっとした薮漕ぎがあるので、カッパを着てから、岸に近づく。
川岸に出ると、こ、怖い。間近で見ると、かなり、水量がある。川面を見ていると吸い込まれそう。何投かしたが、濁りもあり、全く、釣れる気がしない。おまけに、なんだか、ハチも寄ってきた。敢えなく、退散。しゅん...
歌登の街に入った辺りで、川を発見。もう、橋ばっかり探している。この川は、それ程、濁っていない。川岸に出るのも簡単そう。というわけで、またまた、チャレンジ。が、全然、反応なし。対岸では、ちゃりんこに乗ったじいさんが、こちらを見ている。そこは釣れんとでも思っているのかなぁ。しゅん...
釣りのガイド本を見ると、歌登から下流に当たるところで、幌別川に出れる場所があるらしい。我ながら、しつこい。
そこと思しき橋に来た。たもとに、細い砂利道がついているので、入ってみる。少し走ると、段々、道が細くなってきた。Uターンができなくなると困るので、少し歩いて、様子を見る。が、道はどんどん悪くなっていくので、退散。反対側のたもとにも、砂利道があったので、今度は、そちらに。執念じゃ。
こちらの砂利道は、道幅はあるのだが、水たまりの連続。道一杯に広がっていて、水たまりの中に入るしかないところもある。水たまりの底は、粘土質になっていて、グリップしないこともあるので、注意して進む。が、数百メートルも続くので、だんだん、横着になってきた。と、思ったら、リヤがずりっ。あー、これ、こけるわ。昔、250ccのオフロードバイクに乗っていた時に、同じようなこけ方をしたのが思い出される。
ガッシャん。やっちゃった...
が、意外に冷静な自分がいた。横倒しになっても回っているエンジンを止めて、パニアケースを外す。いい加減、慣れたというのもあるし、万が一、起こせなくても、車通りのある道路が近いので、なんとかなる。記念に、写真でもとも思ったが、さすがに、バカらしいので止めた。
自分のこれまでの経験からすると、起こす時は、シートの下辺りに両膝を入れて、自分の屈伸の力を利用するのがいい。
うぐぐぐぐぐ、渾身の力を込めると、なんとか、起こせた。エンジンも、無事、かかった。が、脱出するのが、また、大変。潜ってはいかないが、タイヤが、左右にずりずり滑る。また、倒しそうになりながらも、なんとか、脱出。はー。気を取り直して、Uターン。もう、これ以上、先には行きたくなくなった。
オートバイを確認すると、ウィンカーが割れてバルブが切れた程度で済んだようだ。テープで仮止めしておく。自分も、特に、怪我はない。よかった。
もう一度、倒した所を走るのは緊張したが、無事、道路に戻った。
もう、釣りはいいです。しゅん...
国道238号線に戻って、少し、南下したところの道の駅「マリーンアイランド岡島」で休憩。
オートバイを見ると、倒した側が泥だらけ。まぁ、でも、精悍でいいじゃん。めったに、ダートは走らないからね、ハハハ。
道の駅の本館の隣に、小さな建物があって、カニを売っているようだ。カニ汁が\500と書かれた貼り紙がある。今回は、まだ、カニを食べていないので、中に入って注文をすると、おじさんが、後ろにある大鍋のフタを開けて、カニ汁を掻き回している。鍋の中は、カニの半身がごろごろ。しかも、毛ガニじゃん。盛ってくれるのを見ていると、えっ、2個も入れてくれたよ。すげー。思わず、\500でいいんですかと聞いてしまった。あと、ハサミと殻入れも渡してくれた。
さて、外のテーブルで、カニと格闘開始。汁は、カニのダシが出まくっていて、濃厚そのもの。うまーい。身の方は、ハサミで、バリバリと解体して、しゃぶりついた。
食べ終わる頃は、結構、おなか一杯になってきた。まだ、10時過ぎだけど、今日の昼ご飯は要らないかな。大満足でした。
さて、これから、どうしようか。地図で東の方面を眺めていると、鴻之舞の文字が目に入った。ここには、鉱山の跡がある筈だ。以前から名前は知っていたが、行ったことはない。場所も、紋別から遠くないので、距離的にもちょうどいい。
道の駅「マリーンアイランド岡島」のカニ汁
ホホホ
現地にある鴻之舞を説明する看板
当時の鴻之舞には、こんな立派な建物もあったらしい
(現地にある鴻之舞を説明する看板より)

鴻之舞の煙突
霧の中に浮かぶ鴻之舞の煙突

ひたすら、海岸線沿いを南下して、はたの食堂の前を通過して、紋別の街中に入った。曇ってはいるが、雨は降っていない。はたの食堂は、一度も利用したことはないのだが、ライダーとしては、いつまでも続けてほしいと思う。
紋別はカニで有名なので、港近くの店で、家族にカニを送っておく。毛ガニが冷凍物しかなかったので、タラバを適当に見繕った。
街を出てからは、道を間違えたりしながら、道道305号線に入る。あとは、道なりだ。
沿道からは、だんだん、人跡が消えてきた。標高が上がるわけではないのだが、山の中に入っていく。霧が出てきた。路面が、所々、濡れている。なんだか、心細くなってきた。
先程から、対向車は全くない。さらに、霧も濃くなってきた。気味の悪い雰囲気。いやだなー、なんか、怖いなぁ。と、思っていたら、鉱山関係と思われる工場があって、人がいた。そう、ただ、人がいるだけなのだが、ほっとする。
前方に、道路を跨ぐ形で、コンクリートの橋が見えてきた。昔の鉄道の名残らしい。沿道には、○○町と書いた立て札が幾つも見える。昔、そこに、その町名の町があったことを示しているようだ。そのまま走り続けると、慰霊碑があり、その先で、2階建てくらいの団地だったと思しき廃墟が現れた。深い霧が流れている。頭上は木々に覆われて辺りは暗い。自分以外には、人の気配は全くない。もう、廃墟の雰囲気あり過ぎ。怖いっす。写真を撮ろうと思ったが、そのまま走り過ぎる。
反対車線側に、鴻之舞の説明らしき看板が見えた。この先は三叉路になっている。鴻之舞の一帯はここまでのようだ。結局、廃墟らしき建物はさっきの団地だけだった。整備でもしたのだろうか。
Uターンをして、看板を見ると、ここは、かなり大きな鉱山だったことが分かる。当時の全景の写真があるが、学校や商店街、お寺、野球場まである。○○町と書かれた立て札も、沿道の広い範囲にあったので、それからも、当時の鴻之舞の大きさが想像された。
さて、戻るとするか。看板から目を離して、前方を見ると、げげっ、何だあれは。煙突が立っている。向こうから来るときは、全く、気がつかなかった...
霧が薄くなって、見えてきたのか。霧の中に浮かぶ黒ずんだ灰色の煙突は不気味そのもの。ロード・オブ・ザ・リングに出てくるサウロンの塔のよう。
ここには、ノスタルジックな雰囲気を求めてきたが、それには、天候を選んだ方がいいようだ。
自宅に帰ってからネットで調べてみると、鴻之舞・今昔写真集というページがあった。 このページによると、鴻之舞鉱山では金銀が採掘され、最盛期の人口は13,000人、73年の閉山とある。自分が生まれる前の話だと思っていたので、閉山が、割と最近なのには驚いた。なお、このページには、当時、実際に鴻之舞で暮らしていた人の思い出話もあって、当時の生活が分かり、興味深い。
来た道を逆に戻る。鴻之舞を出た辺りに、キタキツネがいたが、そういえば、今回、初めてだな。
同じ道ではつまらないので、途中で、左折をして道を変える。これで、紋別と旭川を繋ぐ国道273号線に出る筈だ。
しばらく走ると、素晴らしい直線道路に出会った。見える限り、真っ直ぐに道路が延びている。車が走ると、辛うじて、先の方が左に曲がっているのが分かる。それ程長くはないのだが、下ってから、少し上がる上下の具合がいい。車は、ほとんど、走っていない。移動のことしか考えていない道路だったので、うれしいなぁ。
スウェーデンには、直訳すると、「野苺のある場所」(smultronstalle(ちょっと不正確))という言葉がある。これは、誰にも教えたくない自分だけの大切な場所、というような内容を意味しているとのこと。こういう言葉があるスウェーデンという国は、大人の国なんだと思う。おっさんが野苺というのも気色悪いが、自分も、これからも、このような場所を見つけていきたいと思う。
最近は、北海道に慣れてしまったこともあり、走ったことのある道ばかりを選んでいる気がする。事前の調査も、あまりやらなくなった。もっとも、下調べは程々にしないと、「自分だけの」が難しくなるが、それでも、北海道に初めて来た時のように、もっと、謙虚にならねば。
国道238号線に戻ってからは、北上になる。途中、雄武の道の駅で休憩。もう、3時近い。お腹が空いたので、そばコロッケなるものを食べながら、中をぶらぶらしていると、鉱山の新聞記事が貼ってあった。ここ雄武の近くにも、以前、北隆鉱山という金山があったが、今では、地元でも知らない人が増えた。そのような歴史があったことを記憶に留めるために、碑か何かを建てたという内容だった。
オホーツク海沿岸には、金が採取できるところが多い。鴻之舞もそうだし、クッチャロ湖から内陸に向かったところにも、ウソタンナイ砂金採掘公園という施設がある。司馬遼太郎の「街道をゆく 38 オホーツク街道」(朝日新聞社)によると、オホーツク海沿岸部では、明治30年代頃にゴールド・ラッシュがあり、アメリカやカナダからも山師が来たという。ウソタンナイに関しては、20,000人以上の人々が山に入り込んだという話もあるらしい。ちなみに、浜頓別町の現在の人口は、5,000人弱だ。
この道の駅には、すぐ近くにAコープがあり、以前、日の出岬キャンプ場に泊った時に利用した。久しぶりに、中を覗いてみると、当時と変わらず、魚介売り場が充実している。あの時は、確か、クロガシラを刺身にしてもらった。捌いてくれたおじさんが、その日の朝に穫れたのでまだ硬いよと言っていたが、その通りでコリコリだった。刺身は、新鮮な程おいしいというわけでもないことを初めて知った。
精肉コーナーでは、雄武産の牛肉を売っていた。まだ、買出しには早いが、珍しいので、買っていくことにする。
道道553号線の直線
真っ直ぐに道路が延びている
クッチャロ湖畔キャンプ場で夕陽に染まるサッポロクラシック
全てが夕陽に染まる

BMW R1150GSとクッチャロ湖畔キャンプ場からの夕陽
雄大なグラデーション
(クリックすると大きな画像が開きます)

浜頓別に戻ったのは、5時頃。こちらは、天気がいい。快晴だ。
昨日のAコープで、買出しを済ませる。その後、ある店を探して、大通りの裏をウロウロ。というのは、枝幸のセイコマートで休憩をしていた時に、地元のおじさんに声をかけられた。今日が最後で、明日、帰るというと、浜頓別の「ふくりゅう」という店が、地元の魚介を使っていてうまいので、最後の記念に寄っていったら、と教えてくれたのだ。もう、買出しをしてしまったので、残念ながら、そういうわけにもいかないのだが、後々の参考のために探しておきたい。で、銀行の裏で見つけました。「福龍」という文字が当てられていた。次回来た時には、寄れるかな。
キャンプ場に戻り、温泉から帰ってくると、6時過ぎ。夕陽に、ちょうどいい時間になった。ただ、今日は、実は、もう1カ所行きたい所があった。
今年の6月に北欧に行ったのだが、往きが午前中の便で、天気もよく、シベリアの広大な原野を見ることができた。蛇行する川と茶色の大地、まばらな緑、残雪、地表に写る雲の影と、北方のロマンチックな風景から目が離せなかった。
それで、この辺りのモケウニやカムイト等の沼の周辺には、似たような景色があるかもしれないと考えていた。が、今回は、夕陽を優先。次回の宿題としよう。
今日は、昨日のように雲が出ていない。管理人の言う通り、それ程ではないのかなと思いながら、ビールをのむ。自分の頭の上に、蚊柱が立っている。蚊取り線香を焚いているせいか、降りてこないので、刺されることはないが、見ているだけで痒くなる。
夕陽は、太陽が沈むまでは、昨日と似ている。黄金色が美しく、力強い。が、第2幕が違った。昨日とは、また、別の景観を見せてくれた。
太陽が沈むと、空の高いところから、青い帳が降りてくる。その色は、天空が、濃い、黒のような青色。地上に近づくに従って、徐々に、明るくなり、そして、残照の黄金色に消えていく。大自然の雄大なグラデーション。雲が出ていなくても、十分、素晴らしいじゃないですか。感動的な景観。もう、ただ、ただ、見るしかない。意思などというのもは、何処かに行ってしまった...
山の端が暗くなると、あとは、ゆっくり、酒をのむ。そのうち、星が出てくるだろう。今日は、昨日の國稀の特別純米がなかったので、鬼ころしを選んだ。
そういえば、今日も、管理人のアナウンスがあった。雲が出ていないのが少し残念と言っていが、聞いた人は言っていることが分からなかっただろうな。普通、夕陽は、雲がない方がいいと思うはずだもん。あと、今日は8月19日のバイクの日、ライダーの皆さん、安全運転をお願いしますというようなことも言っていた。他意の無い、管理人の真面目さが、伝わってくるような気がした。昨日は、正直、うるさいなぁとも感じたが、今は、味があっていいと思う。周りも、週末なので、人が多いのかと警戒していたが、それ程でもない。いいキャンプ場だ。静かな時間が流れて行く...
備え付けの木製のテーブルに付いているイスの上に寝転がり、星を眺める。天の川もくっきり見える。流れ星も、時々、流れて行く。事前の天気予報のことを考えると、まさか、こんな星空が見られるとは思わなかった。ありがとうという言葉が、自然に、頭に浮かぶ...
あっ、星座が飛んで行く!!
えっ?
そんな、まさか。夢でも見ていたのか。それとも、飲み過ぎて、頭がおかしくなったか。
一度、起きて、頭を冷やしてから、もう一度、星空をじっと眺める。すると、あっ、また、星座が飛んで行った!!
それは、鳥だった。キャンプ場の明かりなのか、稚内の明かりなのか、ちょうど、鳥の輪郭に沿って、点々と、光が反射して、星座のように見えたのだ。ぼんやり見ていると、まるで、星座が、天蓋から抜け出して、そのまま、飛び出して行くよう。こんな、おとぎ話のようなことがあるんだ。

吸い込まれるような星空、流れ星、天翔る星座...
心地いい酔いの中で、自分が、夢と現実のあわいに溶けていく...

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