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火を熾す
(ジャック・ロンドン、スイッチ・パブリッシング)


火を熾す火を熾す」は、本屋で最初に見掛けてからずっと気になっていた本。焚火を思わせるタイトルがいいし、装丁もタイトルに合っている。雑誌「Coyote」に連載されていた文章というのも気になる。そして、アウトライダーにも紹介されていた。というわけで、最近、個人的に、英米系の文学が盛り上がっているのもあり、買ってみた。

自分は、著者のジャック・ロンドンの文章はこれが初めて。というか、本書で初めて名前を知ったのだった。
内容は短編集だけど、全ての作品を通して一貫しているのは「生」ということだろう。姥捨てのように置き去りにされる移動民の老人、生活のために闘う老ボクサー、絶望的な状況の中で極北を彷徨う男等、世界にとってみれば一人の人間の生き死になど誤差でしかないという冷徹な視線の中で、無目的的で衝動的な生に突き動かされる人間の生き様が綴られている。とりわけ、自然との対比で描かれる作品では、その点がさらに際立つ。「邂逅の森」を、ちょっと思い出したりしながら読んだのだった。

焚火を前にして、シングル・モルトをちびちびやりながら読みたくなるような逸品。あなたのキャンプ・ツーリングのお供に。

新規作成(09/11/1)

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