BMW R1150GSで行くツーリング

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BMW R1150GSで行くGWの東北キャンプツーリング
【4月30日(土)】
東北はまだ、桜が咲いていた。栃木県の辺りだが、東北道から見える景色の中に、葉の新鮮な緑色が混ざったピンク色の花が見える。まだ、春が来て間もない感じだ。
今年のゴールデンウィークはつながりがよくて、2日休めば10連休になる。自分は1日休んで、2泊3日でツーリングに行く予定だったが、結局、休みが取れず、1泊2日の日程になってしまった。最初は、紀伊半島にでも行こうかと考えていたが、4年前の同じ時期に行ったときの大混雑が思い出されるので、パス。山はまだ寒いだろうから、海岸がいい。で、行ければ男鹿半島まで、遠くて無理であれば鳥海山近辺と考えて東北道を走っている。
東京を出発した時は、暑くてうっすら汗をかく程だったが、走っているとかなり寒い。早朝の4時に出発したので、まだ朝も早い時間なのだが、所々にある気温の表示板は10度前半を示していた。もう少し厚着をして来ればよかったな。
潮岬
4年前のGWの潮岬キャンプ場。キャンプ場だけでなく、道路も温泉も大混雑だった
月山
月山はまだ冬景色

雪
月山周辺の残雪。ちなみに、画像の左上に点のようにあるのはツバメで、たくさんのツバメが辺りを飛び回っていた

そろそろ、山形方面との分岐が近くなってきた。このまま東北道を進み男鹿半島を目指すか、山形方面に分かれ鳥海山を目指すか決めなければ。時間は、まだ、8時半頃なので男鹿半島まで行けそうだが、今年初のツーリングということもあるので、あまりの長距離は避けようと思い、ジャンクションを山形方面に曲がる。
東北道は寒くはあったが、沿道には新緑も見え、春の気配があった。が、山形道に入ると風景が一変し、冬に戻った感じ。気温も少し低くなったような気がする。
山形市内を越え、寒河江のサービスエリアで休憩。オートバイを降りると、暖かい。鳥のさえずりも聞こえて、のどかな春という感じ。山形道に入った時に寒かったのは、峠越えのせいだったのかな。
ここまで、東京から400Km程の距離。休みながら来たとはいえ、さすがに疲れたので、フランクフルト片手に地図を見ながらダラダラ過ごす。酒田までは、あと100Kmくらい。鳥海山近辺には2時間くらいで行けそうだ。
サービスエリアを出ると、月山周辺の山塊を超えるために高度が上がる。周りは雪がたくさん残っていて、景色は再び冬に戻っていく。とはいっても、雪の白色、地面の土色、新緑の薄い緑が混ざっている奇妙な配色。きれいなのか、きたないのかよく分からない色合いだが、こんな景色は初めて。
山形道は、酒田までは貫通していないので、月山インターチェンジで一度降りて、酒田寄りの山形道までは、国道112号線を走ることになる。近辺には月山や湯殿山があって、行ってみたい所がたくさんあるが、今の季節はさすがに行けそうもない。いつかの夏のお楽しみということにしよう。
峠を越えて、再び山形道に入る。ここから先は庄内平野を横切ることになる。平野に降りてくると、再び、春。結局、翌日も含めて、春と冬、そして夏(!)を行ったり来たりするのだが、今の季節の東北はこんなものなんだろうね。
春霞か黄砂のせいか、空はすっきりしないが、まぁ、晴れている。遠くに鳥海山の山頂がかすかに見えてきた。ぼんやりとしか見えないけれど、それでも、雪を抱いた高山というのは凛々しくて、とてもいい。
山形道を降りたのは、11時前。ここから男鹿半島までは3時間くらいだから、このまま、行ってしまってもいいかなとも思ったが、そうすると、走っているだけで一日が終わってしまうので、ぐっと我慢。まずは、近辺でテントを張ることにしよう。
最初に行ったのが、西浜キャンプ場。林間のサイトできれいに整備されているようだ。が、せっかく、海が近いのに、サイトから海は見えそうもない。近くの三崎公園にもキャンプ場があるので、そちらと比べてから決めよう。
10分程で三崎公園キャンプ場に到着。最初に停めた駐車場近辺では、キャンプ場は見つからなかった。以前は、キャンプ場と書いた標識もあったような気がするが、それもない。閉鎖されたのかとも思ったが、他にも駐車場があるようなので、そちらへ移動。と、そこに発見。三崎公園は意外と大きかったのだ。
サイトの方はこじんまりとしていたが、景色は、断然こちらの方がいい。海が目の前で、開放感がある。早速テントを張った。家族連れらしきテントがひとつ張ってあるだけなので、狭いとはいえ、張る場所は選びたい放題だ。
さて、テントを張り終えたのが、まだ、昼前。まづは、昼ご飯でも食べるか。ツーリングマップルに出ている仁賀保駅近くの「キッチンさかなやさん」に向かうことにする。仁賀保へは国道7号線を北に向かうことになるが、この方向だと、右側には鳥海山がどーんと構えている。あー、来てよかったよ。
三崎公園キャンプ場
三崎公園キャンプ場。海が目の前だ
キッチンさかなやさん
「キッチンさかなやさん」。酒蔵の飛良泉の近く

キッチンさかなやさんの焼魚定食
ハタハタとエゾガレイの焼魚定食。うまいっ!

途中、象潟の道の駅「ねむの丘」で休憩。駐車場は車で一杯だ。お店を眺めていると海の幸がたくさん売っている。おっ、岩ガキもあるじゃないか。岩ガキは夏のものだと思っていたけど、ラッキー。今晩は、これで、一杯やろう、へへ。
その後、店を探して仁賀保駅近辺をうろうろしていると、黒塗りの大きな建物があり、なんだろうと思っていると、酒蔵の飛良泉だった。へー、飛良泉ってこんなところにあるんだ。見学はできないような感じだけど、なんだか、得した気分。で、肝心の店は、飛良泉のすぐ近くにあった。
店の前に来て、中を覗くと人で一杯。こんな分かりにくいところに、こんなに人がいるんだと、自分のことは棚に上げてちょっとびっくり。まぁ、いずれにしろ、待つ気はないので、どこかに行ってからまた来よう。
空いた時間で、今晩の日本酒を調達しようと思い、本荘へ向かう。鳥海山近辺には、いい酒蔵が多い。中でも自分の好きな銘柄である天寿で、地元でしか手に入らないものを見つけたい。
本荘の街中をうろうろしていると、羽後本荘駅近くで、日本酒が充実してそうな店を発見。事前にはなにも調べてこなかったのだが、よくも見つけるものだと我ながら関心しながら、店の中へ入ると、なかなかの品揃え。
店の女主人の方からいろいろ話を聞きながら、結局、天寿のしぼりたてにごり大吟醸と2,3日前に瓶詰めしたばかりという雪室氷点熟成の純米生酒を入手。他の蔵では、天寿と同じ矢島町にある出羽の富士がお勧めとのことだったが、もう、積めないので断念。出羽の富士は、蔵の方針として多くは造らないため、東京では手に入らないのではとのことだったが、また次回の機会にでも飲むことにしよう。あと、最近は焼酎ブームなので、焼酎の種類を増やして日本酒の品揃えを減らしていると残念そうに言っていた。まぁ、焼酎は、一過性のものだと思うけど。「佐藤酒舗」というお店でした。
さて、「キッチンさかなやさん」に戻ると、2時頃で、さすがに人は減っていた。お店に入ると、魚が並んでいる。そこで、自分の食べたい魚を選んでから調理をしてもらうという段取だ。どれを選んでいいかよく分からないので、お勧めを教えてもらうと、ハタハタとエゾガレイとのことなので、それを焼魚にしてもらう。お店の人いわく、風が強くて漁に出れない日が続いているので、種類が少なくいとのことだったが、そうとは思えない。他には、鯛、メバル、イカ、鮭あたりがあったような気がするが、たくさんあったのでよく憶えてないなぁ。他の調理方法では、煮物と刺身がありました。
しばらく待っていると来ましたよ、焼かれた魚どもが。で、早速、カレイの方から手をつける。身をほぐしてパクリ。ほくほくしてて、うまーい。脂もたっぷりのっているし、脂自体がとてもおいしいような気がする。こんなに旨いカレイを食べたのは初めて。で、次は、ハタハタ。焼いたハタハタは、秋田市内で何度か食べたことあるけど、これは、段違いの旨さ!脂ののりかたが違うし、塩加減も含めて焼き方が絶妙。骨が軟らかいので、頭以外全部食ってしまった。内蔵もわざと一部分を残しているのか、とろりとしていて、本当にうまいっ!。焼魚って、こんなにおいしいものだったのかと、感激いたしました。
ちなみに、これで、\1,500円。納得の値段です。
店を出ると、もう、3時近い。鳥海ブルーラインを走ることが、今回、鳥海山に来た理由のひとつなのだが、そこは、明日の朝走ろう。以前、雪の壁の間を走るオートバイの写真をどこかで見たことがあり、それが、鳥海ブルーラインだったのだ。
その代わり、何度か前を通りながらも寄ったことがない蚶満寺に行くことにする。ここは、言うまでもなく、松尾芭蕉が寄ったお寺だ。
象潟近辺で景色を見ていると、所々、松の木が生えている島のような小丘がある。これは、元々は本物の島で、 1804年の地震により土地が隆起し、現在のような景観になった。芭蕉が蚶満寺に来たのが1689年だから、芭蕉が見た景色と現在の景色は全く違うことになる。当時は、奥の細道で比較されているように、松島のような、小島が点在する景観だったはずだ。奥の細道の中に、「鳥海、天をささえ、其陰うつりて江に有。」とあるが、鳥海山が入り江に写っている姿はさぞかし雄大なものだったろう。残念な気もするが、一方で、地質学的スケールは何十万年とか何百万年という単位で計られるのが普通なので、僅か200年前に、このような隆起が起きたことも凄いことだと思う。
さて、蚶満寺だが、\300を払って中に入ってみた。と、なんだか、猫がやたらと多い。それも、みんな、丸々と太っている。寺で飼っているのだろうか。
寺の庭には史跡がたくさんある。が、拝観料を払った時にもらったパンフレットには説明がほとんどないので、なんの史跡なのか分からないものが多い。というか、怪しい感じがするものもあるぞ。
帰宅後に、司馬遼太郎の「街道をゆく 29 秋田県散歩、飛騨紀行」(朝日新聞社)を久しぶりに読み返してみると、この文章が書かれた当時の住職が司馬遼太郎の戦友とあった。すっかり内容を忘れていたのだが、司馬遼太郎も、やはり、怪しい史跡があることに気がついていた。が、住職が友人という関係上、どう書いたものかと困っているような雰囲気も感じられておかしい。他にも、今の象潟の景観を守った過去の住職の話などもあって、象潟を訪れる際には、事前に読んでおくといいと思う。
総じて、由緒ある割には、素朴でおおらかな感じの寺だった。そういえば、抹香くささも感じられなかったので、寺というよりは庭という感じかな。まぁ、気候がいいこともあって、散歩には絶好の場所でした。
さて、買い出しして温泉にでも入って、キャンプ場に戻ろうか。
蚶満寺にある船つなぎの石
蚶満寺の船つなぎの石。以前はここは島だった

蚶満寺にある西行法師の歌桜
西行法師の歌桜。西行が詠んだ桜とはどういう関係があるのだろう

象潟の道の駅で買った岩ガキ
道の駅で買った岩ガキ。レモンは忘れたけど、うまかった!

三崎公園キャンプ場の夜
夜は静かに更けていきます

象潟の市街でスーパーを探すが、なかなか見つからない。結構大きな街なので、ないはずはないが、国道沿いには見つからないので、裏道に入ってうろうろする。20分程さまよって、ようやく、マックスバリュを見つけた。ジャスコ系のスーパーで、東北にはよくあるチェーン店だ。
地方のスーパーの品揃えを眺めるのが好きなのだが、ここは、魚介類はイマイチで買う気がしない。地物はほとんどないようだ。昼ご飯が遅く食欲がないこともあったので、ほとんど総菜で済ませた。あとは、岩ガキを買えばいいや。
再び、道の駅に戻って、風呂に入る。ここは、温泉が4階にあるので、日本海の眺めがいい。エレベーターを降りると、受付は、ゴールデンウィークで、人がごった返している。そこをなんとかクリアして中に入ると、なぜか、それ程混んでいなかった。が、あると思っていた露天風呂がない。同じ秋田県の八森の道の駅と間違えていたようだ。こちらも道の駅の建物の上の階に温泉があるので勘違いしていたようだ。それでも、やっぱり、温泉は気持ちがいいなぁ。ふー
温泉から出た後は、予定通り、岩ガキを買う。炊事場で剥くのは面倒なので、上の貝柱だけ切ってもらった。途中のコンビニでレモンを買おうと立ち寄ったがない。まぁ、スーパーに行くのも面倒なのでもういいか。
三崎公園キャンプ場に戻ると、テントの数は増えていたが、ライダーのものではなかった。荷物満載のオートバイを結構見かけたので、いるかなと思っていたが、キャンプ場がマイナーなせいか。
早速ビールを開けて、乾杯。はー、幸せ、幸せ。空は、晴れているのか曇っているのか分からないような色合いだが、そんなに寒くもなく、心地いい。この季節は、日も長くなってきているので、気分がいい。日本で一番いい季節だ。
入り江を挟んだ対岸に羽越本線があって、電車が走って行くのが時折見える。
海や電車を眺めながらビールを飲んでいると、オートバイの音がした。やっぱり、ライダーが来たんだなと思っていると、あれよあれよという間に、5台程集まってきた。ひとつのグループではないようだけど、一挙に増えたぞ。
隣でソロ・ライダーがテントを張るのを横目に、ビールから日本酒へ移る。岩ガキも洗いに行く。炊事場で、カラを外して身を洗っていると、隣のおじさんが「豪華ですね〜」と話かけてきた。魚をさばいているので聞いてみると、同じ道の駅で買ってきたらしい。沖メバルと言って、今が旬で、煮付けで食べるとのこと。そっちもおいしそうだなー。
テント横の備え付けの椅子に戻って、それでは、いただきまーす。岩ガキをつるりと飲み込む。身がぷっくりしていて、とてもクリーミー。うまい。でも、少し、なまぐさみが強いな。やっぱり、レモンを買ってきた方がよかったかなと思いながら、2個目は、少し日本酒をたらしてから、つるり。そうすると、少しマイルドになって、さらにうまいっ!多少は潮の香りがする方が好きなので、これくらいが丁度いい。それにしても、あっという間に食ってしまったよ。
隣のライダーもご飯を食べているみたいだけど、なんだか、話すのがおっくうになってしまったので、一人で、飲み続けることにする。
しばらくすると、辺りはすっかり暗くなった。
線路の鳴る音が聞こえ、電車が走って行くのが見える。
並行している国道を、車のヘッドライトが流れて行く。
波の音が絶え間なく聞こえる。
時間がゆっくり流れていく。
あー、旅に来たんだなぁ。
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