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苦節十年記/旅籠の思い出
(つげ義春、ちくま文庫)


苦節十年記/旅籠の思い出ちくま文庫で、つげ義春コレクションが出ているのは気がついていたけど、ほとんど、読んだことがあるものばかりで、買おうとは思わなかった。が、「苦節十年記/旅籠の思い出 」には、知らない文章が入っているようなので購入。読んだことがある文章も含めて、ひと通り、目を通してみた。

つげ義春は、「ねじ式」や「ゲンセンカン主人」のような有名どころもいいけど、紀行文や旅のスケッチもいい。
山奥の秘湯や寂れてしまった街道筋の温泉、昔ながらの商人宿、失われてしまった懐かしい農村の風景。そんなシーンが、夢の世界のように時空を捩じれさせ、鬱陶しい自分の今や過去を解体し、自分が「ここではないどこか」にいるような感覚を持たせる。そして、それがもたらす刹那の解放感とカタルシス
自分が、つげ義春の旅関係ものに魅かれる理由は、そんなところだろうか。そういう点では、キャンプ・ツーリングが好きという類いの人には、共感できるところがあると思う。

まぁ、所詮は全集の文庫化なので、特に新しいものはないが、本書の前半には、そんな旅関係の文章とイラストが入っているので、まだ触れたことがないという人にはいいかも。

新規作成(09/4/26)

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