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わが屍は野に捨てよ 一遍遊行
(佐江衆一、新潮文庫)


わが屍は野に捨てよ 一遍遊行わが屍は野に捨てよ 一遍遊行」は、一遍の生涯を追った小説。北の海明けと同じ著者なので、フィクションよりは、史実を忠実に追うスタイルが似ている。
想像するところ、文献や研究からの事実に対して、その行間を埋める形で、血肉を付け足して小説にするという書き方だと思われるのだが、筆者の想像の部分は、大きく史実を飛び出すことはないようなので、小説的な、ダイナミックなストーリー展開はない。一遍の生き方そのものが、ストーリーに直結している。なので、北の海明け同様、歴史上の主人公に興味があるかどうかで、この本の評価は決まると思う。
自分は、一遍自身に興味があるので、最後まで読み切った。が、本書で繰り返し描かれる、一遍の煩悩に対する苦しみに関しては、正直、よく分からない。自分は、それよりも、旅人としての一遍に興味があるのだが、そういう点では、ちょっと、不満かな。
ところで、本書中に、以下の一遍の歌が引用されていた。

 ふればぬれぬるればかはく袖のうへを
 雨とていとふ人ぞはかなき

一遍の語録を読む」(梅谷繁樹、NHKライブラリー)によると、「雨が降れば濡れる、濡れれば乾く袖なのに、雨が降ってきたからといって嫌がる人は頼みにならない。もっと、無常の理をわきまえなさい」というような意味らしい。
オートバイに関する文章で、時々、「やまない雨はない」、「雨もまた楽しい」というような文章があるが、自分は、そういう境地には、まだまだ、遠いなぁ。

新規作成(07/10/2)

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