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大乗仏典入門
(勝又俊教・古田紹欽 編、大蔵出版)


大乗仏典入門大乗仏典入門」は、タイトルの通り、大乗仏教の主要教典の概説書。
般若経、維摩経、法華経、華厳経、大無量寿経、涅槃経、梵網経、大日経の八つの教典の概要が書かれている。個別の教典の解説書はそれなりにあるのだが、ある程度の数をまとめた解説書は意外と少ないようで、本書を手に取った。

内容は、カルチャーセンターの講座を元にまとめられたものなので、語り口は非常に平易。が、基本的な仏教用語で、解説なしに使われているものがある。また、各教典毎に重複した記述もあって、全体的にまとまりがない感じもしないではない。
が、これだけの種類の教典が、易しく、かつ、まとめて解説されているのは、手頃でいい。仏教入門系の本を何冊か読んだ自分のようなレベルの人にはちょうどいいと思う。

それにしても、思ったのは、大乗教典の個性の豊かさ。例えば、維摩経の維摩居士と文殊菩薩の問答は、プロレスのスーパースター同士の一戦のようでワクワクするし、やっぱり、法華経には貫禄がある。大無量寿経の他力は独特のものだし、大日経は現代人にも示唆が大きい。

あと、個別のお経とは関係ないのだが、幾つかの仏教用語の解説が興味深い。
例えば、「般若」に相当するサンスクリット語のプラジニャーは、ジニャーが知るということ。それに、あまねくを意味するプラという接頭辞がついたもので、全体にわたって知るという意味。一方、ジニャーに、接頭辞ヴィを付けたヴィジニャーナという言葉は、英語のdevideに相当する、いわゆる知識をいう。ヴィが二つに分けることを表していて、ヴィジニャーナは主観と客観が分かれた上での知識であり、プラジニャーは主客の区別が無い智慧のこと。とても東洋的。(P.13)
もうひとつは、真実を表すサンスクリット語のサティヤ(どこかで聞いたことあるぞ)という言葉で、本来は、自らを表すものという意味。西洋の人間中心的な、真理とは暴かれるべきものという考え方とは正反対。こちらも、いかにも東洋的。(P.154)

ということで、仏教に興味を持って、そろそろ、お経について知りたいなという人にはいいと思う。

新規作成(08/3/19)

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