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2008年3月前半

3月1日(土)

■禅とオートバイ修理技術

禅とオートバイ修理技術禅とオートバイ修理技術禅とオートバイ修理技術」が、文庫になっていた。
本屋で、パラパラと立ち読みをすると、あとがきに、訳が見直されているとあったので、しばらくは読むつもりはないのだけど、買ってみた。

立ち読みをした時に気になっていたのだが、末尾の近くに、ゴシックのフォントで目立つ文章がある。旧版にはなかったものだが、その理由があとがきに書かれていて、ネタばれになるので、詳しくは、本書を読んで頂くとしても、改めて、アメリカ人というのは、何でも、白黒を付けたがる人達なんだなと思った。
本書のひとつのテーマである<<クオリティ>>と呼ばれる主客分離以前の世界の探求の観点からすれば、ゴシックの文章なんて不要な筈。実際、旧版を読んだ時に、<<クオリティ>>の概念は、あまり整理されていないなと感じたが、この手の探求は、アメリカ人というかアングロサクソン系には、これ以上は難しいのかもしれないなんて思ってしまう。
<<クオリティ>>のような思考について考えたいならば、例えば、フランスならば、ベルクソンの純粋知覚、日本ならば、西田幾多郎の純粋経験等の方が、たくさんの示唆がある。

また、訳を見直したとあるが、たまたま、記憶に残っていた旧版の「主観的理想主義者」(subjective idealists)、「客観的理想主義者」(objective idealists)(旧版のP.615、文庫版下巻のP.300)という訳語は、そのままだった。本来は、主観的観念論者、客観的観念論者と訳すべきだと思うが、直っていない。
旧版の翻訳については、特に、哲学的な思索に関する文章は、正直、イマイチだと感じた。他は読んでいないので分からないけど、この調子だと、今回の版も、それ程、期待できないかもしれない。

なんて、ここまで、否定的なことを書いてきたが、旧版を読んだ時に書いた読書録にあるように、本来は、非常に興味深い書籍で、手軽に手に入るようになったのは、喜ばしい限り。
オートバイに乗っている人ならば、一度は、トライする価値はあると思う。

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