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ベルクソン
(篠原資明、岩波新書)


ベルクソン前々からベルクソンのことは気になっていたのだが、これまで読んだことがなかった。哲学者というよりは詩人のようなイメージがあり、難解そうで手が出しづらかったのだが、岩波新書ならば読み易いだろうと思い、入門書として「ベルクソン」を読んでみた。

が、内容は、ベルクソン入門ではなく、ベルクソンの生み出した概念を使った、著者の自説の展開。「われわれはどこから来たのか、われわれは何なのか、われわれはどこへ行くのか」というテーマに対して、ベルクソンの概念を使って答えていこうというもの。

そこで、持続、知覚と思い出、収縮、物質と運動、エラン・ヴィタール、痕跡と横断、笑いと社会、宗教と仮構機能、ヴェールと離脱、神秘系と機械系等の興味深い概念が出てくるのだが、これらの概念が、ベルクソンの思想全体の中でどのように位置づけられるのか、また、これで網羅されているのかは分からない。加えて、本書が、そのテーマの回答になっているのかどうかもイマイチ不明。なんだか、中途半端な感じ。

ところで、仮構機能とは、社会の解体に対抗するために人間が持っている想像上の表象を呼び起こす能力とある。例えば、人間が自分のことだけを考えて勝手に振る舞えば社会は成り立たないが、仮構機能は、それに対抗する協調性や自制心を強制する人格神を想像させたり、死を前にして無気力に落ち入らないために死後の世界を想像させる。最近読んだ「赤を見る」では、人間の共感を持つ能力や自己を想像する傾向を論証していたが、まさしく、この仮構機能と通じ合う。なんだか、偶然を感じるなぁ。

雑記より移行(07/2/28)

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