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波のむこうのかくれ島/風のかなたのひみつ島
(椎名誠、新潮文庫)


風のかなたのひみつ島波のむこうのかくれ島波のむこうのかくれ島」と「風のかなたのひみつ島」は、ベトナムのリゾート地のニャチャンで、昼から酒をのみながら、プールサイドでのんびり読んだ。

どちらも、日本の島旅の紀行文集。両者は、北海道の天売島から沖縄の島々まで、訪れている島が違うだけで上下巻のような関係になっている。島が南に偏っているのが残念だが、元々、島の数が違うのだからしょうがない。

島はいい。椎名誠も前書きで、「寂しくなっていく島は逆に見れば人情や慈しみあふれる日本本来の風景や感情のたゆとう世界に戻りつつあるようにもみえる。」と書いている。
そう、そうなんだよね。島に行くと、なんというか、時間がゆっくり流れているようで、ほっとするというか、とにかく、ゆったりした気分になれる。
例えば、網地島の章では、この島への移住者が「猫か犬のように静かに自由にしていますよ」と言っている。

本書でも、一部の島を除いて、基本的には、特に明確な目的も持たず、島をぶらぶらして、ビール飲んで、カレーライス食って、野球やって、学校を訪ねてという、のんびりムードの旅をしている。で、そんな島旅が、「なんだなんだなんだ」と、椎名節炸裂で書かれていて、旅を楽しく疑似体験できます。

ただ、島の住人には逆の心配があって、加唐島の章では、次のような学校の先生のコメントが引用されている。
「...けれどこんなふうにあまりにも静かで穏やかな島で純粋培養に近い恰好で育ってきた子供たちが、内地に渡っていきなり目下の日本の激しい情報洪水や露骨な刺激にさらされる日々と、どのように折り合ってゆくのかが心配です」
うーん、難しいなぁ。

それにしても、この本を読むと、カツオとカレーライスが食べたくなります。

新規作成(07/3/22)

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