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2009年5月前半

5月6日(水)

■阿修羅展

前回の雑記にも書いたけど、結局、今年のゴールデン・ウィークは、オートバイ・ツーリングはなし。あの車の多さでは、走りに行くのがバカらしい。まぁ、天気予報がイマイチというのもある。

阿修羅展というわけで、この連休は、特にやることもなく、不毛な時間を過ごしていた。それでも、昨日は、気を取り直して、気になっていた上野の国立美術館で開催中の阿修羅展へ。
最近、BRUTUSの仏像特集号を始め、他にもこの興福寺の阿修羅像が表紙になっている雑誌を見掛けていたので、相当混んでいるだろうなと思い、早めに現地へ向かう。が、やはり、開館の9時半前に到着したにも関わらず、もう、チケット売り場には長蛇の列。まぁ、でも、ここまで来たら待つしか無いか、我慢、我慢。で、館内に入れたのは、開館後30分弱程だったかな。
混雑しているので、不本意ながらも細々としたものは飛ばして先に進むも、中では、五部浄像がよかったか。で、阿修羅像へ。

最初の出会いは、少し高いところから見下ろす形。思っていたより、ほっそりしていて、これまたほっそりした六本の腕と合わせたプロポーションが素晴らしい。
スロープを下り、阿修羅の足元の高さまで来ると、その周りが開けていて、360度の方向から見ることができるようになっている。ガラスケースが無いのもいい。で、時計回りで、像に向かって左側の辺りから回って行く。
阿修羅には顔が三つあるけど、やはり、正面の顔が一番。それでも、とても不思議なのが、正面の顔だけでも、見る角度によって、表情が全然違うこと。
写真で見ていた印象は、これはホトケではなくてヒトだよなというもの。ヒト、それも青年独特の強い意志を感じさせるし、だけど、それ故の破滅的で不吉な何かも漂わせていて、その修羅らしい矛盾したところが魅力なんだろうなと思っていた。まさに、宮沢賢治の「春と修羅」の修羅。が、実物を前にすると、どうも、ヒトを越えたホトケ的な印象の方が強い。意外だなぁと思いつつ、時計回りに動いて行く。そして、正面に向かって左斜め辺りの位置に来ると、あら不思議、写真で感じた印象の顔付きになってきたような気がした。
その後は、像の周りの人混みから少し離れて、正面の顔をいろいろな角度から眺めてみる。すると、やっぱり、角度により微妙に表情が違い、感じる印象が変わってくるように思える。この像を創った仏師は、そこまで計算していたのだろうか。というか、そもそも、1300年も昔の人間が、こんなに繊細な人間の心の綾を理解していたというのが凄いではないか。人間の心を深く見つめるという点で、仏教が日本の文化に与えた影響を改めて感じるのであった。
それにしても、阿修羅にじっと見入っていると、ヒトとホトケの側面が混ざってきて、そして、なんだか、青年がおっさんのようにも見えてきて、段々、わけが分からなくなってくる。これが、阿修羅像の魅力なのかと思いつつも、あまりの人の多さに次の会場へ。

そして、その先には、巨大な仏像達が並んでいた。さすがに西の仏像は、大きくても洗練されていて文句の付けようがない。が、巨大故、その背景にあったであろう強大な権力を思うと、なんだか、興ざめという感じがしないでもないな。

甲州道中分間延絵図 大祝宅一通り見終わった後は本館の方へ。
で、まづ見つけたのが、「日本を歩く−甲信越−」という企画展で、これが興味深かった。というのも、「甲州道中分間延絵図」という江戸時代の諏訪近辺の地図が展示されていたのだが、その中に、御柱が立っている昨年の秋に訪れた諏訪大社上社の本宮のことが、そして、「大祝宅」ということで神長官宅のことも描かれていたのだった。近辺には、「社宮司」や「社宮神」という名前の神社も見える。
他には、鈴木牧之の北越雪譜もありました。

平成21年新指定国宝・重要文化財 八戸で出土した土偶次に、「アイヌの狩猟と漁撈」という展示をさらっと見た後は、2階へ上がる。すると、「平成21年新指定国宝・重要文化財」という展示があり、そこには、八戸で出土した土偶があった。おー、ラッキーじゃんというわけで、じっくりと眺めさせて頂く。
写真の通り、しゃがんで手を合わせているように見えるのだが、随分と手足が長い。そして、どちらかというと写実的な造形ということもあり、一般的な土偶とは大分違う印象。で、よく見ると、赤い塗料の跡があって、解説にもあったけど、往時は、赤く塗られていたらしい。でも、赤い土偶というのは、イマイチ、イメージが湧きませんな。土偶というよりかは、人形という感じか。
最後に、平常展をざっと眺めたのだが、少しづつ展示内容が変わっているようで、土偶が、遮光器土偶ではなく、室蘭出土のかわいらしいものになっていた。

昼過ぎに、外に出ると、どんよりとした曇空で、雨がパラパラ降っている。美術館の入口では、係の人が、「ただ今の時間、阿修羅展は40分待ちでーす」と叫んでいた。


5月2日(土)

■ゴールデン・ウィーク

4月に仕事の役割が変わってから、やたらと忙しくなった。平日の帰りはタクシー、休日も仕事は当たり前で、結局、4月に丸一日休めた日はあったのだろうかという状況。まぁ、でも、こういう御時世なので、仕事があるのは有り難いことか。
というわけで、気がついたら、ゴールデン・ウィークが来ていた。が、幸い、これまで忙しく働いてきたこともあり、気にはなるものの、まぁ、暦通り休んでいいでしょ。でも、何も考えていない。
というわけで、初日の土曜日の朝に早起きして、一番気になる東北道の渋滞情報を見てみる。と、うへっ、すごいことになっている。土曜日の早朝で、栃木県から福島県にかけて、長い渋滞ができている。この時間帯に、この辺りが混んでいるということは、金曜日の夜中に出発した車が作っている渋滞か。こんなの初めて見た。おまけに、白河の辺りでは、事故の通行止めも発生。これだけ車が多ければ、普段、車に乗っていない人も増えるだろうし、事故も起きるわな。多分、サービスエリアも人でごった返しているんだろう。阿呆くさ。そんな混乱の中を走る気はしない。というわけで、今年のゴールデン・ウィークの長期ツーリングはなし。天気予報もイマイチだし。まぁ、阿呆な政治家の浅はかな思いつき政策の結果なんて、こんなもんだ。ったく、迷惑な話。

乙和池と、早朝から憤りつつも、日帰りか一泊くらいの行き先を考えてみる。で、思い付いたのが佐渡島。
佐渡島には、2回程行っているのだが、最後は、6年前のこの時期。その時は、仕事のせいだったか、暦通りのゴールデン・ウィークの直後に休みを取って行ったので、どこも、ガラガラ。二ツ亀キャンプ場も貸切りだった。
で、その時に、まだ春浅い大佐渡スカイラインを流している途中に立ち寄ったのが、乙和池という小さな池。今となっては、何故、行ってみることになったのかも分からないけど、ここが素晴らしかった。
池というよりは沼といった感じの小じんまりとしたところなのだが、池に近づくと、青空と新緑の下、カエル達が大合唱。まるで、冬を越えて再び甦った生命の息吹を浴びているよう。
周りは貸切り状態で、しばらく佇んでいると、その景色が、生命を表現したひとつの芸術作品のように思えてくる。そして、それを外部から眺めている自分が妙に意識される。その「作品」の中に自分も入りたい。が、入れない。そんな疎外感を憶えながらも、それでも、何千年も何万年も繰り返されてきたであろう生命の讃歌に感じ入り、なんだか、泣きたくなるような思いだった。

というわけで、佐渡島へ渡るフェリーを調べてみる。
が、いいタイミングの船は全て予約で一杯。ったく...orz

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