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2008年8月後半

8月20日(水)

■東北旅行(3)

肘折温泉に向かい、国道47号線から分かれて、県道57号線に入る。
沿道は、田舎の農村地帯なのだが、驚いたのが、一軒一軒の家が巨大なこと。一家族の人数が多いのか、それとも、冬の雪のせいなのか、とにかく、失礼ながら、こんな山奥に、こんな大きな家が必要なのかと嫁さんと話をしながら運転を続ける。

つげ義春とぼく先に進むと、今神温泉という温泉への分岐があり、その場は、そのまま通り過ぎたが、今神温泉という名前に記憶があるような気がしたので、自宅に帰ってから調べてみた。すると、つげ義春の「つげ義春とぼく」(新潮文庫)中の「東北の湯治場にて」という小文に出ている温泉だった。
読み返してみると、難治の病の人が来る温泉らしく、おどろおどろしいことが書いてある。例えば、「あとはひたすら、「ナムアミダブツ」を唱えるのだが、これを大勢の浴客が灯明だけの薄暗い湯船につかりながら合唱する光景は不気味である。」とある。
それで、この温泉を憶えていたのだろうけど、いずれにしろ、興味本位で行くようなところではない。

さらに先に進み、分岐を直進すると、道路が、車一台がぎりぎりの狭路になった。舗装はされているのだが、自転車とだって、すれ違いは不可能。対向車が来たらどうするんだろうと思いながら、慎重に先に進む。
しばらく進むと、道の両側に畑が広がり、道が広くなった。ほっとしていると、が、またまた、狭路に。本当にこんな道が肘折温泉まで通じているのだろうか。このまま行き止まりになったらどうしよう。不安に思いながら、運転を続ける。
が、しばらく走ると、再び、道が広くなり、今度は視界も開け、肘折の集落に出たらしい。距離的には大したことはなかった筈だけど、長い時間、運転していたような気がする。車で、ましてや、レンタカーで来る道ではなかった。肘折温泉に行くならば、東側を走っている国道を使うべし。

ところが、温泉街に近付くと、まだ、試練があって、今夜、泊まる丸屋旅館の場所が分からない。というか、道路が細過ぎて、それらしい方向に入っていくことができない。他にも、自分達と似た様な車がいるのだが、途方に暮れている感じ。
自分達は、一旦、温泉街から外れたところに車を置いて、取り敢えず、歩いて、旅館に行ってみることにする。

丸屋旅館車の外に出ると、蒸し暑い。標高がありそうなので、もう少し涼しいと思っていたんだけど。
で、少し歩いたところの温泉街は、昭和にタイム・スリップしたようなレトロな雰囲気。道路の両側に、こじんまりとした温泉宿や土産屋の建物が、隙間なく並んでいる。空が狭い。昔ながらの風情を残しているとは聞いていたけど、ここまでの雰囲気は予想していなかった。昭和といっても、平成に近い昭和ではなくて、もっと、昔の昭和という感じ。まだ、こんなところが、あったんだなぁ。
で、歩いているうちに、温泉街の中程辺りに丸屋旅館を発見。これまた、レトロな建物で、いい雰囲気。
その後、旅館までの道のりを聞いて、無事、車を旅館の前へ。時間は、5時頃。車は、旅館の人が、駐車場へ移動してくれるとのことだった。

そして、チェックインをして部屋に案内してもらうと、内装がモダンなのに、ちょっと、驚いた。昔ながらの木造の建物をリニューアルしたらしいのだが、清潔で、洒落ている。水回りもきれいで、嫁さんが感動しているのだった。

当然、早速、温泉へとなるのだが、泉質が違う共同浴場の「上の湯」の無料チケットがサービスとのこと。嫁さんは内湯でいいと言っているので、自分だけ、そちらへ。
上の湯は旅館の目の前なので、徒歩5秒で到着し、中へ入ると、これまた、昔ながらの共同浴場。何から何まで雰囲気がある。が、お湯に浸かろうとすると、これが、熱い。熱いっす。ほとんど同じタイミングで入った自分と同年代くらいの人と苦笑い。それでも、せっかくなので、我慢して、お湯に浸かっていると、飲用の温泉が出ているところに、ここの由来が書いてあって、発見されたのは大同二年とあった。
東北学へ <1> もうひとつの東北から大同二年とは西暦807年のことなのだが、東北の歴史的存在の由緒は、この年に関係しているものが多いらしい。「東北学へ <1> もうひとつの東北から」(赤坂憲雄、作品社)には、こうある。
「すなわち、大同二年という年号は、奥州ではことに不可解な年号であり、いわば「昔々」と称すべきところにつねに用いられ...」
また、柳田国男からの孫引きには、
「大同二年は何故かは知らぬが我邦の伝説の上で極めて多事なる年である。殊に東北地方では弘法大使も田村将軍も共に此年を期して大に活動して居る」
ともある。肘折温泉というのは、なんとも、不思議な魅力がある。

というような難しい話はおいて、温泉の後は、晩ご飯なのである。
で、これが、素晴らしかった。山の幸が基本なのだが、どれも、シンプルながらも、ちゃんと手がかけられている印象で、例えば、鮎の塩焼きは、ワタが苦みが、花羽陽という地元の日本酒にぴったり。初めて食べたウドの花の天婦羅は、一口、噛むと、花の香りが、口中にほのかに漂い、花羽陽にぴったり。そして、にんにく味噌で和えたタケノコも美味で、しっかりとした味わいを、花羽陽で洗い流す...。要は、全部、酒にぴったりということなんだけれども、とにかく、他も、全てがおいしくて感動ものでした。

食後は、温泉街を散歩してから、もう一度、温泉に入って就寝。さすがに、夜になると、気温は下がって、窓を開けるのを忘れても、快適に眠れたのだった。

肘折温泉 丸屋旅館

肘折温泉の朝市翌朝は、朝ご飯の前に、辺りを散歩。肘折温泉は、朝市で有名だけど、まぁ、こじんまりとしたものでした。
空には青空が広がっている。が、夕べは雨が降ったようで、路面が濡れていて、そのせいか、涼しくて気持ちがいい。いかにも、田舎の夏の朝という感じで、子供時代を思い出す。
ついでに、辺りを一周すると、集落には、昔ながらの床屋とか、草葺きの家があったりもして、本当に、タイム・スリップをしたような気になるのだった。

朝ご飯は、またまた、おいしくて、食べ過ぎ。ふー。
今日は、夕方に、仙台駅に到着するだけなので、宿でゆっくりして、出発したのは10時前頃。いやー、いい旅館でした。肘折もよかった。また、来たいなぁ。

国道47号線に出て東に向かい、鳴子経由で仙台に向かう。少しでも標高が高くて涼しそうなところということで、この経路を選んだ。
が、全然、涼しくなんかなくて、おまけに、トラックが多く、単なる移動となってしまった。で、どこに寄ることもなく、鳴子を過ぎて、「あ・ら・伊達な道の駅」という変わった名前の道の駅で休憩。
が、この道の駅が、結構、充実していて、楽しい。結局、直売所のようなコーナーで、旅館でも出た甘なんばんやつるむらさき等の野菜を購入。

時間はまだ12時前なので、どこか、一ヵ所だけ寄りたいなぁと思い、ツーリングマップルに出ていた大崎市の「ひまわりの丘」というところに行ってみる。
場所は分かりにくかったけど、これが、意外と規模が大きくて、大当たり。やっぱり、ひまわりには、青空が似合いますなぁ。

大崎市の「ひまわりの丘」 大崎市の「ひまわりの丘」

仙台駅には2時頃に到着し、車を返して、その後は、駅ビルの寿司田という店で、遅めの昼ご飯。ここは、名前の通り寿司屋なのだが、メニューに、岩ガキを発見。今日は、思う存分、昼から、宮城の地酒の栗駒山で盛り上がるのでした。


8月17日(日)

■東北旅行(2)

泊まっている部屋からは、鳥海山が見えるのだが、今日も、山頂は、雲に隠れて見えない。曇りの天気ではあるが、昨日より青空の部分が多く、下の方は、見えるところが多くなっている。

朝ご飯の前に、ホテルの敷地内にある遊歩道を散歩。林の中に道がついているのだが、林の中は、もう、キノコが無数に生えていた。色も形も大きさも様々で、やっぱり、この辺りは、自然が豊かなんだなぁと実感。
遊歩道の一部には、小さな沼もあって、底には、大きなオタマジャクシがじっとしていた。そして、蒲の穂があって、沼辺の草にはヤゴの抜け殻がつかまっている。おまけに、草地には、大きなヘビ。子供時代には当たり前だったものばかりだけど、今は、とても、新鮮。でも、もう、ヘビは怖くて掴めないな。ハハハ

フォレスタ鳥海の遊歩道に生えていたキノコ フォレスタ鳥海の遊歩道に生えていたキノコ

朝ご飯の後は、まづは、土田牧場へ。ソフトクリームが目的なのだが、これが、相変わらず、本当に濃厚。北海道でも、そうそう、食べられるものではないと思う。
ここに来るのは久しぶりで、観光客向けの施設が増えていて、子ヤギやウサギが触れるようになっていた。ヤギは、子供でも、じいさんっぽい。それでも、体が真っ白で、かわいいのう。

さて、次は、中島台レクリエーションの森でハイキング。暑さでバテ気味なので、湿原のあの清冽な湧き水で涼みたい。
途中の土田牧場の周辺は、風力発電の風車が立ち並んでいて、なかなか、壮観。北海道の様な景色だった。

レクリエーションの森の駐車場に着くと、意外と車が多い。もちろん、人も多いのだが、気にしても仕方ないので、歩き出す。空は、雲が多いのだが、今のこの辺りは、日が射していて、直射日光が当たると暑い。
ここの遊歩道は、ざっくり言って、コースが8の字になっている。で、最初の丸の部分は、人が少ない水路沿いのコースへ。
すぐに水路に出ると、水路沿いは涼しく、所々、空気が冷たいくらいのところがあって気持ちがいい。はー
が、少し歩いて、水路から離れると、暑くなってくる。特に、森が切れて、直射日光が当たるところには、いられない感じ。それでも、森を奥に進むに連れて、気温が下がってくるのが分かる。人が多いのは、気になる程でもないかな。
30分程歩くと、森が開けて、湿原に到着。透明な湧き水が、水量豊かに流れている。思わず、両手を流れの中に突っ込むと、冷たい!冷た過ぎて、長い時間は入れていられない。
はー、それにしても、爽やかな景色。見ているだけで、涼しくなる。いつまでも、眺めていたい感じだ。

獅子ヶ鼻湿原 獅子ヶ鼻湿原

少し先にある鳥海マリモは、相変わらず、よく分からなかった。ゴールデンウィークと比べると、落ち葉が少なくて、川面はよく見えるのだが、それでも、はっきりしない。ふーんという程度。が、とにかく、水がきれいなのには、ため息が出る。
先に進むと、コースは、再び、森の中に入っていく。

前回、この辺りを歩いたゴールデンウィークの頃は、一面、残雪があったが、今は、下草が一杯で、歩道以外には立ち入れない感じ。溢れんばかりの緑の生命力を感じる。同じ場所だとは思えないな。
少し歩くと、奇形のブナが増えてきた。人為的な原因という説が有力らしいが、それにしても、不思議な形をしている。

中島台レクリエーションの森の奇形ブナ 中島台レクリエーションの森の奇形ブナ

出つぼ「出つぼ」という湧き水を通過し、二つ目の8の字の丸を歩き終わると、木製のイスがあったので、ちょっと、休憩。結構な数の人が通り過ぎるが、中に、三脚を付けた大きな一眼カメラを持ったおじさん2人が奥に歩いていった。他にも、一眼カメラを持っている人を、たくさん、見掛けた。写真撮影で有名なところなのだろうか。
それにしても、カメラも、あれだけの大きさになると、不便だろうな。撮影を目的にしないと、持ち運びは無理そう。

中島台レクリエーションの森帰り際に、後回しにしておいた「あがりこ大王」に寄ってから、車に戻る。
ふー、結局、2時間程歩いたことになるけど、結構、くたびれたな。
それにしても、やっぱり、ここは、緑の濃さが違う。途中、日が射してきて、みるみる、森の空気が緑色になったのはよかった。

その後は、鳥海ブルーラインで標高を上げ、鉾立展望台の駐車場へ行き、クールダウン。
これだけの高度になると、空気が涼しくて気持ちがいい。もっとも、景色は、曇りがちで、鳥海山頂も、日本海も、イマイチだったけど。

山を降りると、道の駅鳥海へ。で、道の駅の隣に、岩がきの幟を立てた店があったので行ってみる。わずかな距離だけど、下界は暑いよー。
店には、当たり前だけど、岩がきを売っていて、由利海岸産らしく、特大のサイズで、1個、\450円。由利海岸というのが、正確にどこかは分からないが、地元産であることは間違いないないので、食べてみた。すると、これが、うんまーい。濃厚で、まさしく、海を食べている感じ。臭みは全く無い。嫁さんと2人で、日本酒が欲しぃーと騒ぐのであった。
道の駅に戻ると、こちらでも、海の幸を売っていたが、こちらの岩がきは、同じくらいのサイズで、1個、\600。もうけたぞ。ハハハ
こちらでは、玉こんにゃくやイイダコ、ハマグリの串焼きを食べて、遅めの昼ご飯とした。あと、あまりに暑いので、さくらんぼ味のアイスクリームも。人がごった返していたけど、こういうのも、楽しいな。

さて、今夜は、肘折温泉に宿を予約している。なので、国道345号線に入り、その先は、47号線で、最上川を遡ることにする。
345号線は、以前、あがりこ大王を見に行った時の帰りにも、オートバイで走ったけど、その時と同じく、沿道は農村地帯で、道路の両側は、ずっと、田んぼや畑が広がっている。ただ、前回の秋とは季節が違い、田んぼは一面の緑が美しく、畑には何か豆のような作物が見える。庄内平野は、やっぱり、豊かだなぁと思う。

345号線は、途中から、最上川と並走するのだが、47号線は、最上川の真横を走ることになる。それで、最上川には、川下りの観光船が見えるのだが、あまり、涼し気な感じはしない。

その後、国道を離れ、県道57号線に入ると、地図で見てそうではないかと思ってはいたのだが、実際、この道が細いのなんの...

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